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第二章 アリスの楽園
11 3番目の死神
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◇ Real world ◇
夏美はしばらく、恵の言っている意味が理解できなかった。
ようやく答えにたどり着いて、口に出した言葉が、また、この娘の逆鱗に触れてしまった。
「銀次郎さんの娘さん?」
「いいえ! 黒岩の娘です」
「黒岩!」
すごい勢いで否定されてしまった。
こんな大きな子供がいたんだ、お日様みたいに、元気な子、彼はちゃんとお父さんをしているんだ……。
気持ちが弱ってしまった、夏美には彼女が眩しすぎた。
少し迷ってから、こう彼女に話しかけた。
「少しだけ、もう少しだけ、お父さんに頼らせて。黒岩さんに頼らせて欲しいのお願い」
恵は、少し睨んでいたが。自分から丸椅子を出して、無言で座り込む。
「小雪さん、仁さんが呼んでいますんで、向こうお願いします」
小雪は夏美にごめんと言うポーズをして出て行った。この時の小雪の行動は、非常に迅速であった。まあ仕方のないことである……。
頑張れ、小雪!
しばらく沈黙が続いて、恵はスマホを弄り出していた。夏美は何か喋らないと、と思い。声をかけようとした時、恵に手で止められる。
「ふぅ~、いい加減入ってこいよ! さっきから、ドアの前に突っ立ってんだろう? 殺気がダダ漏れなんだよ! ほら、相手してやるよ!」と、恵は言うや否や駆け出した。
そこには誰もいなかったが、タロットカードが一枚落ちていた。
「チッ! 逃げ足だけは速いな!」
悪態をつきながら戻ってきた恵は、
「私も黒岩だよ! 大丈夫、守ってあげるよ! お・ば・さ・ん」
最後の一言がなければ、優しい子だと思ったのに……。
これから、この娘と上手くやっていけるのか、非常に不安な夏美だった。
夏美はしばらく、恵の言っている意味が理解できなかった。
ようやく答えにたどり着いて、口に出した言葉が、また、この娘の逆鱗に触れてしまった。
「銀次郎さんの娘さん?」
「いいえ! 黒岩の娘です」
「黒岩!」
すごい勢いで否定されてしまった。
こんな大きな子供がいたんだ、お日様みたいに、元気な子、彼はちゃんとお父さんをしているんだ……。
気持ちが弱ってしまった、夏美には彼女が眩しすぎた。
少し迷ってから、こう彼女に話しかけた。
「少しだけ、もう少しだけ、お父さんに頼らせて。黒岩さんに頼らせて欲しいのお願い」
恵は、少し睨んでいたが。自分から丸椅子を出して、無言で座り込む。
「小雪さん、仁さんが呼んでいますんで、向こうお願いします」
小雪は夏美にごめんと言うポーズをして出て行った。この時の小雪の行動は、非常に迅速であった。まあ仕方のないことである……。
頑張れ、小雪!
しばらく沈黙が続いて、恵はスマホを弄り出していた。夏美は何か喋らないと、と思い。声をかけようとした時、恵に手で止められる。
「ふぅ~、いい加減入ってこいよ! さっきから、ドアの前に突っ立ってんだろう? 殺気がダダ漏れなんだよ! ほら、相手してやるよ!」と、恵は言うや否や駆け出した。
そこには誰もいなかったが、タロットカードが一枚落ちていた。
「チッ! 逃げ足だけは速いな!」
悪態をつきながら戻ってきた恵は、
「私も黒岩だよ! 大丈夫、守ってあげるよ! お・ば・さ・ん」
最後の一言がなければ、優しい子だと思ったのに……。
これから、この娘と上手くやっていけるのか、非常に不安な夏美だった。
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