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第2章 時の使者
20話 因縁(後編)
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「すずは東京の遠足になんて行かせない。これはいくら冬馬くんのお願いとはいえ聞くことはできないの」
「なぜそこまでしてすずを…?」
「それは冬馬くんには関係ないんじゃない?私だって心配なのよ」
すずの交渉に入ってから数分早くも本題へ切り込まれておりお互いに譲ることのできない戦いが静かに始まったのだった。
「一つだけ教えといてあげる。冬馬くんならわかるでしょ。大事な娘を東京なんて遠いところに行かせて万が一のことがあったらって心配になってしまう親の心が」
「…そのとおりですね。たしかに親としては大事な子を遠いところに行かせるなんて不安かもしれません」
「でしょ。だから─」
「でも、それをいつまで経っても言ってしまっては子離れのできない厄介な親になってしまいますよ」
「あら。冬馬くんは私を厄介な親だと?悲しいなぁ」
「べ、別にそんなつもりはありません!あくまでなってしまうってだけでこれは未来の話です。そうならないためにも今、認めるべきかと」
決して悲しそうなんかではない声音で冬馬のこぼした失言を拾いそれを焦った冬馬が撤回する。この人は完全に遊んでいる余裕でいるのだ。それもそのはずいくら賢いとはいえただの小学生。全力で言いくるめようなんてことしなくても簡単に論破してしまえるのだから本気など出すわけもない。それがわかるからこそ悔しい。
「未来の話って言ってもまだあの子は…冬馬くんだって小学生なのよ?中学生ならまだしもそんな幼い子を心配するのは決して変ではないんじゃないかしら?」
「そ、それは…」
「子離れも何も今が一番目を配るべき時期じゃないの?冬馬くんみたいに大人っぽい子なら大人も安心しちゃうかもしれないけどね」
優しく、丁寧にかつ的確に冬馬の発言を反論し言い負かす。これが大人の力。小学生には到底届かない高い壁だと実感する。
「な、ならこれならどうでしょう。今回の遠足、僕をすずの責任者にしてください」
「ほぅ。というと?」
冬馬の隠し持った最終手段。本当は絶対に使いたくなかった交渉材料。それは自分を使った大勝負だった。この提案に面白いと言わんばかりにすずの母は目を細め緩んだ口元を隠す。
「今回の遠足で万が一すずになにかあったら僕は二度とすずと関わりません。責任者不信任としての責任を果たします。この条件が足らないならどんな罰でも受けます」
「ちょっ…トーマ!!」
「すずはお黙り!冬馬くんがあんたを思ってここまで言ってくれてるんだ。水を指すんじゃないよ」
思わぬ条件に襖の奥から盗み聞いていたすずも声を上げる。が、すずの母にぴしゃりと切り捨てられ反論の余地なく黙り込んでしまう。
「冬馬くん、その条件はたしかに魅力的だ。娘のために冬馬くんが尽くしてくれるなんてねえ。遠足という限られた人間しか行けないものに関してこれ以上とない魅力的な話だ」
「!でしたら─」
「でもね、何かあってからじゃあ遅いんだよ。東京行きのバスが事故って死んじゃいました。もうすずとは関わりませんなんて変な話だろう?罰以前に生きて娘が帰ってくる保証がなきゃ意味がないんだよ。もっと言えばね、百パーセントの確率で生きて帰ってもらったうえでなにもないっていうのが大前提なんだよ」
「……」
冷静に考えれば当たり前とも取れる回答に思わず黙り込んでしまう。たしかにそのとおりだ。死んだ娘を返してどんな罰でも受けますなんて身勝手にもほどがある。
「無傷」
「…んぇ?」
「すずをかすり傷一つない完璧な状態で遠足を終えることはできるかしら?」
