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男の子との出会い 第1話
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桜の花びらがゆらりゆらりと風に乗って流れていく。
そんな中、僕は「入学式」と大きく書かれた看板の前で、お母さんとスマホのレンズの前に立っていた。中学生にもなって、しかも男なのにお母さんと写真を撮るのは何となく恥ずかしかったが、そういうものなのだろうと思って何とか耐えようとした。
カメラを構えているのは、同じく写真を撮るために後ろに並んでいた人だ。その隣には今日、僕と一緒に入学式を迎える男の子が立っている。
「はい、チーズ」
その男の子は鼻筋が綺麗に通っていて、白いすべすべした肌に紅の唇がある。目はくりくりとしている。
(かっこいいし、かわいい…)
僕は思った。
すると僕の目線に気付いたのかその男の子がこちらと目を合わせてにっこり微笑んだ。
僕はなんだか恥ずかしくなって顔を赤くし、それを誤魔化すために制服の襟の位置を直すふりをした。
「二枚目撮ります。はい、チーズ」
写真を撮ってくれた人が歩み寄って来た。男の子もついて来た。
「こんな感じで大丈夫ですかね?」
写真を撮ってくれた人が、カメラを見せてくれた。
それには、お母さんと、平均的な身長で、ほんのちょっぴり日焼けしている僕が立っていた。
「はい!大丈夫です。ありがとうございます」
お母さんは頷いて言った。
僕は写真ではなく男の子をずっと見ていた。近くで見ると肌の綺麗さがより際立って見えた。
(この子と同じクラスになれたら良いな)
そんなことを思っていると、学校の先生が写真を撮るために並んでいる人たちに、始業式がもうすぐ始まるから、急ぐようにと大きな声で伝えた。
そんな中、僕は「入学式」と大きく書かれた看板の前で、お母さんとスマホのレンズの前に立っていた。中学生にもなって、しかも男なのにお母さんと写真を撮るのは何となく恥ずかしかったが、そういうものなのだろうと思って何とか耐えようとした。
カメラを構えているのは、同じく写真を撮るために後ろに並んでいた人だ。その隣には今日、僕と一緒に入学式を迎える男の子が立っている。
「はい、チーズ」
その男の子は鼻筋が綺麗に通っていて、白いすべすべした肌に紅の唇がある。目はくりくりとしている。
(かっこいいし、かわいい…)
僕は思った。
すると僕の目線に気付いたのかその男の子がこちらと目を合わせてにっこり微笑んだ。
僕はなんだか恥ずかしくなって顔を赤くし、それを誤魔化すために制服の襟の位置を直すふりをした。
「二枚目撮ります。はい、チーズ」
写真を撮ってくれた人が歩み寄って来た。男の子もついて来た。
「こんな感じで大丈夫ですかね?」
写真を撮ってくれた人が、カメラを見せてくれた。
それには、お母さんと、平均的な身長で、ほんのちょっぴり日焼けしている僕が立っていた。
「はい!大丈夫です。ありがとうございます」
お母さんは頷いて言った。
僕は写真ではなく男の子をずっと見ていた。近くで見ると肌の綺麗さがより際立って見えた。
(この子と同じクラスになれたら良いな)
そんなことを思っていると、学校の先生が写真を撮るために並んでいる人たちに、始業式がもうすぐ始まるから、急ぐようにと大きな声で伝えた。
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