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49、交渉
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レオンの隣にいるだけで、なんて心強いこと。毛深い手はゴツゴツしていて、安心感があります。
昼間はあんなにもおびえていたのに、今は負ける気がしませんでした。
もう、夜です。馬車の窓から見える街並みは、灯火の優しい光で彩られていました。馬車の馬たちの蹄音と従者の馬を駆ける音が重奏となります。キャビンのなかは二人きり。
「あなた、ローランのことを気にしてくださり、ありがとう」
「当然だよ。ローランは私の孫だからね」
わたくしはレオンの厚い胸板に身を預けました。不安など、彼の体温に焼かれてしまいます。
「うまくいくかしら?」
「うまくいかなかったら、また別の対策を講じるまで」
チェスはそんなに上手ではないけれど、百戦錬磨の旦那さまの言葉は自信に満ちています。彼の辞書には、動揺や狼狽といった言葉はないのかもしれません。……いえ、わたくしが泣いたりすると、思いっきり狼狽しますわね? わたくしは長男のアルマン以上にレオンの弱点なのですよ。彼は心臓を刺されても動くでしょうが、わたくしがケガを負おうものなら、その十倍のダメージを受けます。わたくしが自身の身を守ることは、彼を救うことにもなるのです。だから、無茶はせず、すべてを委ねることにしました。
グレーの口ひげに触れていいのは、わたくしだけ。この人が隣にいてくれてよかったと、心から思いました。
プルーニャ邸はよくある貴族の邸宅でした。
庭の手入れも行き届いていますし、借金に悩まされているようには見えません。建築は装飾過多で最近造られたものだとわかります。使い込まれ、代々受け継がれてきたわたくしの実家やピヴォワン邸とは、雰囲気が異なっていました。
事前に連絡をしていたから、門衛はすんなり馬車を通してくれました。チェス大会の賞金を持ってくると伝えたので、受け入れモードなのでしょうね。賞金は王都に屋敷をもう一つ買えるぐらいの金額ですが、わたくしたちにとっては、どうでもいいことです。ローランを返してもらえるのなら、いくら金を積んでも構わないと思っていました。
アルマンはすでに到着して、どこかに身をひそめているのでしょう。
馬車を降り、屋敷内へと案内されます。扉を開けた先には豪勢な玄関ホールがありました。いかにもマルグリットが好きそうな内装ですわね。ドーム型の天井からは大きなシャンデリアが吊り下がり、目が痛くなるほど細かい模様の壁紙とあちらこちらに施された金の装飾。これでもかってぐらい、ゴテゴテ飾り立てていました。玄関ホールがこうなのですから、広間の内装はもっとすごいのでしょう。
ゴチャゴチャした室内は都合がいいです。床まである窓はアーチの奥まったところにあり、身を隠すのには最適でした。窓は外に張り出していて、壁と窓枠の間に人ひとり入れる隙間があるのです。その窓の一つで、揺れる影を見た気がしました。
奥の両開きの扉が開くまで、わたくしはレオンと腕を組んで待ちました。
彼と一緒なら、怖いものなんかありません。数時間前、決死の覚悟でプルーニャ親子と対峙したのが嘘のように落ち着いていました。余裕の笑みまで浮かんできます。
プルーニャ親子がローランを連れてきたのは想定内でした。賞金をローランに直接渡すと、レオンはまえもって伝えていたのです。
レオンは上品に挨拶をし、プルーニャ男爵も卒なく応えます。貴族社会は狭いので、初対面ではないでしょう。名乗り合うところをみると、互いに顔を知っていても話すのは初めてのようです。
何年もアルマンとマルグリットの結婚で揉めていたにもかかわらず、直に話すのが初めてというのは衝撃でした。おそらく、プルーニャ男爵のほうでレオンを避けていたのかもしれません。わたくしと対面した時とちがい、慎重に言葉を選んでいる様子でした。硬質な隻眼は変わりませんでしたが。
そして、マルグリット。レオンの前では借りてきた猫になるのですね。媚びるような上目遣いで、レオンの顔色をうかがっています。
ローランはうつむき、こちらを見てもくれませんでした。ピヴォワン邸に帰るのをあきらめているのでしょうか。目の前にいる愛しい子を抱きしめることすらできず、わたくしは唇を噛みました。
