歌集「呪い歌」

降羽 優

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第11首: この村に密かに伝わる呪い歌 語った老婆 夕餉ゆうげには見ず

第12首: 真夜中にクギ打つ姿 境内けいだいで かなうようにと呪いを込めて

第13首: 赤い血が流れて消えた山荘で 楽し気にむ 次の標的

第14首: 突き当り開かずの扉ドアの音 何かがいでし湿しめる足音

第15首: ゆっくりと斧を引きずる足音が 私の部屋の前で止まった

第16首: もう一人いるはずだった参加者の 思い出せないその子の名前

第17首: アルバムの写真を見てて気が付いた 私の肩に乗った手ダレの?

第18首: バスルーム 違う誰かの黒髪がまとわりからむ 真夜中のシャワー

第19首: 振り向けど一人暮らしの鏡には 他の誰かが映るはずなし

第20首: どうしてだ? 確かにここに埋めたはず 女の死体見つからぬ森
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