「そ、それは…」
「できないならできないって言って頂戴。むしろ虚勢を張られて傷一つでもつけて帰ろうものなら冬馬くんとはいえ絶対に見逃すことなんてしないわ」
「…」
理不尽なまでに高難易度な条件に思わず冬馬も黙り込む。万が一安請け合いをして知らぬ間に小さな傷でもつけようものならどんなことになるのか想像もつかない。
「…で、どうなの?かすり傷一つつけず完璧な状態でいることができるの?」
「……」
「黙ってちゃ分かんないよ~」
冷酷にも黙り込んでしまう冬馬にはっきりと回答を求めるすずの母。その威圧感は今までの中でも一番のものでありこの回答権の重みを肌で感じた。
ただでさえ今の傷の数と場所を把握していない、できない中で傷をどうこうといったことは確実に無理である。仮に受けたとしても完全な負け試合、いわば詰みであった。そんな冬馬の答えは、悔しながらも決まってしまっていた。
「で、できないです…」
「そうだよね~」
この回答以外の答えが思いつかなかったのだ。気づくと先程までの威圧感は消えており肩に力が入っていた。そんな冬馬にすずの母は優しい眼差しで微笑みかける女神のように顔を近づけて言った。
「冬馬くん、いくら大人っぽいと入ってもまだ子供。そんな君に教えてあげるけどね責任者っていうのはそれだけ重荷になることなの。簡単に言っていいものじゃない」
「は、はい」
「はい。これでこの話はおしまい!それでいいね?」
「…大丈夫です。今回はお時間をいただき…」
「いいのいいの!むしろ娘のために交渉なんてしてくれてありがとうねぇ」
「いえ。僕のわがままですので。では、失礼します。お邪魔しました」
「はーい。またね」
そうしてすずの遠足の同行の交渉は完全に失敗として終わりを迎えたのだった。最初とは違いかなりスローペースながら屋敷を後にしたのだった。
────────────
「ごめんね。僕じゃあ手も足も出なかった」
「トーマが謝ることなんて無いよ。むしろうちのお母さん相手によくここまで行けたと思うよ。私なら絶対にむり」
屋敷を後にし外はすでに日が落ち、懐中電灯なしでは歩けないほどの夕闇になっていた。大勢の蛙が合唱をしており昼間ほどではないが蒸し暑く寝苦しさを無意識に懸念してしまう夜だった。
「いや…僕がもっと交渉上手だったら…もっと賢かったら一緒に遠足へ行けたのに」
「相手は大人なんだよ?小学生でここまでできたなら上々だよ」
「それでも結果が駄目なら意味ないよ。僕の力不足だ」
今思えばどこか調子に乗っていたと思う。村の大事な相談者として扱われてきていた自分は賢いと高慢になっていた。大人相手にやり合える力があると錯覚していた。その傲りが今回のように何処かできると余裕ぶって安請け合いしてしまい結果失敗に終わり大人に楯突いたということだけが残ってしまったのだ。その事実が、なんとも言えない感情になって冬馬をぐちゃぐちゃにする。自然と視界がぼやけてくる。溢れた涙を拭う気力すらなく一滴、一滴と頬を伝っていくのを感じながら門へと進む。
「本当にごめん。もっと…もっともっと僕が」
「もうやめて。トーマはさっきから謝るところが違うの」
「…?僕が交渉の準備を…」
「そっちでもない!さっきの交渉、私になにかあったら一生関わらない?なにそれ。私聞いてないんですけど」
「そ、それは…僕だって言うつもりはなかったけどこれしか方法がなかったんだから」
「勝手に決めないでよ!私はトーマとまだ一日遊びたいし中学生…大人になってもずっと一緒にいたいと思ってたの!」
「それは僕だって…!でもせっかくの東京遠足ですずも行きたがってたんだし…」
「それはトーマたちと楽しみたいっていう思いあってのものだよ!!もし行けたとしてもそんな条件の中での遠足なんか楽しめないよ…」
