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1、始まり①
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婚約者のアルマンから、突然の呼び出しがありました。面倒ですわね、と思いつつ、わたくしイヤイヤ赴きましたの。そうしたら、
「君との婚約は解消させてもらおう」
ですって……。魅力に欠けるキンキンした声が、ガランとした大広間に響き渡りました。わたくし、呆然とアルマンの艶々した黒髪を眺めるしかありませんでしたわ。
黒髪は丁寧に編み込まれ、長い一本のお下げとなって腰まで垂れています。その腰に腕を回しているのは、金髪のマルグリット……とおっしゃったかしら?……えと……どこかの……たしか男爵令嬢だったかしら?? ごめんあそばせ。領地を持たないお家のことまでは、さすがに存じ上げないのです。
そばにはアルマンの父、ピヴォワン侯爵もいらっしゃいます。侯爵はグレーの口ひげをワナワナ震わせておりました。アルマンは侯爵をチラ見し、話を続けます。
「わかっているんだからな! 君の実家が借金まみれってことは。君の父親は金目当てで婚約の話を進めたのだろう!」
「あのぅ……じつは……」
「ふん! 言い訳など不要だ! もともと、僕はこの婚約に乗り気じゃなかったんだ! 君みたいな地味メガネは僕には不釣り合いさ。自分にふさわしい結婚相手を探してもらうんだな!」
地味メガネ……なんだか幼稚な罵倒の仕方ですわね。もっと言いようがあるでしょうに……。アルマンは文学に親しんだこともないのかしら? わたくしが、がっかりしておりますと、調子に乗ってしゃべり続けようとします。
「父上、ここにいるマルグリットは家格こそ低いかもしれませんが、美しく、聡明で気立ても良いです。何より僕と愛し合っている。どうか、彼女との結婚を認めて……」
アルマンは最後まで言うことができませんでした。なぜなら、ピヴォワン侯爵がアルマンを殴り飛ばしたからです。
侯爵の鍛え抜かれた上腕筋はアルマンを三メートルほど吹き飛ばし、石の柱に衝突させ、流血させました。「キャアアアア」と、マルグリットが品のない悲鳴をあげます。けれど、アルマンをかばおうとはせず、デコルテの開きすぎたドレスの裾をつまみ、今にも逃げださんとしていました。
侯爵はそんなマルグリットを尻目にアルマンに迫ります。
「お待ちください!!」
止めたのは、わたくしでした。侯爵の立派な肉体と貧弱なアルマンでは、天と地ほどの差があります。頭に血が上った状態で殴り続けては、アルマンを死なせてしまうと思いました。
「おとうさま、おやめください。わたくしは構わないのです。アルマンの望みどおりに致しますので、どうぞ二人の結婚をお認めくださいませ」
この言葉に聞き耳を立てたのは、逃げようとしていたマルグリット。真っ赤な唇の端を、いやらしく歪ませました。
「あら? まだ結婚もしていないのに、“おとうさま”呼ばわり? 貧乏令嬢は高慢ね? 金目当てで侯爵家に近づくさもしい身の上のくせに、物わかりよくて薄幸な婚約者像を演出してんじゃないわよ!」
わたくし、ハッとしてマルグリットの派手な造りの顔を見つめました。アルマンより、語彙力があるかもしれません。言葉遣いは下品なのですが、地味メガネよりはセンスがありました。
それはそうと、おとうさまはマルグリットの無礼な物言いにカチンとこられたようです。氷のような視線をマルグリットに向けました。戦場で何人もの敵兵を亡き者にしてきたおとうさまです。その一瞥は氷刃より鋭かったのでしょう。マルグリットは真っ青になり、縮み上がりました。
でも、おとうさまは一瞥しただけでした。この国にいるどんな貴族よりもジェントルなおとうさまが、女性に対して暴力を振るうことは決してありません。
ここで暴力と申すのは、肉体、言葉、両方を含みます。恐れをなしたマルグリットが失禁しても、おとうさまは知らんぷりをされていました。さして、興味も持たれていないのでしょう。戦地で英雄と称えられたおとうさまにしてみれば、蚊がブンブン飛び回っている程度の認識なのでしょうね。
おとうさまのお怒りはふたたび、息子へと向かいました。