応接室へ案内しましょうというのを固辞し、レオンは絹布にくるまれた賞金を従者から受け取ります。それをローランに差し出しました。
「これは君が勝ち取った証だからね? 直接渡したかった」
受け取った絹布をローランが開くと、小切手が出てきました。左右からのぞき込んだプルーニャ親子は目を輝かせます。ローランは両手でそれを持ったまま、立ち尽くしていました。落とす視線は悲しげで、胸が締めつけられます。
この子にとっては賞金など、どうでもいいのですよ。小切手はただの紙切れです。安心して生活できる場所と大切な家族。それさえあれば、お金はいらないでしょう。
悪漢が気を取られている隙にレオンは話し始めました。
「申しわけない。金銭のやり取りは直接するべきだと思いましてな? そうそう、毎月うちのアルマンに届けていた仕送りですが、受け取っていないと言い張っておるのですよ。愚息のことですから、嘘をついている可能性もあります。心当たりはありませんか?」
プルーニャ男爵はわざとらしく、首をかしげました。
「さあ……? 私は存じ上げませんが……金に困っているようでしたので、ご想像どおりではないでしょうか?」
「小切手は信頼できる者に届けさせておりましたが、確実に受け取られましたか?」
「ええ。それは問題ありませんね」
「そして、それをアルマンに渡したと」
「ええ」
窓の辺りで息を呑む音が聞こえました。ごくごく小さな音ですから、誰も気づいておりません。
男爵が受け取りを認めたのは、その際に受領済のサインを渡しているからです。レオンはアルマンに小切手の控えを見せているでしょうし、男爵が嘘をついているのは明らかでした。
「脱線してしまいましたな……さて、ローランですが、養育が難しいとの理由でご息女が我が屋敷に置いていかれたのが、そもそもの発端です。私どもは特に育てづらさを感じることもなく、一年間過ごしてきました。妻はローランに愛着が湧いていますし、できることなら引き取りたいと考えているのですが……」
「それは無理なご相談です」
「そうですか、残念です」
あなた!! 引き下がるの早過ぎでしてよ!! わたくしは絡ませる腕にギュッと力を入れました。
マルグリットは勝ち誇り、高笑いします。
「ホホホホ……ローランはあたくしの子ですもの! 当然よ!」
ローランは青い目に涙を浮かべていました。相変わらず床を見ているばかりで、わたくしのほうを見ようとはしません。二度目の敗北は苦いものでした。
レオンは落ち着き払って、話題を変えました。
「また、アルマンの話に戻りますが、やはりご息女との結婚はあきらめて頂きたいと思っています」
「ご理由は?」
男爵の隻眼が鋭くなりました。レオンの物腰が柔らかなので、油断したのかもしれません。悪魔的な本性が少しずつ現れてきました。
「いやいや、貴家が原因というより、愚息当人の問題ですよ。ご存じのとおりの馬鹿息子ですから。逆に結婚したことで、ご迷惑をおかけすることになるかと」
「そんなことはありませんよ」
「じつは長男の権利を剥奪してやろうかと考えていましてな? あの馬鹿に家を継がせたのでは、没落してしまいます。うちには次男もおりますし、後継ぎには困らないのでね」
「権利剥奪とは横暴な……裁判で認められないでしょう?」
「それが抜け道はあるんですよ。養子に出してしまえばいいのです」
プルーニャ親子の顔色が変わりました。
長男でなくなったアルマンは見栄だけ良いただの無職です。いえ、いまや美男子でもありませんから、ただの無職の中年男です。
「それでも構わないとおっしゃるのなら、結婚させても構いませんが……」
「おっ、お断りいたしますわっっ!!」
マルグリットは、ぶんぶん頭を振って拒絶しました。こうなると、アルマンが気の毒になってきますわね。今ごろ、窓際で何を思っているのやら……
レオンは男らしい笑顔を見せました。
「断っていただけて、よかった」
「アルマンには二度とこの屋敷に近づかないよう、お伝えくださいませ」
マルグリットは鼻息荒く言い切ります。これで、アルマンに対して欠片ほども愛情を持っていないことが明白になりました。利用されていただけだったのですね。
借金を背負わされ、実家からの仕送りも奪い取られ……わたくしにとっては加害者のアルマンも、哀れな被害者でした。
