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24、もうチェスはやりません
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駒をまったく取らずにチェックメイトする。変な縛りをつけやがった。おもしろいじゃないか。
ベレー帽の少年は不敵な笑みを浮かべる。僕も笑みで返してやった。視線がぶつかったところでは、バチバチ火花が散ってるけどね。
「オレはさ、歩兵が好きなんだよ」
こんなことを言ってきた。
は? ポーン? 平民だから、自分と同じショボい駒が好きなの? 僕は鼻で笑ってやった。
「おいおい、馬鹿にするなよ? ポーンは他の駒よりできることが多い」
「前進しかできない使い捨てだよ」
「犠牲するのは他の駒だって同じさ。ポーンは、なんにだって昇格することができる」
「クイーンになるんだろ? それは結局、クイーンが好きってことさ」
「いーや、絶対にクイーンとは限らない」
「ほぼ十割クイーンだろ?」
「“ほぼ”だ。ポーンには無限大の可能性がある。それに、ほら……」
少年はポーンを進ませる。僕はアンパッサン(横に並んだ初手のポーンを取る)できるけど、必要ないから取らない。奴が駒を取らないと言うなら、僕もそうするさ。
「ポーンが邪魔して、駒を動かせない場面はよくある。他の駒を牽制する役割もある」
「数で防御力を高めてるだけさ。働き蟻と同じ」
「蟻かなぁ? 蜂かもしんねぇぜ?」
話している間にクイーンを動かしてきた。抜け目ない。
「ああ、取りたかったら取ってもいいよ? オレは取らねぇけどな?」
涼しい顔で言う。ハンデを付けてくれとは、誰も言ってないんだが。そんなに僕を弱者だと決めつけたいのか? たかだか、路地裏の酒場で酔っ払い相手にチェスを打つクソガキが? 僕はチェス大会を主催する貴族のサロンにも出入りしている。そこの大人たちに絶賛されたこともあるんだ。大会成績7位のルイーザにも勝ったしね。
ああ、ムカつくなぁ。余裕かましている奴の鼻柱を折ってやるほど、爽快なことはないだろう。生意気だと僕もよく言われるけど、こいつは僕以上だよ。
子供のくせに大人びた口調で、おちょくってくるのが不快だ。自分は賢い、特別だと驕っていやがる。野良犬は野良犬らしく、おびえた目をしていればいいものを……
いかん、いかん。つい、イライラしてしまった。奴は長期戦を狙っているのか。駒を取らないという変な縛りのせいで、攻めあぐねているようだ。というか、守りがなかなか崩れないから、こっちも攻めづらい。
長丁場になった場合、精神力の強さが物を言う。奴は心理戦に持ち込むつもりなのかもしれない。
そもそも、自分に勝手な縛りをつけたのは、このふざけたベレー帽で僕がそうしなければいけない道理はないんだ。有力な駒が取れるのなら取ってもいい。もっと、気楽に構えよう――
だが、僕は取れなかった。
途中からわかった。僕は操り人形みたいに、奴の思惑に沿って動いているだけだったんだ。奴の手の上で駆け回っていたに過ぎない。
――チェック
クイーンが陣地に入り込んできた。おい、ポーンが好きなんだろ? 僕の大好きな駒を使うなよ? 貴人に突撃させるとは、どういうことだ?
「投了しろ!」
野次馬がどなる。だまれ。命令する気か? この僕に?
僕は逃げ場を失った。下がった先では、黒陣地の端にいる僧正が優秀なスナイパーのごとく待ち構えている。
終わりだ。
「口ほどにもなかったな。ガキはガキか」
ベレー帽は負けた僕をせせら笑った。僕は拳を握り締め、涙が流れないようにこらえる。
だって、おかしいだろ? 日常的に苦痛を与えられ続けていた僕が、こんな戯れに涙を流すなんてことはさ。
初めてチェスをした時もこんなふうに泣いたっけ。僕はとんでもなく負けず嫌いだ。投了の意思表明として袖のカフスを引きちぎり、奴に投げつけた。
「こらこら、貴族様は対局後のマナーも知らねぇのか? お母様に叱られっぞ?」
ヘラヘラしているベレー帽にゲンコツが投下された。おかみさんだ。
「なーに、カッコつけてんだよ? 終わったら、とっととお使い行きな!」
渡された籠を持って、ペロリ舌を出す。いたずらっぽく笑う灰色の目は、馬車にいたアライグマに似ていた。
「オレの名はエドガー、エドガー・バルテルミー。覚えときなよ」
みなし子が偉そうに何を言ってやがると、周りの大人たちは嘲った。僕は取るに足らない路傍の石、歩兵に負けたんだ。
みなし子? 僕も似たようなものさ。でも、こいつほど強くない。
完敗した僕はテーブルに伏せって、泣き顔を見られないようにした。
出て行ったエドガーと入れ替わりで、ルイーザが入ってきたのにも気づかなかったんだ。
「ローラン?」
甘い声に反応して顔を上げると、聖女がいた。黒曜石の瞳を潤ませるのは僕の愛おしいひと。顔を合わせるなり、ギュッと抱きしめられる。
あの時と一緒だ。
談話室に呼び出されて、プルーニャ家に帰るか否か、意思確認されたとき。