「アルマンよ。おまえが成長するまでの間、私は戦地におり、教育してやれなかったことを心苦しく思う。どうしてそんなにも想像力乏しく、軽薄で情けない人間に育ってしまったのか……女性を平気で傷つけ、裏切るような真似をする卑劣な男になってしまったのか。私は悲しい」
「ちっ……父上っ!! お聞きくださ……」
「ルイーザの実家、ジェラーニオ伯爵家の借金はもう返済されている」
「は!?」
「ルイーザが自身の力で返済したのだ」
驚くアルマンから目をそらし、麗しのおとうさま……ピヴォワン卿はわたくしを慈愛のこもったグリーンアイで見つめます。わたくし、体中がほてって、のぼせたようになってしまいました。ああ、おとうさま……すべて、おとうさまのおかげです……
一年前――
ピヴォワン侯爵の一人息子、アルマンとの婚約が決まり、わたくしの両親は諸手を上げて大はしゃぎしておりました。と申しますのも、ピヴォワン侯爵は王国の北の三分の一を有するほどの大領主で非常に裕福だったからです。また、侯爵は先の戦争で名を馳せた英雄でもありました。
そんな名家との話が決まって、鉱山経営に失敗してしまった両親は天にも昇る心地だったでしょう。両親だけではありません。兄も妹も喜んでおりました。
この良縁が決まったのには訳があります。
一つは事業に失敗してしまったとはいえ、我が家は紛れもない大貴族。広大な領地を所有しておりますし、親戚には廷臣が何人もおり、王室との関わりもございます。しばらくの間、失態を覆い隠すぐらいのことは可能でした。
当初の両親の計画では領土をいくらか手放し、兄の結婚相手の持参金とピヴォワン家の財力を手に入れれば、借金はなんとかなると考えていたようです。
二つ目は、母マリアンヌの人脈でしょうか。
母は社交界ではかなり有名な才女で、頻繁にサロンも開いていました。母主催のサロンに招かれることは、貴族社会では一つのステータスとなっていたようですね。
そのような経緯でわたくしはシックな藍色のドレスに身を包み、ピヴォワン侯爵邸を訪ねたという次第なのです。
わたくし自身は、あまり乗り気ではございませんでした。母のように学問を究めたいという気持ちもございましたし、十五歳。デビュタントもまだなのです。結婚前に、もっと世の中のことを知りたいという欲もございました。
最初から鬱々としていたものですから、邸宅の玄関ホールにアルマンが現れた時は、輪をかけてガッカリしました。
だって、艶々した黒髪は美しいと思いましたが、ヒョロヒョロした体に女顔、ヒゲも生えていないんですもの。でも、人のことは申せませんわね。眼鏡をずり上げ、暗い色のドレスをまとったわたくしはアルマンの目には地味と映ったようです。明らかに落胆した顔をしていました。
一方で、玄関ホールに出迎えたアルマンを見て母は、
「まあ! きれいな方!! ルイーザ、緊張しちゃうわね!!」
そう言って小躍りします。わたくしにそっくりな見た目の母は才女なのですが、イケメン大好き……世俗的なところもある人なのです。若作りの父は苦虫を噛み潰したような顔をしていました。
アルマンに案内され、わたくしはトボトボと大広間に足を踏み入れました。パーティなどが行われる大広間には大きなシャンデリアが何個もぶら下がり、連なる柱の間には金に縁どられた格子窓がはめ込まれています。貴族の邸宅らしいきらびやかな佇まいでした。
ですが、王城にお呼ばれしたこともございますし、わたくしたち家族にとっては、王都にある我が家よりちょっと贅沢だなと思う程度です。
金目当てで結婚する――卑しい立場のわたくしにとっては、スタンダードな美男子も豪勢な大広間も、下手な画家が描いた絵画と同様でした。無味乾燥でつまらない。
そんなわたくしが、まさか我を忘れるほど、心奪われることになろうとは……
目の前に現れた彼を見たとたん、わたくしの時間は止まりました。
眼鏡をずり上げるのも、呼吸も忘れ、彼に見入りました。
短い髪は均一にグレーで、同色の口ひげは先がクルンと丸まっています。見上げるほどの長身にジュストコール、ジレの上からでもわかる隆々とした筋肉。物憂げなグリーンアイに捉えられ、心臓がキュンと収縮しました。微笑むと目尻と口元に知的な皺が寄ります。
