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第三章 奈落のマリオネット
01 ガサ入れ
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この日、黒岩銀次郎は相棒の赤羽涼とともに車の中で待機していた。
「トン、トン」
窓を叩く音がして、よく知った顔の連中が姿を見せる。
「よう! 銀次郎。元気そうだな」
「黒岩さん! お久しぶりです」
銀次郎の元いた、組対四課の連中であった。
今回は、組対のガサ入れの応援で呼ばれ、あと一組、麻取も加わっている。ほとんどが顔見知りばかりだ。
銀次郎は車の窓を下ろし、課長の阿部に確認をする。
「最優先は、麻薬の取引データの入ったパソコンの押収でいいんですよね?」
「そうだ! そいつが最優先だ。出来るか?」
「十分後に、このビルのセキュリティを全て落とします。裏口のロックも解除しますので、そこから突入してください」
涼が膝の上のノートPCを操作しながら言った。
「さすが電脳、頼りにしてるぞ」
滅多に見せない、阿部課長の笑顔はいつも通り迫力があった。
結果から言うと、今回のガサ入れでは、目的の麻薬取引のデータは出てこなかった。
「クラウド上にあげているかも知れないので、押収したパソコンを持ち帰って調べてみます。
ただ、クラウド業者の方が開示請求を拒む可能性もありますので、どこまで調べられるか分かりませんが……」と言いにくそうに涼は説明する。
「くそ! 今回のヤマは見えにくいんだよなぁ。現物が出てくれば速攻なんだかな!」
阿部課長は悔しそうだった。
「トン、トン」
窓を叩く音がして、よく知った顔の連中が姿を見せる。
「よう! 銀次郎。元気そうだな」
「黒岩さん! お久しぶりです」
銀次郎の元いた、組対四課の連中であった。
今回は、組対のガサ入れの応援で呼ばれ、あと一組、麻取も加わっている。ほとんどが顔見知りばかりだ。
銀次郎は車の窓を下ろし、課長の阿部に確認をする。
「最優先は、麻薬の取引データの入ったパソコンの押収でいいんですよね?」
「そうだ! そいつが最優先だ。出来るか?」
「十分後に、このビルのセキュリティを全て落とします。裏口のロックも解除しますので、そこから突入してください」
涼が膝の上のノートPCを操作しながら言った。
「さすが電脳、頼りにしてるぞ」
滅多に見せない、阿部課長の笑顔はいつも通り迫力があった。
結果から言うと、今回のガサ入れでは、目的の麻薬取引のデータは出てこなかった。
「クラウド上にあげているかも知れないので、押収したパソコンを持ち帰って調べてみます。
ただ、クラウド業者の方が開示請求を拒む可能性もありますので、どこまで調べられるか分かりませんが……」と言いにくそうに涼は説明する。
「くそ! 今回のヤマは見えにくいんだよなぁ。現物が出てくれば速攻なんだかな!」
阿部課長は悔しそうだった。
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