「帰りたくない」という僕をルイーザは抱きしめてくれた。
彼女の清らかな匂いが鼻腔をいっぱいに満たし、幸せな気分だった。一瞬、彼女を手に入れられたと思ったよ。けど、すぐに気づいたんだ。これは憐れみだと。自尊心の高い僕は、
「憐れみは不要です」
と拒絶した。自ら進んで幸福を逃したんだ。
養子にしたいと言われて断ったのは当然だよ。僕は母親になってほしいわけじゃない。
あの時と同じように抱きしめられて、緊張の糸が切れた。欲望のまま、彼女の柔らかい胸に顔を埋めていたい。自分のものにならなくとも、子供でいる間は無防備な彼女を味わうことができる。
ずるいかもしれないけど、子供の権利を最大限に行使してやろうと考えが変わったんだ。
んで、チェスに関しては完全に熱が冷めてしまった。
あなたは強い、できる!……と、おだてられて、その気になっていただけで、本当に好きなのか聞かれると自信がなかった。
完膚なきまでに打ちのめされ、つらい思いをしてまで続けることに疑問も持った。
もともと、ルイーザの気を引きたいがために始めたことだったし、努力するのが馬鹿らしくなったんだ。
愛されるには、チェスが必須でもないよ。別に他の方法で気を引くことだってできる。さっき言った子供の権利を行使するのだってそう。
一晩、彼女と一緒に過ごしてわかったことがある。
素直ないい子を装っていれば、かなりの要求が通るんだよ。ノエルみたいに遠慮なく抱きついて、胸の感触を楽しむことだってできるし、彼女の食べたり飲んだりした物をいただくこともできる。キスだってしてもらえるんだ。
触り放題、甘え放題だからね。子供って最高!
見た目が女の子みたいだと、気にしていたのが馬鹿らしくなってくる。僕は、今だけしか使えない特権を最大限に利用させてもらうことにした。
ひょっとしたら、一緒にお風呂だって入れるかもしれない。
これはまだ怖くて言い出せないんだが、試してみる価値はあると思っている。年齢が上がるほど難易度は高くなるから、誕生日を迎えるまでに挑戦できたらいいな。
……と、こんな具合に僕は目先の欲望を追うことに集中し、チェスの存在を忘れようとしていた。
ベレー帽の少年は不敵な笑みを浮かべる。僕も笑みで返してやった。視線がぶつかったところでは、バチバチ火花が散ってるけどね。
「オレはさ、歩兵が好きなんだよ」
こんなことを言ってきた。
は? ポーン? 平民だから、自分と同じショボい駒が好きなの? 僕は鼻で笑ってやった。
「おいおい、馬鹿にするなよ? ポーンは他の駒よりできることが多い」
「前進しかできない使い捨てだよ」
「犠牲するのは他の駒だって同じさ。ポーンは、なんにだって昇格することができる」
「クイーンになるんだろ? それは結局、クイーンが好きってことさ」
「いーや、絶対にクイーンとは限らない」
「ほぼ十割クイーンだろ?」
「“ほぼ”だ。ポーンには無限大の可能性がある。それに、ほら……」
少年はポーンを進ませる。僕はアンパッサン(横に並んだ初手のポーンを取る)できるけど、必要ないから取らない。奴が駒を取らないと言うなら、僕もそうするさ。
「ポーンが邪魔して、駒を動かせない場面はよくある。他の駒を牽制する役割もある」
「数で防御力を高めてるだけさ。働き蟻と同じ」
「蟻かなぁ? 蜂かもしんねぇぜ?」
話している間にクイーンを動かしてきた。抜け目ない。
「ああ、取りたかったら取ってもいいよ? オレは取らねぇけどな?」
涼しい顔で言う。ハンデを付けてくれとは、誰も言ってないんだが。そんなに僕を弱者だと決めつけたいのか? たかだか、路地裏の酒場で酔っ払い相手にチェスを打つクソガキが? 僕はチェス大会を主催する貴族のサロンにも出入りしている。そこの大人たちに絶賛されたこともあるんだ。大会成績7位のルイーザにも勝ったしね。
ああ、ムカつくなぁ。余裕かましている奴の鼻柱を折ってやるほど、爽快なことはないだろう。生意気だと僕もよく言われるけど、こいつは僕以上だよ。
子供のくせに大人びた口調で、おちょくってくるのが不快だ。自分は賢い、特別だと驕っていやがる。野良犬は野良犬らしく、おびえた目をしていればいいものを……
いかん、いかん。つい、イライラしてしまった。奴は長期戦を狙っているのか。駒を取らないという変な縛りのせいで、攻めあぐねているようだ。というか、守りがなかなか崩れないから、こっちも攻めづらい。
長丁場になった場合、精神力の強さが物を言う。奴は心理戦に持ち込むつもりなのかもしれない。
そもそも、自分に勝手な縛りをつけたのは、このふざけたベレー帽で僕がそうしなければいけない道理はないんだ。有力な駒が取れるのなら取ってもいい。もっと、気楽に構えよう――
だが、僕は取れなかった。
途中からわかった。僕は操り人形みたいに、奴の思惑に沿って動いているだけだったんだ。奴の手の上で駆け回っていたに過ぎない。
――チェック
クイーンが陣地に入り込んできた。おい、ポーンが好きなんだろ? 僕の大好きな駒を使うなよ? 貴人に突撃させるとは、どういうことだ?
