1 / 1
空色のマフラー
しおりを挟む
【わたしの計画】
大それた計画を今、内に秘め 本屋によって棚を見上げる
手に取ってページめくれば難解な 山の頂(いただき)遥か彼方か
「何の本?」覗き込んだる友達にすぐにばれたる 我が計画よ
親友は忘れた頃にやって来る 君は天使か? 神様かもね……。
何色がいいか迷って今週のラッキーカラーの空色 選らぶ
【努力は人の為ならず】
教わって我が計画はここからと丸い毛糸に誓い新たに
ひとつづつ思いを込めて少しづつ はやる気持ちに夜は優しい
またほどき やり直しては繰り返す 毛糸の玉は微動だにせず
わが友の助言はつねに暖かく 冷えた心の氷をとかす
マフラーはなんでここまで長いのか教えてプリーズ ヘルプ ヘルプ・ミィ
ラビリンス奈落の底に落ちかけて わが母の手は偉大なりけり
【秋の夜長に】
秋の夜 見上げた空の星々はこぼれるように瞬き光る
編み棒の音が微かに聞こえくる それだけの夜、それだけの秋
思い込めそれでも重くならぬよう夜の静けさそれも楽しい
もう少しはやる思いに急かされて いて座の君の誕生日すぐ
今の距離、この距離感はほど良くて縮めることに少し戸惑う
【友達でない君のこと】
わたしとはあなたにとってどんな人? 少しため息編む手を止める
友だちのハードル1つ越えたくて 毛糸の玉よ魔法をたのむ!
水晶に映るだろうか君のこと 毛糸の玉よ答えておくれ
あと少し編みあがる前 この指が覚えているよ 君への想い
ラッピング悩みに悩みシンプルに袋にリボン キラキラ見える
何気ない会話の後に約束を滑り込ませた 策士なる我
約束をしてしまってから緊張でスマホを持ったこの手震える
【決戦は日曜日】
いよいよの決戦の朝、天気晴朗なれども波高し?
待ち合わせ 少し早めに家を出て 小春日和の空を見上げる
この道はいつも歩いている道で 駅に行く道、君に逢う道
約束に少し遅れてたどり着く 不安な顔がちょっと見たくて
手を上げて君が微笑むその先のわたしはもっと微笑んでるね
弾ませた会話の後の休止符の 後に取り出す リボンの袋
驚いた君の声色とても好き、わたしを見つめる目の色も好き
恥ずかしく直視出来ずに目を逸らす 早口になる焦る焦るよ!
戸惑った君の目線を追いかけた 黄色信号点滅してる?
リアクション、怖くて先に店を出た 11月は日が短くて
【そして月曜は晴天なり】
晴天の月曜日朝、目覚ましは少しくもった音を鳴らした
傷口を広げるようで怖くなる 通学電車のつり革揺れる
改札で心配顔のわが友は何も聞かずにとなりを歩く
月曜日 おはようの声振り返る 君のマフラー空に似た色
2022年12月 今年のクリスマスケーキをどうしようか悩みながら 降羽 優
大それた計画を今、内に秘め 本屋によって棚を見上げる
手に取ってページめくれば難解な 山の頂(いただき)遥か彼方か
「何の本?」覗き込んだる友達にすぐにばれたる 我が計画よ
親友は忘れた頃にやって来る 君は天使か? 神様かもね……。
何色がいいか迷って今週のラッキーカラーの空色 選らぶ
【努力は人の為ならず】
教わって我が計画はここからと丸い毛糸に誓い新たに
ひとつづつ思いを込めて少しづつ はやる気持ちに夜は優しい
またほどき やり直しては繰り返す 毛糸の玉は微動だにせず
わが友の助言はつねに暖かく 冷えた心の氷をとかす
マフラーはなんでここまで長いのか教えてプリーズ ヘルプ ヘルプ・ミィ
ラビリンス奈落の底に落ちかけて わが母の手は偉大なりけり
【秋の夜長に】
秋の夜 見上げた空の星々はこぼれるように瞬き光る
編み棒の音が微かに聞こえくる それだけの夜、それだけの秋
思い込めそれでも重くならぬよう夜の静けさそれも楽しい
もう少しはやる思いに急かされて いて座の君の誕生日すぐ
今の距離、この距離感はほど良くて縮めることに少し戸惑う
【友達でない君のこと】
わたしとはあなたにとってどんな人? 少しため息編む手を止める
友だちのハードル1つ越えたくて 毛糸の玉よ魔法をたのむ!
水晶に映るだろうか君のこと 毛糸の玉よ答えておくれ
あと少し編みあがる前 この指が覚えているよ 君への想い
ラッピング悩みに悩みシンプルに袋にリボン キラキラ見える
何気ない会話の後に約束を滑り込ませた 策士なる我
約束をしてしまってから緊張でスマホを持ったこの手震える
【決戦は日曜日】
いよいよの決戦の朝、天気晴朗なれども波高し?
待ち合わせ 少し早めに家を出て 小春日和の空を見上げる
この道はいつも歩いている道で 駅に行く道、君に逢う道
約束に少し遅れてたどり着く 不安な顔がちょっと見たくて
手を上げて君が微笑むその先のわたしはもっと微笑んでるね
弾ませた会話の後の休止符の 後に取り出す リボンの袋
驚いた君の声色とても好き、わたしを見つめる目の色も好き
恥ずかしく直視出来ずに目を逸らす 早口になる焦る焦るよ!
戸惑った君の目線を追いかけた 黄色信号点滅してる?
リアクション、怖くて先に店を出た 11月は日が短くて
【そして月曜は晴天なり】
晴天の月曜日朝、目覚ましは少しくもった音を鳴らした
傷口を広げるようで怖くなる 通学電車のつり革揺れる
改札で心配顔のわが友は何も聞かずにとなりを歩く
月曜日 おはようの声振り返る 君のマフラー空に似た色
2022年12月 今年のクリスマスケーキをどうしようか悩みながら 降羽 優
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
王子と王女の不倫を密告してやったら、二人に処分が下った。
ほったげな
恋愛
王子と従姉の王女は凄く仲が良く、私はよく仲間外れにされていた。そんな二人が惹かれ合っていることを知ってしまい、王に密告すると……?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる