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21.幸せになるよ!(トール視点)
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「な、何であんな奴のことを気にしているんだよ……?」
困惑しながら聞くと、アデラは「だって!」と嬉しそうに可愛い笑顔を作った。
「あんなにかっこいい人、私初めて見たわ。シルヴァン様も整った顔をしていると思うけれど、あっちの魔法使いは何だかミステリアスな雰囲気もあって素敵だった……是非お話してみたいの」
「お話って……アデラには僕がいるじゃないか。目を覚ますんだ!」
奴は僕を馬鹿にしたんだぞ。
そんな男の容姿を褒めまくって、挙げ句関わろうとするだなんてきっと魅了の魔法をかけられたんだ!
けれど僕の叫びが届いたのか、アデラはハッとした表情をした後に優しく微笑んだ。
「ご、誤解よ、トール様。私が一番愛しているのはトール様。どんなにかっこいい男性が現れても、それは変わらないから安心してちょうだい」
「アデラ……もちろんだよ」
アデラの心にいるのは僕だけ。
それが分かって安心したけれど、油断はできないね。
黒い魔法使いめ、いつ僕のアデラにも手を出すか分からない。
応接間ではアデラにまったく興味がないように見えたけれど、実は邪な目で見ていた可能性がある。
それにリザリアを自分の女扱いしているのも見すごせない。
ああもう、嫌なことばかりだ!
メイドが淹れてくれた紅茶を飲みながら、アデラと二人でリザリアやディンデール家の悪口を言って盛り上がっていると、父上と母上が帰ってきた。
さあて、おばあ様を説得してくれたかな……?
僅かに緊張しながら二人からの報告を待っていた僕は、その内容に息を呑んだ。
「ぜ、絶縁って……どういうことですか、母上!」
「どうもこうもないわよ。お母様ったら、アデラさんがどんなに可愛らしくて優しい子だと説明しても『結婚は許さない』の一点張り」
「お義父上もアデラ嬢を選ぶのであれば、ミオスネット家とは二度と関わるなと腹を立てていてな。何故アデラ嬢がいけないのか、その理由を聞いても『そのくらい自分で考えろ』だそうだ。……一度離婚してしまうと、フィリヌ家の名に傷がついてしまうと思っておられるのだろう。古くさいお考えの持ち主だ」
いつもは背筋をピンと伸ばして凛々しい父上も流石に疲れてしまったのか、ソファーにだらしなく凭れている。
僕は両親に申し訳なく思いながらも、深く感謝もしていた。
実家を敵に回してまで、僕とアデラの結婚を優先してくれたのだから。
ありがとう……僕たち絶対幸せになるよ!
困惑しながら聞くと、アデラは「だって!」と嬉しそうに可愛い笑顔を作った。
「あんなにかっこいい人、私初めて見たわ。シルヴァン様も整った顔をしていると思うけれど、あっちの魔法使いは何だかミステリアスな雰囲気もあって素敵だった……是非お話してみたいの」
「お話って……アデラには僕がいるじゃないか。目を覚ますんだ!」
奴は僕を馬鹿にしたんだぞ。
そんな男の容姿を褒めまくって、挙げ句関わろうとするだなんてきっと魅了の魔法をかけられたんだ!
けれど僕の叫びが届いたのか、アデラはハッとした表情をした後に優しく微笑んだ。
「ご、誤解よ、トール様。私が一番愛しているのはトール様。どんなにかっこいい男性が現れても、それは変わらないから安心してちょうだい」
「アデラ……もちろんだよ」
アデラの心にいるのは僕だけ。
それが分かって安心したけれど、油断はできないね。
黒い魔法使いめ、いつ僕のアデラにも手を出すか分からない。
応接間ではアデラにまったく興味がないように見えたけれど、実は邪な目で見ていた可能性がある。
それにリザリアを自分の女扱いしているのも見すごせない。
ああもう、嫌なことばかりだ!
メイドが淹れてくれた紅茶を飲みながら、アデラと二人でリザリアやディンデール家の悪口を言って盛り上がっていると、父上と母上が帰ってきた。
さあて、おばあ様を説得してくれたかな……?
僅かに緊張しながら二人からの報告を待っていた僕は、その内容に息を呑んだ。
「ぜ、絶縁って……どういうことですか、母上!」
「どうもこうもないわよ。お母様ったら、アデラさんがどんなに可愛らしくて優しい子だと説明しても『結婚は許さない』の一点張り」
「お義父上もアデラ嬢を選ぶのであれば、ミオスネット家とは二度と関わるなと腹を立てていてな。何故アデラ嬢がいけないのか、その理由を聞いても『そのくらい自分で考えろ』だそうだ。……一度離婚してしまうと、フィリヌ家の名に傷がついてしまうと思っておられるのだろう。古くさいお考えの持ち主だ」
いつもは背筋をピンと伸ばして凛々しい父上も流石に疲れてしまったのか、ソファーにだらしなく凭れている。
僕は両親に申し訳なく思いながらも、深く感謝もしていた。
実家を敵に回してまで、僕とアデラの結婚を優先してくれたのだから。
ありがとう……僕たち絶対幸せになるよ!
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