――なんて素敵な方なのかしら……
わたくしが心奪われたのは婚約者の父親、ピヴォワン卿でした。
「君との婚約は解消させてもらおう」
ですって……。魅力に欠けるキンキンした声が、ガランとした大広間に響き渡りました。わたくし、呆然とアルマンの艶々した黒髪を眺めるしかありませんでしたわ。
黒髪は丁寧に編み込まれ、長い一本のお下げとなって腰まで垂れています。その腰に腕を回しているのは、金髪のマルグリット……とおっしゃったかしら?……えと……どこかの……たしか男爵令嬢だったかしら?? ごめんあそばせ。領地を持たないお家のことまでは、さすがに存じ上げないのです。
そばにはアルマンの父、ピヴォワン侯爵もいらっしゃいます。侯爵はグレーの口ひげをワナワナ震わせておりました。アルマンは侯爵をチラ見し、話を続けます。
「わかっているんだからな! 君の実家が借金まみれってことは。君の父親は金目当てで婚約の話を進めたのだろう!」
「あのぅ……じつは……」
「ふん! 言い訳など不要だ! もともと、僕はこの婚約に乗り気じゃなかったんだ! 君みたいな地味メガネは僕には不釣り合いさ。自分にふさわしい結婚相手を探してもらうんだな!」
地味メガネ……なんだか幼稚な罵倒の仕方ですわね。もっと言いようがあるでしょうに……。アルマンは文学に親しんだこともないのかしら? わたくしが、がっかりしておりますと、調子に乗ってしゃべり続けようとします。
「父上、ここにいるマルグリットは家格こそ低いかもしれませんが、美しく、聡明で気立ても良いです。何より僕と愛し合っている。どうか、彼女との結婚を認めて……」
アルマンは最後まで言うことができませんでした。なぜなら、ピヴォワン侯爵がアルマンを殴り飛ばしたからです。
侯爵の鍛え抜かれた上腕筋はアルマンを三メートルほど吹き飛ばし、石の柱に衝突させ、流血させました。「キャアアアア」と、マルグリットが品のない悲鳴をあげます。けれど、アルマンをかばおうとはせず、デコルテの開きすぎたドレスの裾をつまみ、今にも逃げださんとしていました。
侯爵はそんなマルグリットを尻目にアルマンに迫ります。
「お待ちください!!」
止めたのは、わたくしでした。侯爵の立派な肉体と貧弱なアルマンでは、天と地ほどの差があります。頭に血が上った状態で殴り続けては、アルマンを死なせてしまうと思いました。
「おとうさま、おやめください。わたくしは構わないのです。アルマンの望みどおりに致しますので、どうぞ二人の結婚をお認めくださいませ」
この言葉に聞き耳を立てたのは、逃げようとしていたマルグリット。真っ赤な唇の端を、いやらしく歪ませました。
「あら? まだ結婚もしていないのに、“おとうさま”呼ばわり? 貧乏令嬢は高慢ね? 金目当てで侯爵家に近づくさもしい身の上のくせに、物わかりよくて薄幸な婚約者像を演出してんじゃないわよ!」
わたくし、ハッとしてマルグリットの派手な造りの顔を見つめました。アルマンより、語彙力があるかもしれません。言葉遣いは下品なのですが、地味メガネよりはセンスがありました。
それはそうと、おとうさまはマルグリットの無礼な物言いにカチンとこられたようです。氷のような視線をマルグリットに向けました。戦場で何人もの敵兵を亡き者にしてきたおとうさまです。その一瞥は氷刃より鋭かったのでしょう。マルグリットは真っ青になり、縮み上がりました。
でも、おとうさまは一瞥しただけでした。この国にいるどんな貴族よりもジェントルなおとうさまが、女性に対して暴力を振るうことは決してありません。
ここで暴力と申すのは、肉体、言葉、両方を含みます。恐れをなしたマルグリットが失禁しても、おとうさまは知らんぷりをされていました。さして、興味も持たれていないのでしょう。戦地で英雄と称えられたおとうさまにしてみれば、蚊がブンブン飛び回っている程度の認識なのでしょうね。
おとうさまのお怒りはふたたび、息子へと向かいました。
「アルマンよ。おまえが成長するまでの間、私は戦地におり、教育してやれなかったことを心苦しく思う。どうしてそんなにも想像力乏しく、軽薄で情けない人間に育ってしまったのか……女性を平気で傷つけ、裏切るような真似をする卑劣な男になってしまったのか。私は悲しい」
