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第二章 アリスの楽園
08 確認
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◇ Real world ◇
仁も到着して、三人でここまでの捜査状況を確認した。
「まずは自分から、三階には監視カメラが二箇所、一つはエレベーターホール、もう一つは非常階段に設置されていて、非常階段の方は、非常階段の前の通路を、エレベーターホールの方は、正面にマイケルの部屋、右と左に、日野と豊田の部屋を映していました」
涼が簡潔に監視カメラの位置などを報告する。
「犯行時刻前後はどうだった?」
「駄目ですね、豊田は帰宅して、部屋は真っ暗。日野とマイケルに動きはありませんでした」
銀次郎は期待して聞くが空振りだった。
「豊田が戻ってきて犯行に及んだってのは? 女だから直接やらずに上から、植木鉢を落としたとかな?」
ベテランの仁も話に加わる。
「でも、それなら四階に直接行ってやった方がいいですよね」
監視カメラからはここまでのようだ。
「俺からは朗報だ、協力者を一人ゲットした。上手くいけば、次の犯行からは犯人をあぶり出せるかもしれない」
自慢げに銀次郎が二人に話す。
「信用出来るんですか?」
「大丈夫だ! ダメならダメで、逆に犯人を絞り込める」
不安げな涼に対し、どう転んでもいいような銀次郎の細工のようだ。
「後は、涼。俺の指定するものを至急用意して欲しい」
「了解です!」
「それともう一つ、別に急がないがロッカーを調べたい。中山って婦警をその時貸してくれ。女子ロッカーも探すからな、死神の衣装は無いとは思うんだが、一応な……」
これで出てきても、引っ掛けかもしれないので決定打にはならない。難しいところだった。
仁にも俯瞰的な意見をもらい、その後、涼は他の階の映像や画像編集の有無などを、詳しく見て、銀次郎は仁さんを連れて犯行現場を再度見に行った。
だが新たな証拠は見つからなかった。
翌日、中山小雪は涼の相棒である黒岩銀次郎に呼び出されて、女子更衣室のロッカーを責任者である緑川の了解を得てチェックした。 強面で何かと噂の多い銀次郎なので、緊張していたが。意外と優しく頼れる人だった。
小雪がロッカーを開けて中を調べ、銀次郎は立ち会っている。という感じだ。
男子更衣室は、銀次郎が中を調べ、小雪が立ち会った。
ただ、どちらも靴に泥がついてないか銀次郎は念入りに見ていた。
「死神の衣装もなし、靴に泥もついていない。これじゃ全く空振りだな……」
「戻るか」
残念ながら収穫なしで、女子更衣室から出た時、銀次郎がロッカーの上から素早く何かを持って隠したのを、小雪は見逃してしまった。
その後、同様に倉庫を見てから二階の緑川と夏美先生のロッカーを確認に行こうと三階エレベーター前にいた時、事件は起こった。
仁も到着して、三人でここまでの捜査状況を確認した。
「まずは自分から、三階には監視カメラが二箇所、一つはエレベーターホール、もう一つは非常階段に設置されていて、非常階段の方は、非常階段の前の通路を、エレベーターホールの方は、正面にマイケルの部屋、右と左に、日野と豊田の部屋を映していました」
涼が簡潔に監視カメラの位置などを報告する。
「犯行時刻前後はどうだった?」
「駄目ですね、豊田は帰宅して、部屋は真っ暗。日野とマイケルに動きはありませんでした」
銀次郎は期待して聞くが空振りだった。
「豊田が戻ってきて犯行に及んだってのは? 女だから直接やらずに上から、植木鉢を落としたとかな?」
ベテランの仁も話に加わる。
「でも、それなら四階に直接行ってやった方がいいですよね」
監視カメラからはここまでのようだ。
「俺からは朗報だ、協力者を一人ゲットした。上手くいけば、次の犯行からは犯人をあぶり出せるかもしれない」
自慢げに銀次郎が二人に話す。
「信用出来るんですか?」
「大丈夫だ! ダメならダメで、逆に犯人を絞り込める」
不安げな涼に対し、どう転んでもいいような銀次郎の細工のようだ。
「後は、涼。俺の指定するものを至急用意して欲しい」
「了解です!」
「それともう一つ、別に急がないがロッカーを調べたい。中山って婦警をその時貸してくれ。女子ロッカーも探すからな、死神の衣装は無いとは思うんだが、一応な……」
これで出てきても、引っ掛けかもしれないので決定打にはならない。難しいところだった。
仁にも俯瞰的な意見をもらい、その後、涼は他の階の映像や画像編集の有無などを、詳しく見て、銀次郎は仁さんを連れて犯行現場を再度見に行った。
だが新たな証拠は見つからなかった。
翌日、中山小雪は涼の相棒である黒岩銀次郎に呼び出されて、女子更衣室のロッカーを責任者である緑川の了解を得てチェックした。 強面で何かと噂の多い銀次郎なので、緊張していたが。意外と優しく頼れる人だった。
小雪がロッカーを開けて中を調べ、銀次郎は立ち会っている。という感じだ。
男子更衣室は、銀次郎が中を調べ、小雪が立ち会った。
ただ、どちらも靴に泥がついてないか銀次郎は念入りに見ていた。
「死神の衣装もなし、靴に泥もついていない。これじゃ全く空振りだな……」
「戻るか」
残念ながら収穫なしで、女子更衣室から出た時、銀次郎がロッカーの上から素早く何かを持って隠したのを、小雪は見逃してしまった。
その後、同様に倉庫を見てから二階の緑川と夏美先生のロッカーを確認に行こうと三階エレベーター前にいた時、事件は起こった。
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