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第二章 アリスの楽園
13 小雪の戦い
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◇ Real world ◇
銀次郎は協力者と深夜、密かに会っていた。
「どうだ、成果はあったか?」
協力者は頷いて、ノートパソコンの画面を見せる。
「どうやらビンゴみたいだな」
銀次郎は協力者に、用意しておいた紙袋を渡した。
「これでお前も、安心だろう。犯人逮捕の瞬間まで頼むぞ」
銀次郎の言葉に協力者は頷いた。
まだ、解決とはいかないが、犯人の目星はついた。
しかし、決定的なピースがまだ足りない。
† † †
中山小雪は、几帳面な性格である。これまでに起こった事件を丁寧に整理していた。
第一の事件:緑川にリアルで植木鉢落とす
第二の事件:紺野にバーチャルで切りつける
第三の事件:紺野にリアルで切りつけ未遂
第四の事件:ヒナたちにリアルで鉄パイプ
第五の事件:これから?
明らかに凶悪化している。また、ヒナちゃん母娘が狙われるとすると危険だ。
もし、バーチャルでも、小さい子供が何度も何度も切りつけられたら……小雪は想像して鳥肌が立った。
私にも出来ることがあるはずだ!
緑川母娘の家に泊まり込みながら、小雪は深夜まで資料と録画映像を繰り返し見ていた。
その時、ふと、止めた録画映像を見て、違和感を覚える。
「あれ? ここおかしくない?」
ほんの小さな違和感を抱いた小雪は、さらに詳しく、録画映像を見直すのであった。
早朝に、小雪は同期の友人である瞳と佳子に連絡を入れる。
「お願い助けて!」
「何? こんな朝早くに、どうしたの?」
「それがね……」
本日、休日である二人に、録画映像のチェックを手伝ってもらおうと思ったのである。
「で、報酬は? 私たちの大事な休日を使うんだからね」
「合コン! 赤羽さんとセッティングして。それで、OKにしてあげる」
友人の手助けは、とても高くつくと分かった、小雪であった。
すぐに、涼に連絡してから、さらに細かく検証していく、何か! 何か! 決め手になるものがあるはず……。
小雪は、この日一日中、警護は恵に任せて 録画映像と戦っていた。
銀次郎は協力者と深夜、密かに会っていた。
「どうだ、成果はあったか?」
協力者は頷いて、ノートパソコンの画面を見せる。
「どうやらビンゴみたいだな」
銀次郎は協力者に、用意しておいた紙袋を渡した。
「これでお前も、安心だろう。犯人逮捕の瞬間まで頼むぞ」
銀次郎の言葉に協力者は頷いた。
まだ、解決とはいかないが、犯人の目星はついた。
しかし、決定的なピースがまだ足りない。
† † †
中山小雪は、几帳面な性格である。これまでに起こった事件を丁寧に整理していた。
第一の事件:緑川にリアルで植木鉢落とす
第二の事件:紺野にバーチャルで切りつける
第三の事件:紺野にリアルで切りつけ未遂
第四の事件:ヒナたちにリアルで鉄パイプ
第五の事件:これから?
明らかに凶悪化している。また、ヒナちゃん母娘が狙われるとすると危険だ。
もし、バーチャルでも、小さい子供が何度も何度も切りつけられたら……小雪は想像して鳥肌が立った。
私にも出来ることがあるはずだ!
緑川母娘の家に泊まり込みながら、小雪は深夜まで資料と録画映像を繰り返し見ていた。
その時、ふと、止めた録画映像を見て、違和感を覚える。
「あれ? ここおかしくない?」
ほんの小さな違和感を抱いた小雪は、さらに詳しく、録画映像を見直すのであった。
早朝に、小雪は同期の友人である瞳と佳子に連絡を入れる。
「お願い助けて!」
「何? こんな朝早くに、どうしたの?」
「それがね……」
本日、休日である二人に、録画映像のチェックを手伝ってもらおうと思ったのである。
「で、報酬は? 私たちの大事な休日を使うんだからね」
「合コン! 赤羽さんとセッティングして。それで、OKにしてあげる」
友人の手助けは、とても高くつくと分かった、小雪であった。
すぐに、涼に連絡してから、さらに細かく検証していく、何か! 何か! 決め手になるものがあるはず……。
小雪は、この日一日中、警護は恵に任せて 録画映像と戦っていた。
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