思わぬ指摘に冬馬も驚きが隠せない。自身の詰めの甘さに嫌気が差す。自分だけが罰を受ければいいなんて言う考えは誰も求めていなかったんだと初めて気づく。
「ああ…ほんとに馬鹿だな、僕」
交渉が終わってからうつむきっぱなしだった顔がようやく前を向く。ふくれっ面のすずがこっちを見ていたことに今わかった。
「ありがとうすず。安易に自分だけなんて考えないようにするよ」
「お、いつものトーマに戻った。そうでなくっちゃ」
「決めた!!僕遠足に行かない!」
「はあ!?!?」
その唐突すぎる決断にすずの驚いた声が谺する。
「あーあ東京行きたかったねえ」
「ちょっ…ちょっとまってよ!トーマはいけるじゃん!」
「僕だってすずも含めてみんなで行く遠足を求めてここまで頑張ったんだ。失敗した以上この遠足に参加する意味なんて無いも同然だよ」
その真っ直ぐな視線、開き直ったとも取れるような表情に呆れともう一つ。感じたことのない胸の高鳴りがすずの体を駆け巡る。それが一体何だというのか、分からないが今はまず
「なにそれ、変なトーマ!ありがと!」
暖かな感情が感謝として口からこぼれていく。それを確認した冬馬の口も自然と緩む。
「いつかいっしょに東京へ行こう!その時はどこに行こうかなぁ」
「雷門っていううちの門の何倍も大きい建物があるんだって!私見てみたい!」
「お台場ってところにはでっかいロボットがあるらしいんだ」
「コッカイギジドーにも行ってみたいね!教科書でしか見たこと無いし」
東京に関し聞いたことのある情報をもとに行きたい観光地を上げ想像していく。なんでもある都会で何を見るか。どう満喫するのか、子供らしい想像が二人の表情を明るく輝かせる。
「でもやっぱり一番は…」
「「東京タワー!」」
「やっぱりそこだよね!」
「いつか東京に行ったときは絶対東京タワーに行こうね!そこの頂上から東京を眺めよう!」
二人が声を揃えて言う観光名所にはとびきりの思いを込めて、いつか来るであろうその日を夢見てすずの使用人が心配し顔を出すまでの間飽きることなく語り合ったのだった。
「なぜそこまでしてすずを…?」
「それは冬馬くんには関係ないんじゃない?私だって心配なのよ」
すずの交渉に入ってから数分早くも本題へ切り込まれておりお互いに譲ることのできない戦いが静かに始まったのだった。
「一つだけ教えといてあげる。冬馬くんならわかるでしょ。大事な娘を東京なんて遠いところに行かせて万が一のことがあったらって心配になってしまう親の心が」
「…そのとおりですね。たしかに親としては大事な子を遠いところに行かせるなんて不安かもしれません」
「でしょ。だから─」
「でも、それをいつまで経っても言ってしまっては子離れのできない厄介な親になってしまいますよ」
「あら。冬馬くんは私を厄介な親だと?悲しいなぁ」
「べ、別にそんなつもりはありません!あくまでなってしまうってだけでこれは未来の話です。そうならないためにも今、認めるべきかと」
決して悲しそうなんかではない声音で冬馬のこぼした失言を拾いそれを焦った冬馬が撤回する。この人は完全に遊んでいる余裕でいるのだ。それもそのはずいくら賢いとはいえただの小学生。全力で言いくるめようなんてことしなくても簡単に論破してしまえるのだから本気など出すわけもない。それがわかるからこそ悔しい。
「未来の話って言ってもまだあの子は…冬馬くんだって小学生なのよ?中学生ならまだしもそんな幼い子を心配するのは決して変ではないんじゃないかしら?」
「そ、それは…」
「子離れも何も今が一番目を配るべき時期じゃないの?冬馬くんみたいに大人っぽい子なら大人も安心しちゃうかもしれないけどね」
優しく、丁寧にかつ的確に冬馬の発言を反論し言い負かす。これが大人の力。小学生には到底届かない高い壁だと実感する。
「な、ならこれならどうでしょう。今回の遠足、僕をすずの責任者にしてください」
「ほぅ。というと?」
冬馬の隠し持った最終手段。本当は絶対に使いたくなかった交渉材料。それは自分を使った大勝負だった。この提案に面白いと言わんばかりにすずの母は目を細め緩んだ口元を隠す。
「今回の遠足で万が一すずになにかあったら僕は二度とすずと関わりません。責任者不信任としての責任を果たします。この条件が足らないならどんな罰でも受けます」
「ちょっ…トーマ!!」
「すずはお黙り!冬馬くんがあんたを思ってここまで言ってくれてるんだ。水を指すんじゃないよ」
思わぬ条件に襖の奥から盗み聞いていたすずも声を上げる。が、すずの母にぴしゃりと切り捨てられ反論の余地なく黙り込んでしまう。
「冬馬くん、その条件はたしかに魅力的だ。娘のために冬馬くんが尽くしてくれるなんてねえ。遠足という限られた人間しか行けないものに関してこれ以上とない魅力的な話だ」
「!でしたら─」
「でもね、何かあってからじゃあ遅いんだよ。東京行きのバスが事故って死んじゃいました。もうすずとは関わりませんなんて変な話だろう?罰以前に生きて娘が帰ってくる保証がなきゃ意味がないんだよ。もっと言えばね、百パーセントの確率で生きて帰ってもらったうえでなにもないっていうのが大前提なんだよ」
「……」
冷静に考えれば当たり前とも取れる回答に思わず黙り込んでしまう。たしかにそのとおりだ。死んだ娘を返してどんな罰でも受けますなんて身勝手にもほどがある。
「無傷」
「…んぇ?」
「すずをかすり傷一つない完璧な状態で遠足を終えることはできるかしら?」
「そ、それは…」
「できないならできないって言って頂戴。むしろ虚勢を張られて傷一つでもつけて帰ろうものなら冬馬くんとはいえ絶対に見逃すことなんてしないわ」
「…」
理不尽なまでに高難易度な条件に思わず冬馬も黙り込む。万が一安請け合いをして知らぬ間に小さな傷でもつけようものならどんなことになるのか想像もつかない。
「…で、どうなの?かすり傷一つつけず完璧な状態でいることができるの?」
「……」
「黙ってちゃ分かんないよ~」
冷酷にも黙り込んでしまう冬馬にはっきりと回答を求めるすずの母。その威圧感は今までの中でも一番のものでありこの回答権の重みを肌で感じた。
ただでさえ今の傷の数と場所を把握していない、できない中で傷をどうこうといったことは確実に無理である。仮に受けたとしても完全な負け試合、いわば詰みであった。そんな冬馬の答えは、悔しながらも決まってしまっていた。
「で、できないです…」
「そうだよね~」
この回答以外の答えが思いつかなかったのだ。気づくと先程までの威圧感は消えており肩に力が入っていた。そんな冬馬にすずの母は優しい眼差しで微笑みかける女神のように顔を近づけて言った。
「冬馬くん、いくら大人っぽいと入ってもまだ子供。そんな君に教えてあげるけどね責任者っていうのはそれだけ重荷になることなの。簡単に言っていいものじゃない」
「は、はい」
「はい。これでこの話はおしまい!それでいいね?」
「…大丈夫です。今回はお時間をいただき…」
「いいのいいの!むしろ娘のために交渉なんてしてくれてありがとうねぇ」
「いえ。僕のわがままですので。では、失礼します。お邪魔しました」
「はーい。またね」
そうしてすずの遠足の同行の交渉は完全に失敗として終わりを迎えたのだった。最初とは違いかなりスローペースながら屋敷を後にしたのだった。
────────────
「ごめんね。僕じゃあ手も足も出なかった」
「トーマが謝ることなんて無いよ。むしろうちのお母さん相手によくここまで行けたと思うよ。私なら絶対にむり」
