猫飼い初心者の奮闘

月代零

文字の大きさ
上 下
3 / 6

3.ペット保険には入るべきか?

しおりを挟む
 ペットを飼うには、お金がかかる。毎日のフードやトイレシート、猫砂などの必需品はもちろん、おそらく一番悩ましいのが医療費ではないだろうか。

 ペットには、日本における人間の健康保険のようなものはない。よって、医療費は全て自費である。体感だが、ちょっと具合が悪そうかな? と思った一回の受診で、数千円から一万円ほどはかかると覚悟しておく必要がある。
 そんな時の備えになる――かもしれない――のが、民間の会社が運営するペット保険である。人間の医療保険などと同じで、対象の費用がかかった際に、保険会社からその一部が補填されるシステムである。

 では、ペット保険に入っておけばいざという時も安心か? ペット保険には入るべきか?

 結論から言うと、個人的にはどちらでもいいのではないかと思う。よく情報収集をして、自分の納得のいく形にするしかないと思うのだ。

 当然だが、保険会社も慈善事業ではない。加入者全員が掛け金をペイできるような仕組みでは、会社が破産してしまう。
 だからと言って、保険会社があこぎな商売をしているとか、そんなことを言いたいわけではない。入っていて助かる場面もあるだろう。だからこその「保険」である。

 我が家は、数社から資料を取り寄せたり、ネットで調べたりして悩んだ末、業界シェアNo.1というA社と契約した。
 月々の保険料や保障内容など、悩んだポイントは色々あるが、決め手は忘れた(オイ)。たぶん、保険金の清算のしやすさや、他の付帯サービスで、なんとなく「ここでいいかあ」と決めたような記憶がある。A社の場合、ペットの保険証を病院の窓口で提示すると、その場で保険適応分を清算してもらえる。他には、脱走してしまった時のペット探偵派遣サービスや、電話やLINEで獣医師に相談できるサービスなどがある。
 尚、筆者は保険会社の回し者ではないし、この記事も広告案件などではないので、詳しくはご自分で調べてください。

 費用面は決め手にならなかったので、おそらくどこも同じくらいの保険料だったと思う。

 我が家の場合、月々3千円くらい。もちろん、動物の年齢で保険料も変わってくる。猫だと8歳を過ぎるとシニアの部類になるので、保険料もぐっと上がると言われている。シニア猫で最も気を付けないといけない病気は、おそらく腎機能低下だろう。猫はその特性上、泌尿器系の疾患を抱えやすい。
 ちなみに、元野良だったりして正確な年齢がわからなくても、保険には入れる。もちろん、極端にサバを読んだり、既往歴を申告しなかったりしたら契約違反になるだろうが。

 そう、他はどうか知らないが、A社は元野良かどうかなどは、契約時の設問になかった。誕生日は推測で構わないようだ。問題は既往歴だ。人間の医療保険と同じで、契約時に既に罹患していた慢性疾患などは、保険適応外になる。加えて、避妊去勢手術や、定期的なワクチン、ノミ・ダニ・フィラリア予防薬なども保険は使えない。そして、回数や金額にも上限があるので、保険に入っておけば安心と言い切れるわけでもないとは思う。

 では、実際のところどんな感じなのかというと。
 我が家の場合、毎月の保険料は3千円ほど。

 1年だと3千×12で約3万6千円。改めて見ると、なかなかの金額である。

 調べた範囲だと、どの保険会社も、5割負担(保険会社が費用の5割負担してくれる)と7割負担(同7割負担してくれる)のコースがあった。7割負担コースだと、こちらが3割負担なので、人間の健康保険と一緒の感覚だ。ただし、その分保険料も上がる。我が家は5割コースを契約している。
 これだと、医療費が毎月6千円以上かかれば保険料をペイできる計算になるが、高齢でもない限りそんなにかかることはないだろうし、ペットの負担を考えれば、病気や怪我などさせないように過ごさせてあげるのが一番だろう。

