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ファンファーレ
第六音
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学校へ行くと、私の席の前後の仲良し2人組が話しかけてきた。
「おはよう。里沙ちゃん、であってるよね?」
その1人は首を傾げ、ストレートロングの黒髪をサラリと揺らした。
「あ、そうです。えーっと…名前は確か…」
「藤白寧々です。是非覚えてくださいね。」
ねねちゃんか。彼女の容姿にピッタリのとても可愛らしい名前だ。
「アタシは倉井玲奈。呼び捨てで構わないよ。」
もう1人のベリーショート&少し茶髪で如何にも体育会系女子って感じの子が明るく自己紹介をしてくれた。
暗くないのにくらいれな…覚えておこう。
「アタシ達2人で、話しかけてみたいねって話してたの。」
「そうなのよー。れなったら新しいクラスで全員と友達になる!ってはしゃいでて。」
クスクス、っと寧々は笑った。
「里沙ちゃんは何部に入るかもう決めてるの?」
「私は吹奏楽部を見学してみようかなって思ってる。2人は?」
「アタシらはバレー部だよな!」
ええ、とコクリ寧々さん同意。
どう見ても寧々さん体育会系に見えない…。むしろ茶道部とか華道部とかそれこそ吹奏楽部でフルートやってそうなイメージだよ…。
「こう見えて私達の中学はバレー強かったのよね。」
「ああ。こいつ、見た目はひょろんとしてるけど意外と筋肉あるからな。」
触らせてもらうと、確かに硬い!凄いなぁ。
「じゃあ、お互い頑張ろうな!」
うん、と頷き席へ戻った。
ーーーーーーーーーーーーー
~体験入部当日~
「こうですか…?」
「そうそう、もっと肩の力を抜いて…。」
「はぁ、はぁ。」
「ゆっくりでいいのよ…。そう。イメージよ。」
「あっ…!でたぁ…。」
「よく出来ました…!」
ぷファー、とトランペットが情けない音を出した。
「初心者はこんなモンよ!音が出ただけで充分凄いわ!この楽器向いてるんじゃない?」
と、パートを回る度に言われた。これ、絶対全員に言ってるでしょ…。
一緒に回っている瑞月はとても良い音を出している。なんていうか、素直でクリアな音って感じ。
「瑞月凄いね…。3年間やってただけの事はあるね。」
「そらもう!毎日忙しかったからねー。」
トロンボーンはスライドで長さを調節して音を変える楽器だった。とても腕が疲れそうだった…。これ、速い曲の時ってどんな感じなんだろう…
ユーフォニアムとチューバは形は似ているものの、全然違う音を出していた。ユーフォは温かみのある音で、チューバは全員を支える程の力強い音だった。でも、やっぱり上手く行かなかった。楽器向いて無いのかな?
とうとう、フルートの番がやって来た。1番吹いてみたかった楽器でもある。簡単そう、なんて思ってたけど、瑞月曰く難しいのだそう。うまく吹けるかな…
「じゃあ、頭部感で1回吹いてみよっか。」
と、優しく教えて下さった。
ヒンヤリとした唇を当てるプレートが緊張を倍にさせる。
音が出ますように…
「トゥーーー」
やった!音が出た!
あぁ、ニヤケが止まらない。嬉しいっ!
「おお、凄いね。君、ホントに初心者?」
「ホントです!あぁ、音が出るって楽しいですね!」
「それは良かった!じゃあ指も付けてやってみよっか。」
沢山押す所があって難しそうだと思ってたけど、もう押す所は決まっていて、その組み合わせで音を帰るのだという。ほうほう。
カエルの歌ができるようになった所で、時間が来てしまった。
「すごく楽しかったです!ありがとうございました!」
「こちらこそ来てくれてありがとう。是非入部してね!」
あぁ、どうしよう!まだニヤケが止まらない!
これからが楽しみ過ぎる!