屋敷を後にし外はすでに日が落ち、懐中電灯なしでは歩けないほどの夕闇になっていた。大勢の蛙が合唱をしており昼間ほどではないが蒸し暑く寝苦しさを無意識に懸念してしまう夜だった。
「いや…僕がもっと交渉上手だったら…もっと賢かったら一緒に遠足へ行けたのに」
「相手は大人なんだよ?小学生でここまでできたなら上々だよ」
「それでも結果が駄目なら意味ないよ。僕の力不足だ」
今思えばどこか調子に乗っていたと思う。村の大事な相談者として扱われてきていた自分は賢いと高慢になっていた。大人相手にやり合える力があると錯覚していた。その傲りが今回のように何処かできると余裕ぶって安請け合いしてしまい結果失敗に終わり大人に楯突いたということだけが残ってしまったのだ。その事実が、なんとも言えない感情になって冬馬をぐちゃぐちゃにする。自然と視界がぼやけてくる。溢れた涙を拭う気力すらなく一滴、一滴と頬を伝っていくのを感じながら門へと進む。
「本当にごめん。もっと…もっともっと僕が」
「もうやめて。トーマはさっきから謝るところが違うの」
「…?僕が交渉の準備を…」
「そっちでもない!さっきの交渉、私になにかあったら一生関わらない?なにそれ。私聞いてないんですけど」
「そ、それは…僕だって言うつもりはなかったけどこれしか方法がなかったんだから」
「勝手に決めないでよ!私はトーマとまだ一日遊びたいし中学生…大人になってもずっと一緒にいたいと思ってたの!」
「それは僕だって…!でもせっかくの東京遠足ですずも行きたがってたんだし…」
「それはトーマたちと楽しみたいっていう思いあってのものだよ!!もし行けたとしてもそんな条件の中での遠足なんか楽しめないよ…」
思わぬ指摘に冬馬も驚きが隠せない。自身の詰めの甘さに嫌気が差す。自分だけが罰を受ければいいなんて言う考えは誰も求めていなかったんだと初めて気づく。
「ああ…ほんとに馬鹿だな、僕」
交渉が終わってからうつむきっぱなしだった顔がようやく前を向く。ふくれっ面のすずがこっちを見ていたことに今わかった。
「ありがとうすず。安易に自分だけなんて考えないようにするよ」
「お、いつものトーマに戻った。そうでなくっちゃ」
「決めた!!僕遠足に行かない!」
「はあ!?!?」
その唐突すぎる決断にすずの驚いた声が谺する。
「あーあ東京行きたかったねえ」
「ちょっ…ちょっとまってよ!トーマはいけるじゃん!」
「僕だってすずも含めてみんなで行く遠足を求めてここまで頑張ったんだ。失敗した以上この遠足に参加する意味なんて無いも同然だよ」
その真っ直ぐな視線、開き直ったとも取れるような表情に呆れともう一つ。感じたことのない胸の高鳴りがすずの体を駆け巡る。それが一体何だというのか、分からないが今はまず
「なにそれ、変なトーマ!ありがと!」
暖かな感情が感謝として口からこぼれていく。それを確認した冬馬の口も自然と緩む。
「いつかいっしょに東京へ行こう!その時はどこに行こうかなぁ」
「雷門っていううちの門の何倍も大きい建物があるんだって!私見てみたい!」
「お台場ってところにはでっかいロボットがあるらしいんだ」
「コッカイギジドーにも行ってみたいね!教科書でしか見たこと無いし」
東京に関し聞いたことのある情報をもとに行きたい観光地を上げ想像していく。なんでもある都会で何を見るか。どう満喫するのか、子供らしい想像が二人の表情を明るく輝かせる。
「でもやっぱり一番は…」
「「東京タワー!」」
「やっぱりそこだよね!」
「いつか東京に行ったときは絶対東京タワーに行こうね!そこの頂上から東京を眺めよう!」
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