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第三章 奈落のマリオネット
31 地下駐車場
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銀次郎たちはテレビ局の総務部に相談をし、大々的に昨日の午前中従業員エレベーターで清掃員を見かけた人物を探した。
複数の職員が名乗り出たが、どれも記憶が曖昧であった。ただ一人行き先を鮮明に覚えている人物がいた。広報の石田である。
「確かに覚えています! 私は台車で沢山の荷物を地下駐車場まで運ぶところでした。その清掃員は、私の荷物が崩れたのを直すのを手伝ってくれて一緒の階で降りました。地下駐車場です!」
石田は記憶をたどり丁寧に一つ一つ思い出しながら話す。
「それからどっちに行ったんだ? 何か話したか?」
「台車を押している私を追い越しはしなかったので、違う方向に行ったと思います。話はしませんでした。一方的に私がお礼を言っただけです」
「他に何か気がついたところはありませんでしたか?」続けて一郎が聞いた。
「特にこれといった事は……そういえば姿勢が良い人でしたね」
「?」
「確か、猫背の男だったよな? 監視カメラの映像の時は演技か?」
「……そうなりますね」
銀次郎たちは話を聞いてから、確認のため再び地下駐車場に行く。
従業員エレベーターから左右に駐車場がある。広報の石田は左側に止めた営業車に荷物を入れた。犯人の清掃員は右側に行ったはずだ。そこには何がある?
何か特別なものがあるかと思い行ってみたが、そこにはただ軽自動車用の駐車スペースがあっただけだった……。
複数の職員が名乗り出たが、どれも記憶が曖昧であった。ただ一人行き先を鮮明に覚えている人物がいた。広報の石田である。
「確かに覚えています! 私は台車で沢山の荷物を地下駐車場まで運ぶところでした。その清掃員は、私の荷物が崩れたのを直すのを手伝ってくれて一緒の階で降りました。地下駐車場です!」
石田は記憶をたどり丁寧に一つ一つ思い出しながら話す。
「それからどっちに行ったんだ? 何か話したか?」
「台車を押している私を追い越しはしなかったので、違う方向に行ったと思います。話はしませんでした。一方的に私がお礼を言っただけです」
「他に何か気がついたところはありませんでしたか?」続けて一郎が聞いた。
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「?」
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「……そうなりますね」
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