 まあ、損か得かはともかく、病院での支払いが安くなるという、安心材料にはなるかもしれない。もし誤飲などをして開腹手術なんて事態になれば、諭吉が何枚も飛んでいくだろうから、そういう時の備えとしてはいいかもしれない。

 そして、何かあった時にある程度まとまった金額を払えるようにしておくことも、ペットを飼う上で必要な心構えではないかと思う。たまにSNSで「難病のうちの子のために、医療費のクラウドファンディングをお願いします!」なども見かけるが、個人的にはあまりいいとは思わない。身の丈に合った支出をするべきではないだろうか。

 と、話が逸れたが、ペット保険には入っておくべきかどうかという話。自分のお財布や諸々の情報と総合的に判断して、納得のいく形でやっていくしかないだろう。

 うちは、やっぱり解約して貯金に回した方がいいかなあ、などと思い始めていたところ、持病が見つかり、定期的な通院が必要になってしまった。どうするべきか、悩ましいところである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「親の介護のこととか」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
高齢になった親との暮らしのことなどを、エッセイ風に綴ります。

【急報】HOTランキングチャレンジ

蒼井星空
エッセイ・ノンフィクション
自作を投稿したときのHOTランキングの推移と興奮をお伝えしたいと思います。 そもそも載ると思ってなかったので急遽ですw

【続々】MAX三桁。80kg台突入からの本気ダイエット。おばさんの記録帳。

桜 鴬
エッセイ・ノンフィクション
2021/2/27よりTwitterにで、体重公開を始めています。 https://twitter.com/butasan_014/ *** MAX体重がなんと三桁越え!このままじゃ死んじゃうかも…… 2020/11/16より大型ダイエット開始。約2ヶ月半かけて、ようやく二桁台に突入しました。そして3/19に80kg台に突入。 約十年ぶりの再ダイエット。約十年前には体重の約半分までのダイエットに成功!なのに見事にリバウンド…… 今回は本気で奮闘中です。 【三桁越えからの本気ダイエット。おばさんの記録帳。】 【続・二桁突入からの本気ダイエット。おばさんの記録帳。】 の続きとなります。先にお読み戴けたら嬉しいです。 今回は画像は少な目にし、体重公開と小話でカキカキ“〆(^∇゜*)♪予定🐷 画像ありには、サブタイトルに【*】マーク付き。通常は【▪】になります。 毎日更新はネタがなくて無理だとは思いますが、おばさんの奮闘を見守ってくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまの……ぬるい眼差しに力を分けて戴きたいです。 再ダイエット……2020/11/16開始。

「繊細さんの日々のこと」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
「繊細さん」の私が、日常で感じたことなどを綴ります。 ちなみに私は内向型HSPです✨

毎日更新しそうなしなさそうな、どうでも良いような良くないような、そんな日記みたいなもの

ぞぞ
エッセイ・ノンフィクション
 日々の生活の中で思ったこと、気づいたこと、考えたこと、思い出したこと、描いた絵の紹介など、脈絡なく垂れ流していく日記みたいなものです。 ご興味のおありな方は(いるのか……?)覗いてみてください。

虚像のヘルパー

メカ
エッセイ・ノンフィクション
ある介護士のお話 この物語は、筆者である私「メカ」の経験を元に 語られる介護士の裏側の物語。 ノンフィクション(経験)であり、フィクション(登場人物は仮名)。 そんな矛盾を抱えるお話。 貴方に映るこの「介護士」は 果たして、理想的な介護士でしょうか? それとも、単なる理想郷を求めた若者の寝言でしょうか?

1976年生まれ、氷河期世代の愚痴

相田 彩太
エッセイ・ノンフィクション
氷河期世代って何? 氷河期世代だけど、過去を振り返ってみたい! どうしてこうなった!? 1976年生まれの作者が人生を振り返りながら、そんなあなたの疑問に答える挑戦作! トーク形式で送る、氷河期愚痴エッセイ! 設定は横読み推奨というか一択。 エッセイとは「試み」という意味も持っているのである。 オチはいつも同じです。

道行くおかしい人

シュール主義
エッセイ・ノンフィクション
道で見かけた変な人目撃談。

処理中です...