恋人に人生をめちゃくちゃにされたうえ、捨てられたアルマンはみじめに泣き寝入りするでしょうか。いいえ、外に張り出した窓の影からスッと出てきました。
さあ、反撃開始です。
昼間はあんなにもおびえていたのに、今は負ける気がしませんでした。
もう、夜です。馬車の窓から見える街並みは、灯火の優しい光で彩られていました。馬車の馬たちの蹄音と従者の馬を駆ける音が重奏となります。キャビンのなかは二人きり。
「あなた、ローランのことを気にしてくださり、ありがとう」
「当然だよ。ローランは私の孫だからね」
わたくしはレオンの厚い胸板に身を預けました。不安など、彼の体温に焼かれてしまいます。
「うまくいくかしら?」
「うまくいかなかったら、また別の対策を講じるまで」
チェスはそんなに上手ではないけれど、百戦錬磨の旦那さまの言葉は自信に満ちています。彼の辞書には、動揺や狼狽といった言葉はないのかもしれません。……いえ、わたくしが泣いたりすると、思いっきり狼狽しますわね? わたくしは長男のアルマン以上にレオンの弱点なのですよ。彼は心臓を刺されても動くでしょうが、わたくしがケガを負おうものなら、その十倍のダメージを受けます。わたくしが自身の身を守ることは、彼を救うことにもなるのです。だから、無茶はせず、すべてを委ねることにしました。
グレーの口ひげに触れていいのは、わたくしだけ。この人が隣にいてくれてよかったと、心から思いました。
プルーニャ邸はよくある貴族の邸宅でした。
庭の手入れも行き届いていますし、借金に悩まされているようには見えません。建築は装飾過多で最近造られたものだとわかります。使い込まれ、代々受け継がれてきたわたくしの実家やピヴォワン邸とは、雰囲気が異なっていました。
事前に連絡をしていたから、門衛はすんなり馬車を通してくれました。チェス大会の賞金を持ってくると伝えたので、受け入れモードなのでしょうね。賞金は王都に屋敷をもう一つ買えるぐらいの金額ですが、わたくしたちにとっては、どうでもいいことです。ローランを返してもらえるのなら、いくら金を積んでも構わないと思っていました。
アルマンはすでに到着して、どこかに身をひそめているのでしょう。
馬車を降り、屋敷内へと案内されます。扉を開けた先には豪勢な玄関ホールがありました。いかにもマルグリットが好きそうな内装ですわね。ドーム型の天井からは大きなシャンデリアが吊り下がり、目が痛くなるほど細かい模様の壁紙とあちらこちらに施された金の装飾。これでもかってぐらい、ゴテゴテ飾り立てていました。玄関ホールがこうなのですから、広間の内装はもっとすごいのでしょう。
ゴチャゴチャした室内は都合がいいです。床まである窓はアーチの奥まったところにあり、身を隠すのには最適でした。窓は外に張り出していて、壁と窓枠の間に人ひとり入れる隙間があるのです。その窓の一つで、揺れる影を見た気がしました。
奥の両開きの扉が開くまで、わたくしはレオンと腕を組んで待ちました。
彼と一緒なら、怖いものなんかありません。数時間前、決死の覚悟でプルーニャ親子と対峙したのが嘘のように落ち着いていました。余裕の笑みまで浮かんできます。
プルーニャ親子がローランを連れてきたのは想定内でした。賞金をローランに直接渡すと、レオンはまえもって伝えていたのです。
レオンは上品に挨拶をし、プルーニャ男爵も卒なく応えます。貴族社会は狭いので、初対面ではないでしょう。名乗り合うところをみると、互いに顔を知っていても話すのは初めてのようです。
何年もアルマンとマルグリットの結婚で揉めていたにもかかわらず、直に話すのが初めてというのは衝撃でした。おそらく、プルーニャ男爵のほうでレオンを避けていたのかもしれません。わたくしと対面した時とちがい、慎重に言葉を選んでいる様子でした。硬質な隻眼は変わりませんでしたが。
そして、マルグリット。レオンの前では借りてきた猫になるのですね。媚びるような上目遣いで、レオンの顔色をうかがっています。
ローランはうつむき、こちらを見てもくれませんでした。ピヴォワン邸に帰るのをあきらめているのでしょうか。目の前にいる愛しい子を抱きしめることすらできず、わたくしは唇を噛みました。
応接室へ案内しましょうというのを固辞し、レオンは絹布にくるまれた賞金を従者から受け取ります。それをローランに差し出しました。
「これは君が勝ち取った証だからね? 直接渡したかった」