よし、決めた。私、吹奏楽部に入部する!!!
「おはよう。里沙ちゃん、であってるよね?」
その1人は首を傾げ、ストレートロングの黒髪をサラリと揺らした。
「あ、そうです。えーっと…名前は確か…」
「藤白寧々です。是非覚えてくださいね。」
ねねちゃんか。彼女の容姿にピッタリのとても可愛らしい名前だ。
「アタシは倉井玲奈。呼び捨てで構わないよ。」
もう1人のベリーショート&少し茶髪で如何にも体育会系女子って感じの子が明るく自己紹介をしてくれた。
暗くないのにくらいれな…覚えておこう。
「アタシ達2人で、話しかけてみたいねって話してたの。」
「そうなのよー。れなったら新しいクラスで全員と友達になる!ってはしゃいでて。」
クスクス、っと寧々は笑った。
「里沙ちゃんは何部に入るかもう決めてるの?」
「私は吹奏楽部を見学してみようかなって思ってる。2人は?」
「アタシらはバレー部だよな!」
ええ、とコクリ寧々さん同意。
どう見ても寧々さん体育会系に見えない…。むしろ茶道部とか華道部とかそれこそ吹奏楽部でフルートやってそうなイメージだよ…。
「こう見えて私達の中学はバレー強かったのよね。」
「ああ。こいつ、見た目はひょろんとしてるけど意外と筋肉あるからな。」
触らせてもらうと、確かに硬い!凄いなぁ。
「じゃあ、お互い頑張ろうな!」
うん、と頷き席へ戻った。
ーーーーーーーーーーーーー
~体験入部当日~
「こうですか…?」
「そうそう、もっと肩の力を抜いて…。」
「はぁ、はぁ。」
「ゆっくりでいいのよ…。そう。イメージよ。」
「あっ…!でたぁ…。」
「よく出来ました…!」
ぷファー、とトランペットが情けない音を出した。
「初心者はこんなモンよ!音が出ただけで充分凄いわ!この楽器向いてるんじゃない?」
と、パートを回る度に言われた。これ、絶対全員に言ってるでしょ…。
一緒に回っている瑞月はとても良い音を出している。なんていうか、素直でクリアな音って感じ。
「瑞月凄いね…。3年間やってただけの事はあるね。」
「そらもう!毎日忙しかったからねー。」
トロンボーンはスライドで長さを調節して音を変える楽器だった。とても腕が疲れそうだった…。これ、速い曲の時ってどんな感じなんだろう…
ユーフォニアムとチューバは形は似ているものの、全然違う音を出していた。ユーフォは温かみのある音で、チューバは全員を支える程の力強い音だった。でも、やっぱり上手く行かなかった。楽器向いて無いのかな?
とうとう、フルートの番がやって来た。1番吹いてみたかった楽器でもある。簡単そう、なんて思ってたけど、瑞月曰く難しいのだそう。うまく吹けるかな…
「じゃあ、頭部感で1回吹いてみよっか。」
と、優しく教えて下さった。
ヒンヤリとした唇を当てるプレートが緊張を倍にさせる。
音が出ますように…
「トゥーーー」
やった!音が出た!
あぁ、ニヤケが止まらない。嬉しいっ!
「おお、凄いね。君、ホントに初心者?」
「ホントです!あぁ、音が出るって楽しいですね!」
「それは良かった!じゃあ指も付けてやってみよっか。」
沢山押す所があって難しそうだと思ってたけど、もう押す所は決まっていて、その組み合わせで音を帰るのだという。ほうほう。
カエルの歌ができるようになった所で、時間が来てしまった。
「すごく楽しかったです!ありがとうございました!」
「こちらこそ来てくれてありがとう。是非入部してね!」
あぁ、どうしよう!まだニヤケが止まらない!
これからが楽しみ過ぎる!
よし、決めた。私、吹奏楽部に入部する!!!
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