「ちっ……父上っ!! お聞きくださ……」
「ルイーザの実家、ジェラーニオ伯爵家の借金はもう返済されている」
「は!?」
「ルイーザが自身の力で返済したのだ」
驚くアルマンから目をそらし、麗しのおとうさま……ピヴォワン卿はわたくしを慈愛のこもったグリーンアイで見つめます。わたくし、体中がほてって、のぼせたようになってしまいました。ああ、おとうさま……すべて、おとうさまのおかげです……
一年前――
ピヴォワン侯爵の一人息子、アルマンとの婚約が決まり、わたくしの両親は諸手を上げて大はしゃぎしておりました。と申しますのも、ピヴォワン侯爵は王国の北の三分の一を有するほどの大領主で非常に裕福だったからです。また、侯爵は先の戦争で名を馳せた英雄でもありました。
そんな名家との話が決まって、鉱山経営に失敗してしまった両親は天にも昇る心地だったでしょう。両親だけではありません。兄も妹も喜んでおりました。
この良縁が決まったのには訳があります。
一つは事業に失敗してしまったとはいえ、我が家は紛れもない大貴族。広大な領地を所有しておりますし、親戚には廷臣が何人もおり、王室との関わりもございます。しばらくの間、失態を覆い隠すぐらいのことは可能でした。
当初の両親の計画では領土をいくらか手放し、兄の結婚相手の持参金とピヴォワン家の財力を手に入れれば、借金はなんとかなると考えていたようです。
二つ目は、母マリアンヌの人脈でしょうか。
母は社交界ではかなり有名な才女で、頻繁にサロンも開いていました。母主催のサロンに招かれることは、貴族社会では一つのステータスとなっていたようですね。
そのような経緯でわたくしはシックな藍色のドレスに身を包み、ピヴォワン侯爵邸を訪ねたという次第なのです。
わたくし自身は、あまり乗り気ではございませんでした。母のように学問を究めたいという気持ちもございましたし、十五歳。デビュタントもまだなのです。結婚前に、もっと世の中のことを知りたいという欲もございました。
最初から鬱々としていたものですから、邸宅の玄関ホールにアルマンが現れた時は、輪をかけてガッカリしました。
だって、艶々した黒髪は美しいと思いましたが、ヒョロヒョロした体に女顔、ヒゲも生えていないんですもの。でも、人のことは申せませんわね。眼鏡をずり上げ、暗い色のドレスをまとったわたくしはアルマンの目には地味と映ったようです。明らかに落胆した顔をしていました。
一方で、玄関ホールに出迎えたアルマンを見て母は、
「まあ! きれいな方!! ルイーザ、緊張しちゃうわね!!」
そう言って小躍りします。わたくしにそっくりな見た目の母は才女なのですが、イケメン大好き……世俗的なところもある人なのです。若作りの父は苦虫を噛み潰したような顔をしていました。
アルマンに案内され、わたくしはトボトボと大広間に足を踏み入れました。パーティなどが行われる大広間には大きなシャンデリアが何個もぶら下がり、連なる柱の間には金に縁どられた格子窓がはめ込まれています。貴族の邸宅らしいきらびやかな佇まいでした。
ですが、王城にお呼ばれしたこともございますし、わたくしたち家族にとっては、王都にある我が家よりちょっと贅沢だなと思う程度です。
金目当てで結婚する――卑しい立場のわたくしにとっては、スタンダードな美男子も豪勢な大広間も、下手な画家が描いた絵画と同様でした。無味乾燥でつまらない。
そんなわたくしが、まさか我を忘れるほど、心奪われることになろうとは……
目の前に現れた彼を見たとたん、わたくしの時間は止まりました。
眼鏡をずり上げるのも、呼吸も忘れ、彼に見入りました。
短い髪は均一にグレーで、同色の口ひげは先がクルンと丸まっています。見上げるほどの長身にジュストコール、ジレの上からでもわかる隆々とした筋肉。物憂げなグリーンアイに捉えられ、心臓がキュンと収縮しました。微笑むと目尻と口元に知的な皺が寄ります。
――なんて素敵な方なのかしら……
わたくしが心奪われたのは婚約者の父親、ピヴォワン卿でした。
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