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第三章 奈落のマリオネット

16 事情聴取2

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 ここからは通訳を立ち会わせて行われた。

 秘書のリン・チェン
「プロデューサーの羽村から、スケジュールなどについては聞いていたわ。彼は人を驚かしたりすることが大好きだったから、前にも色々やっているの。今回もその悪い癖がまだ出ちゃったんだと思っていたんだけど……まさか、こんなことになるなんて思いもしなかったわ」
 参ったと言う感じでうなだれていた。

 ボディーガードのイワノフ
「アイツはいつもなんだ。でもまさかこの治安のいい日本でこんなことになるとは……俺はボディガードなんだぜ! これじゃクビ確定だよ。
 それと奴のヘッドギアを返してくれ! まだ流通してないもんでやばいんだよ! 俺が怒られちまう」
 自分の言いたいことだけを遠慮なくしゃべっていた。

 外人二人からは、あまり大した情報を得られず。その後に、美術の高松の事情聴取をするはずだったのだが……おかしな事態になった。
「課長、行ってきました!」
「陣内、それでどうだった?」
「それが……」
 新人の陣内が口ごもっているので、後藤課長にドヤされる。
「はっきり言え! はっきりとな!」
「はい!」
「美術の高松なんですが、一ヶ月前にすでに退職していました!」
「?」
「じゃあ誰が計画したんだ?」
 後藤課長の疑問に答えられる者は誰もいなかった。

 再度、ディレクターの中神を呼んで詳しく聞いたが、中神は美術の高松が作ったと思っていた、計画をそのままペトスに伝えて、アシスタントの昭島に実行させた。まさか、別の殺人計画が用意されているなんて思いもしなかったと言うことらしい。

「犯人は、美術の高松にメールでなりすませるやつって事だな」
 黒岩はニヤリと笑って言った。
「ここからは、電脳の出番だな!」
 早速、電脳の白河課長に連絡を取り、メールと監視カメラの映像を解析してもらうように頼む。その後、捜査一課の連中と話し合っていた時、涼が入ってきた。
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