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第二章 アリスの楽園
12 4番目の死神
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◇ Real world ◇
バーチャルの現場検証を終えて、リアルに戻った銀次郎たちは、恵の報告を聞いた。
「よく見えてるようですね。完全な内部犯ですね」
涼は、監視カメラのことをしきりに気にしていた。
「これでかなり、犯人は絞れるだろう。動けば動くほど、首が締まるってところか」
「ハイ。ただ、バーチャルの方が難しいです。病院や研究棟の中なら、メディギアさえあれば、どこからでもログインできるんですからね」
「ログインしてるところを取り押さえないといけないのか? これはめんどくせえなあ」
「そうですね、リアルの方とバーチャルとで同時捜査って、ところでしょうか?」
「まあ、俺がリアルで、お前がバーチャル、これでバッチリだろ」
「まあそうなりますね……」
不安げに涼は返事をする。
「涼、ちょっとこれから俺は席を外す。協力者の報告を聞いて来るから、上手くいけば容疑者をぐっと絞れるぞ! 後、よろしく頼む」
不敵な笑いを残し、黒岩はその場を後にした。
何をどう仕込んだのか? 海千山千の銀次郎だ! 涼は頼もしく思った。
自分も出来る事をやらなければ! 涼も動き出すのであった。
† † †
次の日の夕方、緑川すみれとヒナは、緑川の見舞いを終えて、夕飯の買い物にスーパーに寄っていた。
当然、警護の二人が一緒にいるので、にぎやかな買い物になっていた。
「お姉ちゃん達は何が好き? 一緒に食べよう!」
「えーとね! 私はね……」
「ちょっとまずいでしょう! 特に、わたしは仕事なんですよ! 仕事、報告書になんて書くんですか」
「メニューまで書かないといけないの? 大変だね」
「恵ちゃん! そこではないんですよ! そこでは」
二人のコントのような会話に、緑川母娘も楽しそうだった。
たくさんの買い物をして、四人で賑やかに夕方の帰り道を歩いて、細い路地に入った時。
急に後ろからバイクが爆音とともに迫って来た!
バイクに乗っているのは、白い仮面の死神。鉄パイプを振りかぶって迫って来る。
「二人をお願い!」
先頭を歩いていた、恵はそう言って、荷物を投げ捨て横の壁を走った。
そのままの勢いで飛び上がり、死神の振りかざす鉄パイプを蹴り落とす!
鉄パイプは、くの字に曲がって、小雪の顔の近くに突き刺さった!
「ひえ!」
仰け反る小雪の横をバイクは通り過ぎ、アクセルターンで戻ってくる。
今度はサバイバルナイフに持ち替え、再び、先頭に立った恵と対峙した。
恵は、空手の正拳突きのポーズから、左手で手招きをして、死神にこう言った。
「逃げ足だけの兄ちゃん。わたしとやるのマジで? いいよ相手してあげるよ~♪」
しばらく沈黙の後、バイクは再びアクセルターンをし、爆音だけを残して消えていった。
「親父。今、来たよ。四人とも怪我なし、安心して」
恵は即座に父の銀次郎の報告をしている。
小雪は、なぜ、仁さんが恵を連れて来たか、今、ようやく理解した。
バーチャルの現場検証を終えて、リアルに戻った銀次郎たちは、恵の報告を聞いた。
「よく見えてるようですね。完全な内部犯ですね」
涼は、監視カメラのことをしきりに気にしていた。
「これでかなり、犯人は絞れるだろう。動けば動くほど、首が締まるってところか」
「ハイ。ただ、バーチャルの方が難しいです。病院や研究棟の中なら、メディギアさえあれば、どこからでもログインできるんですからね」
「ログインしてるところを取り押さえないといけないのか? これはめんどくせえなあ」
「そうですね、リアルの方とバーチャルとで同時捜査って、ところでしょうか?」
「まあ、俺がリアルで、お前がバーチャル、これでバッチリだろ」
「まあそうなりますね……」
不安げに涼は返事をする。
「涼、ちょっとこれから俺は席を外す。協力者の報告を聞いて来るから、上手くいけば容疑者をぐっと絞れるぞ! 後、よろしく頼む」
不敵な笑いを残し、黒岩はその場を後にした。
何をどう仕込んだのか? 海千山千の銀次郎だ! 涼は頼もしく思った。
自分も出来る事をやらなければ! 涼も動き出すのであった。
† † †
次の日の夕方、緑川すみれとヒナは、緑川の見舞いを終えて、夕飯の買い物にスーパーに寄っていた。
当然、警護の二人が一緒にいるので、にぎやかな買い物になっていた。
「お姉ちゃん達は何が好き? 一緒に食べよう!」
「えーとね! 私はね……」
「ちょっとまずいでしょう! 特に、わたしは仕事なんですよ! 仕事、報告書になんて書くんですか」
「メニューまで書かないといけないの? 大変だね」
「恵ちゃん! そこではないんですよ! そこでは」
二人のコントのような会話に、緑川母娘も楽しそうだった。
たくさんの買い物をして、四人で賑やかに夕方の帰り道を歩いて、細い路地に入った時。
急に後ろからバイクが爆音とともに迫って来た!
バイクに乗っているのは、白い仮面の死神。鉄パイプを振りかぶって迫って来る。
「二人をお願い!」
先頭を歩いていた、恵はそう言って、荷物を投げ捨て横の壁を走った。
そのままの勢いで飛び上がり、死神の振りかざす鉄パイプを蹴り落とす!
鉄パイプは、くの字に曲がって、小雪の顔の近くに突き刺さった!
「ひえ!」
仰け反る小雪の横をバイクは通り過ぎ、アクセルターンで戻ってくる。
今度はサバイバルナイフに持ち替え、再び、先頭に立った恵と対峙した。
恵は、空手の正拳突きのポーズから、左手で手招きをして、死神にこう言った。
「逃げ足だけの兄ちゃん。わたしとやるのマジで? いいよ相手してあげるよ~♪」
しばらく沈黙の後、バイクは再びアクセルターンをし、爆音だけを残して消えていった。
「親父。今、来たよ。四人とも怪我なし、安心して」
恵は即座に父の銀次郎の報告をしている。
小雪は、なぜ、仁さんが恵を連れて来たか、今、ようやく理解した。
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