「投了しろ!」
野次馬がどなる。だまれ。命令する気か? この僕に?
僕は逃げ場を失った。下がった先では、黒陣地の端にいる僧正が優秀なスナイパーのごとく待ち構えている。
終わりだ。
「口ほどにもなかったな。ガキはガキか」
ベレー帽は負けた僕をせせら笑った。僕は拳を握り締め、涙が流れないようにこらえる。
だって、おかしいだろ? 日常的に苦痛を与えられ続けていた僕が、こんな戯れに涙を流すなんてことはさ。
初めてチェスをした時もこんなふうに泣いたっけ。僕はとんでもなく負けず嫌いだ。投了の意思表明として袖のカフスを引きちぎり、奴に投げつけた。
「こらこら、貴族様は対局後のマナーも知らねぇのか? お母様に叱られっぞ?」
ヘラヘラしているベレー帽にゲンコツが投下された。おかみさんだ。
「なーに、カッコつけてんだよ? 終わったら、とっととお使い行きな!」
渡された籠を持って、ペロリ舌を出す。いたずらっぽく笑う灰色の目は、馬車にいたアライグマに似ていた。
「オレの名はエドガー、エドガー・バルテルミー。覚えときなよ」
みなし子が偉そうに何を言ってやがると、周りの大人たちは嘲った。僕は取るに足らない路傍の石、歩兵に負けたんだ。
みなし子? 僕も似たようなものさ。でも、こいつほど強くない。
完敗した僕はテーブルに伏せって、泣き顔を見られないようにした。
出て行ったエドガーと入れ替わりで、ルイーザが入ってきたのにも気づかなかったんだ。
「ローラン?」
甘い声に反応して顔を上げると、聖女がいた。黒曜石の瞳を潤ませるのは僕の愛おしいひと。顔を合わせるなり、ギュッと抱きしめられる。
あの時と一緒だ。
談話室に呼び出されて、プルーニャ家に帰るか否か、意思確認されたとき。
「帰りたくない」という僕をルイーザは抱きしめてくれた。
彼女の清らかな匂いが鼻腔をいっぱいに満たし、幸せな気分だった。一瞬、彼女を手に入れられたと思ったよ。けど、すぐに気づいたんだ。これは憐れみだと。自尊心の高い僕は、
「憐れみは不要です」
と拒絶した。自ら進んで幸福を逃したんだ。
養子にしたいと言われて断ったのは当然だよ。僕は母親になってほしいわけじゃない。
あの時と同じように抱きしめられて、緊張の糸が切れた。欲望のまま、彼女の柔らかい胸に顔を埋めていたい。自分のものにならなくとも、子供でいる間は無防備な彼女を味わうことができる。
ずるいかもしれないけど、子供の権利を最大限に行使してやろうと考えが変わったんだ。
んで、チェスに関しては完全に熱が冷めてしまった。
あなたは強い、できる!……と、おだてられて、その気になっていただけで、本当に好きなのか聞かれると自信がなかった。
完膚なきまでに打ちのめされ、つらい思いをしてまで続けることに疑問も持った。
もともと、ルイーザの気を引きたいがために始めたことだったし、努力するのが馬鹿らしくなったんだ。
愛されるには、チェスが必須でもないよ。別に他の方法で気を引くことだってできる。さっき言った子供の権利を行使するのだってそう。
一晩、彼女と一緒に過ごしてわかったことがある。
素直ないい子を装っていれば、かなりの要求が通るんだよ。ノエルみたいに遠慮なく抱きついて、胸の感触を楽しむことだってできるし、彼女の食べたり飲んだりした物をいただくこともできる。キスだってしてもらえるんだ。
触り放題、甘え放題だからね。子供って最高!
見た目が女の子みたいだと、気にしていたのが馬鹿らしくなってくる。僕は、今だけしか使えない特権を最大限に利用させてもらうことにした。
ひょっとしたら、一緒にお風呂だって入れるかもしれない。
これはまだ怖くて言い出せないんだが、試してみる価値はあると思っている。年齢が上がるほど難易度は高くなるから、誕生日を迎えるまでに挑戦できたらいいな。
……と、こんな具合に僕は目先の欲望を追うことに集中し、チェスの存在を忘れようとしていた。
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