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第三章 奈落のマリオネット
27 撤収?
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黒岩銀次郎は捜査一課の後藤課長に、ここまでの報告をした。
「ご苦労さん黒岩くん。後は、捜査一課の方でやっておく。また、何かあったら電脳の方に頼むとしよう」
悔しいがここまでか、銀次郎は仁と佐久間たちと合流し撤収する。高校生三人は佐久間に、ミニパトは仁に任せて一人警察病院に向かった。
涼の容態は小雪から聞いているが、やはり顔を見ないと安心できない。消灯の時間を多少過ぎていたが、無理をして病室に入れてもらった。
「とりあえず大丈夫そうだな、安心したぞ。スマホありがとう返しておくぞ」
スマホ渡して、銀次郎は近くにあった丸椅子を引きずり出し座った。
「銀さんすいませんでした! 一番大事な時にドジ踏んじゃって」
「馬鹿言うなよ! 小雪を庇ったんだろう。よくやった、お前はしっかり仕事したんだぞ! 自信を持て」
涼は下を向いてしばらく返事がなかった。
その様子を見て銀次郎は少し考えてから携帯で電話をかける。
「もしもし、後藤課長。黒岩ですが明日もう一度、現場と録画映像を確認させてください。お願いします!」
「やはり、そうくると思ったよ」
後藤課長は当然のように言った。
「どうしてですか?」
銀次郎は分からず聞き返した。
「ついさっき、同じこと言ってきたんだよ! お前の可愛らしい弟子がな」
その少し前、涼の病室を出た小雪は、自分に何が出来るのか、涼にとって何が一番ベストなのか。そして、自分はどうしたいのか色々と考え一つの結論を出して、捜査一課後藤課長に電話をしていた。
「夜分すいません。後藤課長、交通総務課の中山です。明日もう一度、録画映像を見させてください! このまま終わらせたくないんです。どうかよろしくお願いします」
「やはりお前は、黒岩の弟子だな。分かった! 録画映像は全て見れるように指示しておく。思う存分やってみろ!」
銀次郎の弟子扱いはちょっと訂正して欲しかったけど、明日もう一度チャンスをもらった。
何が何でも見つけてやる!
わたしをかばって怪我をしてしまった涼のためにも絶対!
小雪はそう心に誓ったのだった。
「ご苦労さん黒岩くん。後は、捜査一課の方でやっておく。また、何かあったら電脳の方に頼むとしよう」
悔しいがここまでか、銀次郎は仁と佐久間たちと合流し撤収する。高校生三人は佐久間に、ミニパトは仁に任せて一人警察病院に向かった。
涼の容態は小雪から聞いているが、やはり顔を見ないと安心できない。消灯の時間を多少過ぎていたが、無理をして病室に入れてもらった。
「とりあえず大丈夫そうだな、安心したぞ。スマホありがとう返しておくぞ」
スマホ渡して、銀次郎は近くにあった丸椅子を引きずり出し座った。
「銀さんすいませんでした! 一番大事な時にドジ踏んじゃって」
「馬鹿言うなよ! 小雪を庇ったんだろう。よくやった、お前はしっかり仕事したんだぞ! 自信を持て」
涼は下を向いてしばらく返事がなかった。
その様子を見て銀次郎は少し考えてから携帯で電話をかける。
「もしもし、後藤課長。黒岩ですが明日もう一度、現場と録画映像を確認させてください。お願いします!」
「やはり、そうくると思ったよ」
後藤課長は当然のように言った。
「どうしてですか?」
銀次郎は分からず聞き返した。
「ついさっき、同じこと言ってきたんだよ! お前の可愛らしい弟子がな」
その少し前、涼の病室を出た小雪は、自分に何が出来るのか、涼にとって何が一番ベストなのか。そして、自分はどうしたいのか色々と考え一つの結論を出して、捜査一課後藤課長に電話をしていた。
「夜分すいません。後藤課長、交通総務課の中山です。明日もう一度、録画映像を見させてください! このまま終わらせたくないんです。どうかよろしくお願いします」
「やはりお前は、黒岩の弟子だな。分かった! 録画映像は全て見れるように指示しておく。思う存分やってみろ!」
銀次郎の弟子扱いはちょっと訂正して欲しかったけど、明日もう一度チャンスをもらった。
何が何でも見つけてやる!
わたしをかばって怪我をしてしまった涼のためにも絶対!
小雪はそう心に誓ったのだった。
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