受け取った絹布をローランが開くと、小切手が出てきました。左右からのぞき込んだプルーニャ親子は目を輝かせます。ローランは両手でそれを持ったまま、立ち尽くしていました。落とす視線は悲しげで、胸が締めつけられます。
この子にとっては賞金など、どうでもいいのですよ。小切手はただの紙切れです。安心して生活できる場所と大切な家族。それさえあれば、お金はいらないでしょう。
悪漢が気を取られている隙にレオンは話し始めました。
「申しわけない。金銭のやり取りは直接するべきだと思いましてな? そうそう、毎月うちのアルマンに届けていた仕送りですが、受け取っていないと言い張っておるのですよ。愚息のことですから、嘘をついている可能性もあります。心当たりはありませんか?」
プルーニャ男爵はわざとらしく、首をかしげました。
「さあ……? 私は存じ上げませんが……金に困っているようでしたので、ご想像どおりではないでしょうか?」
「小切手は信頼できる者に届けさせておりましたが、確実に受け取られましたか?」
「ええ。それは問題ありませんね」
「そして、それをアルマンに渡したと」
「ええ」
窓の辺りで息を呑む音が聞こえました。ごくごく小さな音ですから、誰も気づいておりません。
男爵が受け取りを認めたのは、その際に受領済のサインを渡しているからです。レオンはアルマンに小切手の控えを見せているでしょうし、男爵が嘘をついているのは明らかでした。
「脱線してしまいましたな……さて、ローランですが、養育が難しいとの理由でご息女が我が屋敷に置いていかれたのが、そもそもの発端です。私どもは特に育てづらさを感じることもなく、一年間過ごしてきました。妻はローランに愛着が湧いていますし、できることなら引き取りたいと考えているのですが……」
「それは無理なご相談です」
「そうですか、残念です」
あなた!! 引き下がるの早過ぎでしてよ!! わたくしは絡ませる腕にギュッと力を入れました。
マルグリットは勝ち誇り、高笑いします。
「ホホホホ……ローランはあたくしの子ですもの! 当然よ!」
ローランは青い目に涙を浮かべていました。相変わらず床を見ているばかりで、わたくしのほうを見ようとはしません。二度目の敗北は苦いものでした。
レオンは落ち着き払って、話題を変えました。
「また、アルマンの話に戻りますが、やはりご息女との結婚はあきらめて頂きたいと思っています」
「ご理由は?」
男爵の隻眼が鋭くなりました。レオンの物腰が柔らかなので、油断したのかもしれません。悪魔的な本性が少しずつ現れてきました。
「いやいや、貴家が原因というより、愚息当人の問題ですよ。ご存じのとおりの馬鹿息子ですから。逆に結婚したことで、ご迷惑をおかけすることになるかと」
「そんなことはありませんよ」
「じつは長男の権利を剥奪してやろうかと考えていましてな? あの馬鹿に家を継がせたのでは、没落してしまいます。うちには次男もおりますし、後継ぎには困らないのでね」
「権利剥奪とは横暴な……裁判で認められないでしょう?」
「それが抜け道はあるんですよ。養子に出してしまえばいいのです」
プルーニャ親子の顔色が変わりました。
長男でなくなったアルマンは見栄だけ良いただの無職です。いえ、いまや美男子でもありませんから、ただの無職の中年男です。
「それでも構わないとおっしゃるのなら、結婚させても構いませんが……」
「おっ、お断りいたしますわっっ!!」
マルグリットは、ぶんぶん頭を振って拒絶しました。こうなると、アルマンが気の毒になってきますわね。今ごろ、窓際で何を思っているのやら……
レオンは男らしい笑顔を見せました。
「断っていただけて、よかった」
「アルマンには二度とこの屋敷に近づかないよう、お伝えくださいませ」
マルグリットは鼻息荒く言い切ります。これで、アルマンに対して欠片ほども愛情を持っていないことが明白になりました。利用されていただけだったのですね。
借金を背負わされ、実家からの仕送りも奪い取られ……わたくしにとっては加害者のアルマンも、哀れな被害者でした。
恋人に人生をめちゃくちゃにされたうえ、捨てられたアルマンはみじめに泣き寝入りするでしょうか。いいえ、外に張り出した窓の影からスッと出てきました。
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