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第二章 アリスの楽園
20 ヘルプマン
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◇ Real world ◇
がっくりと膝から崩れ落ちたマイケルを銀次郎と涼は連れ出す。
「まさか、Yシャツの襟が違ってたなんて……うまくいくと思ったんだけどね、でもマリーにも会えた。これで良かったのかもしれない……」
マイケルはぶつぶつと独り言を言っていた。
この後、事情聴取を行い色々と分かった。
マイケルはアメリカで前回の事件グリーンクライシスによって、妹のマリーを殺されていた。その復讐のために緑川の娘を狙ったらしい。
緑川と紺野を狙ったのは、盗んだ管理者のパスワードを変更されないようにするためだとわかった。
それともう一つ、気になることを奴は言った。
「ヘルプマンに声をかけられたんだ。手助けをするから復讐をやらないかってね」
「涼!」
それを聞いて銀次郎は涼を振り返る。
「ええ分かっています! この件はunknownでも、調べてみます」
涼もうなずいた。
「しかしなあ! リアルでも闇は深いと思ったが、ネットの世界でも更に深い闇がありそうだな」
「そうですね、自分たちが出来ることは、その上澄みをほんの少しきれいにすることぐらいしかないのかもしれないですけど……」
「いいんじゃないか? それでも十分、喧嘩売ってやろうぜ!」
「はい!」
銀次郎たちは前に進む、進む道がある限り。
† † †
車の中から男は連絡を取っていた。
「すまない。もう少しだったんだが邪魔が入った」
「仕方がないです、私の計画もずさんだったのかもしれません」
「次は俺があんたの計画をヘルプする番だな」
「よろしくお願いします。ターゲットは三か月後に日本に来るそうです」
「ほほー、大物だな……」
男は摩天楼のようにそびえ立つビル群を見上げつぶやいた。
「……キラ・キラ・ひかる・お空の星よ……」
つぶやきは街の騒音にかき消されてしまう。
がっくりと膝から崩れ落ちたマイケルを銀次郎と涼は連れ出す。
「まさか、Yシャツの襟が違ってたなんて……うまくいくと思ったんだけどね、でもマリーにも会えた。これで良かったのかもしれない……」
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この後、事情聴取を行い色々と分かった。
マイケルはアメリカで前回の事件グリーンクライシスによって、妹のマリーを殺されていた。その復讐のために緑川の娘を狙ったらしい。
緑川と紺野を狙ったのは、盗んだ管理者のパスワードを変更されないようにするためだとわかった。
それともう一つ、気になることを奴は言った。
「ヘルプマンに声をかけられたんだ。手助けをするから復讐をやらないかってね」
「涼!」
それを聞いて銀次郎は涼を振り返る。
「ええ分かっています! この件はunknownでも、調べてみます」
涼もうなずいた。
「しかしなあ! リアルでも闇は深いと思ったが、ネットの世界でも更に深い闇がありそうだな」
「そうですね、自分たちが出来ることは、その上澄みをほんの少しきれいにすることぐらいしかないのかもしれないですけど……」
「いいんじゃないか? それでも十分、喧嘩売ってやろうぜ!」
「はい!」
銀次郎たちは前に進む、進む道がある限り。
† † †
車の中から男は連絡を取っていた。
「すまない。もう少しだったんだが邪魔が入った」
「仕方がないです、私の計画もずさんだったのかもしれません」
「次は俺があんたの計画をヘルプする番だな」
「よろしくお願いします。ターゲットは三か月後に日本に来るそうです」
「ほほー、大物だな……」
男は摩天楼のようにそびえ立つビル群を見上げつぶやいた。
「……キラ・キラ・ひかる・お空の星よ……」
つぶやきは街の騒音にかき消されてしまう。
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