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Ⅲ
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二葉の朝はまず、愛犬コナンの散歩から始まる。親戚から子犬としてもらい受けてから、今まで欠かすことのない日課であった。
冬の早起きはつらいが、この季節の早朝は清々しい。砂浜にたどり着くと二葉はいつものようにコナンのリードを外す。
「ワン、ワン」
コナンは砂浜を勢いよく駆け出して行った。
「ウー、ワン、ワン」
駆けていった先でコナンが何かを見つけたようだ。二葉も波打ち際へ急いだ。
「コナン。どうしたの? 何かあった?」
そう言って波打ち際に近づいた二葉の目に、まず最初に入ったのは赤い色だった。
そして、灰色のものが引いてゆく波の中から姿をあらわす……。
そこにあったのは赤いスカーフを握りしめた、うちの高校の制服を着た少女の横たわる姿であり……。しかもその少女は二葉の良く知る人物であった……。
「ワン、ワン」
腰を抜かし呆然と座り込んだ二葉に代わって、コナンがけたたましく吠えた。それに気付いた大人たちが集まってくる。
そんな騒ぎとは関係なしに、空は台風一過の雲一つない晴天になろうとしていた。
冬の早起きはつらいが、この季節の早朝は清々しい。砂浜にたどり着くと二葉はいつものようにコナンのリードを外す。
「ワン、ワン」
コナンは砂浜を勢いよく駆け出して行った。
「ウー、ワン、ワン」
駆けていった先でコナンが何かを見つけたようだ。二葉も波打ち際へ急いだ。
「コナン。どうしたの? 何かあった?」
そう言って波打ち際に近づいた二葉の目に、まず最初に入ったのは赤い色だった。
そして、灰色のものが引いてゆく波の中から姿をあらわす……。
そこにあったのは赤いスカーフを握りしめた、うちの高校の制服を着た少女の横たわる姿であり……。しかもその少女は二葉の良く知る人物であった……。
「ワン、ワン」
腰を抜かし呆然と座り込んだ二葉に代わって、コナンがけたたましく吠えた。それに気付いた大人たちが集まってくる。
そんな騒ぎとは関係なしに、空は台風一過の雲一つない晴天になろうとしていた。
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