53 / 94
第三章 奈落のマリオネット
20 それぞれの捜査
しおりを挟む
ドローンがビルの谷間を抜けて、颯爽と飛び上がっていく。
「ヒャッハー! 急上昇!」
「いっちゃん! キャラ変わってない?」
「メグの影響じゃない?」
志乃に冷静に突っ込まれてしまった。
「とにかくすごいんだよ、この操作性の良さ感動もんなんだからね」
恥ずかしくなって言い訳をする一郎であった。
一郎が見晴らしの良い場所でドローンを操縦し。ビルの上から恵が指示を出す。車の中では佐久間が志乃と一緒にモニターを見ていた。
「まずは、窓の高いところからお願い。それから少しずつ下がってきて何かあったら、こちらから指示を出すから。よろしくね!」
「了解です!」
ドローンによる捜査が始まった。
同じ頃、小雪は地下の監視室で再度、監視カメラの映像を見直していた。ペトスが落下した瞬間の会場の映像。それぞれの人たちの表情、目線など、拡大したりコマ送りしたりして丁寧に確認していく。几帳面な小雪ならではの捜査である。
「どうだ! 何か見つけられたか?」
捜査一課の後藤課長が様子を見に来た。
「前回の事件では、監視カメラの映像から犯人を割り出したと言うじゃないか。君みたいな地道な捜査が本当は一番大切なんだ」
「そんな私なんか、こんなことくらいしか出来なくて……本当に役に立ってるんだか、何だか……」
「悲観するな! もっと自信を持ってやれ!」
後藤課長に慰められてしまった。
「容疑者、特に金城の表情なんですが、あえて見ていないような、目線を外しているような、そんな感じがします」
「逆に、アナウンサーの川辺はちらちらと窓を気にしてるようです。目線が不自然な動きですね」
「もう一つ、トイレ前の監視カメラ映像があるんですけど、こちらも見てみますか?」
「チラッとですが、犯人と思われる清掃員の後ろ姿が写っています」
「見せてくれ」
後藤課長は小雪の横に座った。
捜査一課・後藤課長は監視カメラに映った清掃員の後ろ姿を何度か繰り返し見て、深く考え込んでいた。そして、何かを小雪に言おうとした時、課長のスマホが鳴った。
それは銀次郎からの犯人が特定できたと言う連絡であった。
「ヒャッハー! 急上昇!」
「いっちゃん! キャラ変わってない?」
「メグの影響じゃない?」
志乃に冷静に突っ込まれてしまった。
「とにかくすごいんだよ、この操作性の良さ感動もんなんだからね」
恥ずかしくなって言い訳をする一郎であった。
一郎が見晴らしの良い場所でドローンを操縦し。ビルの上から恵が指示を出す。車の中では佐久間が志乃と一緒にモニターを見ていた。
「まずは、窓の高いところからお願い。それから少しずつ下がってきて何かあったら、こちらから指示を出すから。よろしくね!」
「了解です!」
ドローンによる捜査が始まった。
同じ頃、小雪は地下の監視室で再度、監視カメラの映像を見直していた。ペトスが落下した瞬間の会場の映像。それぞれの人たちの表情、目線など、拡大したりコマ送りしたりして丁寧に確認していく。几帳面な小雪ならではの捜査である。
「どうだ! 何か見つけられたか?」
捜査一課の後藤課長が様子を見に来た。
「前回の事件では、監視カメラの映像から犯人を割り出したと言うじゃないか。君みたいな地道な捜査が本当は一番大切なんだ」
「そんな私なんか、こんなことくらいしか出来なくて……本当に役に立ってるんだか、何だか……」
「悲観するな! もっと自信を持ってやれ!」
後藤課長に慰められてしまった。
「容疑者、特に金城の表情なんですが、あえて見ていないような、目線を外しているような、そんな感じがします」
「逆に、アナウンサーの川辺はちらちらと窓を気にしてるようです。目線が不自然な動きですね」
「もう一つ、トイレ前の監視カメラ映像があるんですけど、こちらも見てみますか?」
「チラッとですが、犯人と思われる清掃員の後ろ姿が写っています」
「見せてくれ」
後藤課長は小雪の横に座った。
捜査一課・後藤課長は監視カメラに映った清掃員の後ろ姿を何度か繰り返し見て、深く考え込んでいた。そして、何かを小雪に言おうとした時、課長のスマホが鳴った。
それは銀次郎からの犯人が特定できたと言う連絡であった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
有栖と奉日本『デスペラードをよろしく』
ぴえ
ミステリー
有栖と奉日本シリーズ第十話。
『デスペラード』を手に入れたユースティティアは天使との対決に備えて策を考え、準備を整えていく。
一方で、天使もユースティティアを迎え撃ち、目的を果たそうとしていた。
平等に進む時間
確実に進む時間
そして、決戦のときが訪れる。
表紙・キャラクター制作:studio‐lid様(X:@studio_lid)
ドスグロ山の雷人伝説殺人事件
二廻歩
ミステリー
A県とA県にまたがるドスグロ山。その山頂付近に建てられたドスグロ山ホテルに従業員と招待客十二名が訪れる。夜遅く雷鳴の中、招かざる客の登場で一気に雲行きが怪しくなる。翌朝、悲鳴と共に最初の犠牲者が。現場は密室の上に鍵は部屋の中。まるで伝説の『ドスグロ山の雷人』の仕業かのような不可能殺人。閉じ込められた招待客は一晩ごとに殺されていく恐怖に怯えることに。手掛かりは被害者たちの過去とダイイングメッセージと奇妙な絵。これは果たしてミステリーなのか? それともホラー?
明後日探偵・ニチルは果たしてこの難事件から逃れ依頼人の元へたどり着けるだろうか? タイムリミット迫る。
探偵はいつかシリーズ堂々開幕!
この満ち足りた匣庭の中で 三章―Ghost of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
幾度繰り返そうとも、匣庭は――。
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
その裏では、医療センターによる謎めいた計画『WAWプログラム』が粛々と進行し、そして避け得ぬ惨劇が街を襲った。
舞台は繰り返す。
三度、二週間の物語は幕を開け、定められた終焉へと砂時計の砂は落ちていく。
変わらない世界の中で、真実を知悉する者は誰か。この世界の意図とは何か。
科学研究所、GHOST、ゴーレム計画。
人工地震、マイクロチップ、レッドアウト。
信号領域、残留思念、ブレイン・マシン・インターフェース……。
鬼の祟りに隠れ、暗躍する機関の影。
手遅れの中にある私たちの日々がほら――また、始まった。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる