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45、祝勝パーティー
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後日、ローランの祝勝パーティーを開きました。お客様はわたくしの両親と他数人のみ。事情のある子なので、ささやかなパーティーです。
豪華な三段ケーキを作らせましたよ。職人が腕を振るい、チェスの駒の形をしたチョコレートやビスケットで飾り立てました。この日のためにチェスピースの型を作らせていたのですよね。
女中たちはローランにプレゼントするハンカチやリボンに精巧なチェスピースの刺繍をしましたし、ノエルと乳母の子は粘土で王と女王のオブジェを作りました。これだけでも、ローランがみんなにどれだけ愛されているか、わかるでしょう。
パーティーのまえにローランを呼び出したのは、どことなく顔つきが暗かったからです。
彼が気にしていることはわかっていました。エドガーのことですわよね。
大会が終わってから、エドガーがチェスをやめると知ってしまったのでしょう。せっかく仲良くなった戦友を失い、優勝の喜びに水を差してしまいました。
けれども、談話室に来たローランは暗い顔から一転、子供らしく無邪気な顔をしていました。期待に満ちた青い目を向けてきたのです。ノエルには内緒で、こっそりご褒美をもらえるのではないか……そういう期待でしょうか。子供って特別扱いされたがりますよね。にこにこするローランを見て、わたくしは心配し過ぎだったと後悔しました――ごめんなさいね。プレゼントはパーティーのあとよ。
厳めしい肖像画や古臭い絵画に囲まれた大人の部屋です。
この談話室は彼が最初に来た日、ケガの手当てをするために入りました。養子にならないかと持ちかけた時も、この部屋でしたね。
以前はビロードのソファーに腰掛けると、ローランの小さな身体は沈み込んでしまいましたが、今はしっかり支えられています。この一年で、心も体もだいぶ成長しました。ときおり、甘えてくるようになったのは赤ちゃん返り?ですかね? わたくしに対してだけなんですけど、心を開いてくれた証ですし、良い変化と捉えています。
わたくしは両手で眼鏡のつるを押さえました。
「エドガーのことを気に病む必要はないわ。あなたが精いっぱい戦ったことで、良いはなむけになったと思う」
話を切り出したことで、ローランの顔つきが変わりました。子供らしい顔が大人のように鋭くなります。
「僕はロテュス卿はまちがっていると思います。エドガーはチェスをやめるべきじゃない」
「わたくしもそう思うわ」
「あの対局は五分五分でした。僕が黒番だったら、確実に負けていたでしょう。それにエドガーは試合中、ものすごいプレッシャーと戦っていたんです。そんな精神状態では、彼のほうが圧倒的に不利でした。僕が勝ったのは強運に恵まれていたからです」
そうね、そのとおりかもしれないわね。
でも、わたくしは序盤でほぼ勝敗が決まっていたと思うわ。あなたの歩兵の猛攻はすさまじかった。あの形勢から逆転するのは不可能よ。たしかに、エドガーには大きな負荷がかけられていたけど、対局中少しもミスをしなかったのよ。最善手を指していても彼が勝てなかったのは、あなたの実力の成せる技でしょう?
ローランが驕らなくなったのは良いことです。もう少し、自分の実力を信じてもいいと思うんですがね。
わたくしはエドガーが名門校の寄宿舎に入る話をしました。これはロテュス伯爵から聞いたことです。
「結果としては残念だったけど、本人も納得のうえ、決めたことです。エドガーには新しい未来が待っているわ」
「義理の親が勝手に決めたことです。僕は納得できない」
「表舞台に立たなくても、チェスを続けることはできるわ。勉強しながらでも、好きなことをやればいいの。そしていつか、戻ってくることも、あるかもしれないじゃない?」
我ながら、甘いです。希望を持たせても、それが実現する保証はどこにもないのですから。けれど、わたくしはローランに前を向いてほしかったのです。大人の汚いところばかり見てきたこの子には、明るい未来を夢見てほしい。冷え切った目を将来に向けるのではなく、今みたいにキラキラした目を向けてほしかったのですよ。
「エドガーは大切なベレー帽をくれました。これをかぶって、僕は対局するつもりです。エドガーの志を引き継いで、チェスを続けます」
「いいわね、その心意気よ。また、二人で対局する日まで、腕を磨きましょう」
わたくしはローランの金髪をなでなでしてあげました。今朝、きれいに編み込んであげましたから、崩れないようにね。赤い顔を綻ばせるのは、ゴーサインです。わたくしは欲望のおもむくままに、ローランを抱きしめました。だって、かわいいんですもの。
レオンは男の子にべたべたするのは、よくないと言ってきますが、理解できないのですよね。母親が子供に愛情を注いで悪いことなんか、一つもないでしょう?
旦那さまは子供たちに嫉妬することがあるので、それだと思っています。男の人って、いつまでたっても幼いところがありますわよね。
さあ、ローランの気持ちも回復しましたし、パーティーを楽しむ準備が整いました。
まもなく、わたくしの両親も到着するんじゃないかしら? 談話室は屋敷の奥まったところにあり、外の音が聞こえなかったりします。
お母さまってば、ローランが大のお気に入りなものですから、きっと山ほどプレゼントを用意していますよ。ノエルや双子たちのことも、忘れないでほしいものです。 先日、服の寸法を測られたとローランが言っておりましたので、嫌な予感もします。
わたくしはローランを連れて、足早に大広間へ向かいました。
予感的中! 到着したお母さまは使用人にプレゼントを運ばせているところでした――これは、積み重ね過ぎですよ? お誕生日の楽しみが薄れてしまいますし、わたくしたちのプレゼントが引き立て役になってしまうでしょう? ローランも困惑しておりますよ。
そのお母さまの影に隠れるようにたたずむお父さま、いつものことながら止めたらどうなのです?……ああっと、忘れていました。お父さまも主役の一人なのですよね。準決勝まで進んだのは大快挙です。長時間に及んだローランとの対局は互角でしたよ。あとで、またローランと対戦してあげてくださいな。いい練習相手になります。
お母さまは待ちきれず、食事前にプレゼントを開けさせました。その中身はというと……ボードゲームや汽車の模型、飛び出し絵本はまだ良しとしましょう。大きなクマのぬいぐるみは何なのです? ローランは女の子ではないのですよ?
それに、華美な衣装が次々と飛び出します。何を着ても似合うでしょうけど、いまいち本人の趣味ではないと思うのですよね。かさ張るものより、使えるもののほうがマシとはいっても……。ローランも微妙な顔をしています。
とりあえず、クマのぬいぐるみに関しては、ちがうでしょとクレームをつけ、マイアとエレクトラにあげました。洋服は実家へ遊びに行くとき、着させることにします。
お母さまの度を越したプレゼントのおかげで、場が和んだことには感謝しましょう。明るい雰囲気で晩餐会はスタートしました。
食事中、エドガーのことが話題にのぼり、ヒヤッとしました。もう、ローランは暗い顔をしませんでしたよ。話したことが功を奏したようでホッとしました。また、お友達とチェスができると思えば、楽しみが増えます。そのうち、エドガーも我が家に招こうと思いました。
みんな、よく食べ、よくしゃべりました。食後、大人と子供に分かれてしまっても、わたくしたちにはチェスがあります。
レオンたら、ついにローランと対戦しましたわね。ローランが初めてチェスに触れた日、負かした以来です。
ローランは容赦なく十三手でチェックメイトしていました。あなた、がんばって!……と言いたいところですが、ローランにも多少手加減を覚えてもらいたいです。おじさまは案外、子供より子供っぽい生き物なのですよ。機嫌を損ねないよう、もうちょっとだけ察してあげましょうね。
チェスのあとはお待ちかねのデザート。甘い物大好きっ子は三段ケーキに大喜びしました! 食べるのが、もったいないぐらいですもの。ローランはノエルと一緒にケーキを上から眺めたり、下からのぞき込んでは、ため息をついていました。食べるまえに絵を描いたら?……という提案は退けられましたが。
食べ始めたら、ペロリでしたよ。
最後にわたくしとレオンから、ローランにプレゼントを渡しました。
新しいチェスボードです。アカシヤと楓の木で作られた折り畳み式のもの。職人の技が光る一品です。持ち運びできるチェスボードはずっと、わたくしのを貸しておりました。これからは気兼ねなく、自分のものを使ってもらいましょう。
豪華な三段ケーキを作らせましたよ。職人が腕を振るい、チェスの駒の形をしたチョコレートやビスケットで飾り立てました。この日のためにチェスピースの型を作らせていたのですよね。
女中たちはローランにプレゼントするハンカチやリボンに精巧なチェスピースの刺繍をしましたし、ノエルと乳母の子は粘土で王と女王のオブジェを作りました。これだけでも、ローランがみんなにどれだけ愛されているか、わかるでしょう。
パーティーのまえにローランを呼び出したのは、どことなく顔つきが暗かったからです。
彼が気にしていることはわかっていました。エドガーのことですわよね。
大会が終わってから、エドガーがチェスをやめると知ってしまったのでしょう。せっかく仲良くなった戦友を失い、優勝の喜びに水を差してしまいました。
けれども、談話室に来たローランは暗い顔から一転、子供らしく無邪気な顔をしていました。期待に満ちた青い目を向けてきたのです。ノエルには内緒で、こっそりご褒美をもらえるのではないか……そういう期待でしょうか。子供って特別扱いされたがりますよね。にこにこするローランを見て、わたくしは心配し過ぎだったと後悔しました――ごめんなさいね。プレゼントはパーティーのあとよ。
厳めしい肖像画や古臭い絵画に囲まれた大人の部屋です。
この談話室は彼が最初に来た日、ケガの手当てをするために入りました。養子にならないかと持ちかけた時も、この部屋でしたね。
以前はビロードのソファーに腰掛けると、ローランの小さな身体は沈み込んでしまいましたが、今はしっかり支えられています。この一年で、心も体もだいぶ成長しました。ときおり、甘えてくるようになったのは赤ちゃん返り?ですかね? わたくしに対してだけなんですけど、心を開いてくれた証ですし、良い変化と捉えています。
わたくしは両手で眼鏡のつるを押さえました。
「エドガーのことを気に病む必要はないわ。あなたが精いっぱい戦ったことで、良いはなむけになったと思う」
話を切り出したことで、ローランの顔つきが変わりました。子供らしい顔が大人のように鋭くなります。
「僕はロテュス卿はまちがっていると思います。エドガーはチェスをやめるべきじゃない」
「わたくしもそう思うわ」
「あの対局は五分五分でした。僕が黒番だったら、確実に負けていたでしょう。それにエドガーは試合中、ものすごいプレッシャーと戦っていたんです。そんな精神状態では、彼のほうが圧倒的に不利でした。僕が勝ったのは強運に恵まれていたからです」
そうね、そのとおりかもしれないわね。
でも、わたくしは序盤でほぼ勝敗が決まっていたと思うわ。あなたの歩兵の猛攻はすさまじかった。あの形勢から逆転するのは不可能よ。たしかに、エドガーには大きな負荷がかけられていたけど、対局中少しもミスをしなかったのよ。最善手を指していても彼が勝てなかったのは、あなたの実力の成せる技でしょう?
ローランが驕らなくなったのは良いことです。もう少し、自分の実力を信じてもいいと思うんですがね。
わたくしはエドガーが名門校の寄宿舎に入る話をしました。これはロテュス伯爵から聞いたことです。
「結果としては残念だったけど、本人も納得のうえ、決めたことです。エドガーには新しい未来が待っているわ」
「義理の親が勝手に決めたことです。僕は納得できない」
「表舞台に立たなくても、チェスを続けることはできるわ。勉強しながらでも、好きなことをやればいいの。そしていつか、戻ってくることも、あるかもしれないじゃない?」
我ながら、甘いです。希望を持たせても、それが実現する保証はどこにもないのですから。けれど、わたくしはローランに前を向いてほしかったのです。大人の汚いところばかり見てきたこの子には、明るい未来を夢見てほしい。冷え切った目を将来に向けるのではなく、今みたいにキラキラした目を向けてほしかったのですよ。
「エドガーは大切なベレー帽をくれました。これをかぶって、僕は対局するつもりです。エドガーの志を引き継いで、チェスを続けます」
「いいわね、その心意気よ。また、二人で対局する日まで、腕を磨きましょう」
わたくしはローランの金髪をなでなでしてあげました。今朝、きれいに編み込んであげましたから、崩れないようにね。赤い顔を綻ばせるのは、ゴーサインです。わたくしは欲望のおもむくままに、ローランを抱きしめました。だって、かわいいんですもの。
レオンは男の子にべたべたするのは、よくないと言ってきますが、理解できないのですよね。母親が子供に愛情を注いで悪いことなんか、一つもないでしょう?
旦那さまは子供たちに嫉妬することがあるので、それだと思っています。男の人って、いつまでたっても幼いところがありますわよね。
さあ、ローランの気持ちも回復しましたし、パーティーを楽しむ準備が整いました。
まもなく、わたくしの両親も到着するんじゃないかしら? 談話室は屋敷の奥まったところにあり、外の音が聞こえなかったりします。
お母さまってば、ローランが大のお気に入りなものですから、きっと山ほどプレゼントを用意していますよ。ノエルや双子たちのことも、忘れないでほしいものです。 先日、服の寸法を測られたとローランが言っておりましたので、嫌な予感もします。
わたくしはローランを連れて、足早に大広間へ向かいました。
予感的中! 到着したお母さまは使用人にプレゼントを運ばせているところでした――これは、積み重ね過ぎですよ? お誕生日の楽しみが薄れてしまいますし、わたくしたちのプレゼントが引き立て役になってしまうでしょう? ローランも困惑しておりますよ。
そのお母さまの影に隠れるようにたたずむお父さま、いつものことながら止めたらどうなのです?……ああっと、忘れていました。お父さまも主役の一人なのですよね。準決勝まで進んだのは大快挙です。長時間に及んだローランとの対局は互角でしたよ。あとで、またローランと対戦してあげてくださいな。いい練習相手になります。
お母さまは待ちきれず、食事前にプレゼントを開けさせました。その中身はというと……ボードゲームや汽車の模型、飛び出し絵本はまだ良しとしましょう。大きなクマのぬいぐるみは何なのです? ローランは女の子ではないのですよ?
それに、華美な衣装が次々と飛び出します。何を着ても似合うでしょうけど、いまいち本人の趣味ではないと思うのですよね。かさ張るものより、使えるもののほうがマシとはいっても……。ローランも微妙な顔をしています。
とりあえず、クマのぬいぐるみに関しては、ちがうでしょとクレームをつけ、マイアとエレクトラにあげました。洋服は実家へ遊びに行くとき、着させることにします。
お母さまの度を越したプレゼントのおかげで、場が和んだことには感謝しましょう。明るい雰囲気で晩餐会はスタートしました。
食事中、エドガーのことが話題にのぼり、ヒヤッとしました。もう、ローランは暗い顔をしませんでしたよ。話したことが功を奏したようでホッとしました。また、お友達とチェスができると思えば、楽しみが増えます。そのうち、エドガーも我が家に招こうと思いました。
みんな、よく食べ、よくしゃべりました。食後、大人と子供に分かれてしまっても、わたくしたちにはチェスがあります。
レオンたら、ついにローランと対戦しましたわね。ローランが初めてチェスに触れた日、負かした以来です。
ローランは容赦なく十三手でチェックメイトしていました。あなた、がんばって!……と言いたいところですが、ローランにも多少手加減を覚えてもらいたいです。おじさまは案外、子供より子供っぽい生き物なのですよ。機嫌を損ねないよう、もうちょっとだけ察してあげましょうね。
チェスのあとはお待ちかねのデザート。甘い物大好きっ子は三段ケーキに大喜びしました! 食べるのが、もったいないぐらいですもの。ローランはノエルと一緒にケーキを上から眺めたり、下からのぞき込んでは、ため息をついていました。食べるまえに絵を描いたら?……という提案は退けられましたが。
食べ始めたら、ペロリでしたよ。
最後にわたくしとレオンから、ローランにプレゼントを渡しました。
新しいチェスボードです。アカシヤと楓の木で作られた折り畳み式のもの。職人の技が光る一品です。持ち運びできるチェスボードはずっと、わたくしのを貸しておりました。これからは気兼ねなく、自分のものを使ってもらいましょう。
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