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本編
22.止められない闘い②
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裏庭はこの辺境伯の家族専用のプライベートな場所で、簡単に外部の人間が入って来られる場所ではない。
しかし東棟に入ることができる使用人や、おじい様と仲の良い客人ならば普通に入れるため、ここで決闘などすればすぐに噂になるだろう。
まさか辺境騎士団から王国騎士団に連絡する者はいないとは思うけど、辺境伯であるおじい様に見つかったら、それは『現行犯』になるって事だ。
二人ともそれを忘れてないかしら?
でももう止めるのは無理だ。
そう悟った私は、仕方なく場を整える手配を始める。
するとブリトニーがニコニコと話しかけてきた。
「ねぇステファニー。あなた、デニスが勝ったらどうするの?」
「どうって?」
「だってこれって、勝ったほうが辺境伯になるんでしょう?」
「は?」
「ローマン様がデニスにチャンスを与えたってことは……そういう事よね?」
ブリトニーは楽しそうに笑っている。
私に話しかけているようで、こっちを見ていない。
夢見るように胸の前で両手を組み、お空の彼方を見詰めて呟き出した。
「そしたらステファニーとデニスが結婚するじゃない? 私、デニスが辺境伯になれるのなら、妻の座は諦めるわ」
「何それ!?」
「聞いて無かったの? ローマン様があなたとの結婚は政略結婚じゃないって言ったら、デニスがあなたがブラッドリーを好きになるなんておかしいって言って……」
「え? え? なに? そんなこと言ってたの?」
私がほんの少し自分の思考に浸っている間に、そんなことになっているとは夢にも思っていなかった。
「そうよ。それでデニスが、幼なじみの自分のほうがあなたの事を良く分かってるって言って、ローマン様が自分たちは恋人同士なんだって言って、デニスに予定通り私と結婚しろって、ワーって言い合いになったのよ?」
「そんな……」
彼女の子供みたいな話し方からでも、確実に伝わってくる情報に私は頭を抱えた。
しかし東棟に入ることができる使用人や、おじい様と仲の良い客人ならば普通に入れるため、ここで決闘などすればすぐに噂になるだろう。
まさか辺境騎士団から王国騎士団に連絡する者はいないとは思うけど、辺境伯であるおじい様に見つかったら、それは『現行犯』になるって事だ。
二人ともそれを忘れてないかしら?
でももう止めるのは無理だ。
そう悟った私は、仕方なく場を整える手配を始める。
するとブリトニーがニコニコと話しかけてきた。
「ねぇステファニー。あなた、デニスが勝ったらどうするの?」
「どうって?」
「だってこれって、勝ったほうが辺境伯になるんでしょう?」
「は?」
「ローマン様がデニスにチャンスを与えたってことは……そういう事よね?」
ブリトニーは楽しそうに笑っている。
私に話しかけているようで、こっちを見ていない。
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「そしたらステファニーとデニスが結婚するじゃない? 私、デニスが辺境伯になれるのなら、妻の座は諦めるわ」
「何それ!?」
「聞いて無かったの? ローマン様があなたとの結婚は政略結婚じゃないって言ったら、デニスがあなたがブラッドリーを好きになるなんておかしいって言って……」
「え? え? なに? そんなこと言ってたの?」
私がほんの少し自分の思考に浸っている間に、そんなことになっているとは夢にも思っていなかった。
「そうよ。それでデニスが、幼なじみの自分のほうがあなたの事を良く分かってるって言って、ローマン様が自分たちは恋人同士なんだって言って、デニスに予定通り私と結婚しろって、ワーって言い合いになったのよ?」
「そんな……」
彼女の子供みたいな話し方からでも、確実に伝わってくる情報に私は頭を抱えた。
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