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本編

46.ブリトニーは?④〈第三者side〉

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〈第三者side〉



 今回ブリトニーは父の言いつけを守り玉の輿の嫁ぎ先を確保し、なおかつ自分の好みど真ん中のデニスと結婚する気でいたのに、それがすべて流れてしまった。

 自業自得とはいえ、崖っぷちに立たされていた彼女は相当追い詰められた状態だったに違いない。

 そしてブリトニーの父親は彼女に知らせず、娘の釣書つりがきを悪名高き大富豪準男爵様に送っていたそうだ。

 その裏切り結果、見事ブリトニーが見初められた。

 フォールン男爵はこの縁談に大乗り気で、ブリトニーの意思などお構いなく半ば強引に手続きを進めたのだとも噂されている。



 それはそうだわ。

 彼女だって嫌だっただろう。

 だってブリトニーはデニスが好きだったのだもの。

 もしかして、あの『第二夫人』発言はここから来ていたのでは?

 だったらデニスもブリトニーも、かわいそうな事になってしまったわね。



 ステファニーが二人を気の毒にと思うのは当然で、この国は父親の勧める縁談を断るのは非常に困難だった。

 もし断れば大抵の場合修道院送りで、最低でも数年は出てこられなくなってしまう。

 若い娘の数年は、その人の人生を左右するには十分な時間だ。

 やっと出てきた時に婚期をいつしている者が大半で、結局は父が最初に勧めてきた縁談相手より悪い条件で嫁がねばならなくなる。

 つまりブリトニーが豊かな生活を捨てたくないならば、その大富豪に嫁ぐしか道は無いのだ。

 それに父親や相手方が乗り気で進めている以上、もうブリトニーに逃げ場は残されていない。

 しかしブリトニーは納得はできないに違いない。



 私は好きな人と結婚できる幸運を手に入れただけに、彼女には少し同情してしまうわ。

 あぁ、それでもブラッドとの結婚は変えたくないって思ってる私がいる。

 うーん。

 心は痛むけど、私がデニスと結婚してブリトニーさんをおめかけさんにするのは、さすがにちょっと無理。

 ここは心を魔王にして、目をつぶるしかないわ。

 でもそう言えば、デニスはどうしてるだろう?

 ブリトニーさんを好きだったみたいだから、こんな噂を聞いたら落ち込んでしまうかもしれないわね。

 まだ領地に居るみたいだし、ここは可哀想なを慰めてあげるべく、たまには手紙でも書こうかしら?



 ステファニーは少しのうれいを感じつつも、何か彼の気を引く品も一緒に届けてあげようと頭を働かせる。

 何だかんだ言っても、やっぱりデニスには甘いステファニーであった。
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