王子様と乳しぼり!!婚約破棄された転生姫君は隣国の王太子と酪農業を興して国の再建に努めます

黄札

文字の大きさ
上 下
23 / 66

23話 牛さんとオカリナ

しおりを挟む
 温かいシチューのあとは、しばしの別れが待っている。リヒャルトが先に帰城したあと、ソフィアは放牧にチャレンジした。

 牛さんたちには区画内を順番に回って、牧草を食べていってほしい。牧草が剥げたところから輪作※したいと考えていたのだが──(※別の種類の作物を植えることで、畑の栄養を均一にする)

「モォォォォォーーーー」
「ちょっと牛さん、そっちじゃないわ。こっちに移動して! こっちよ、こっち!!」

 思い通りに動いてくれない。好き勝手に移動してしまう。これでは育成中の牧草地まで踏み荒らされる。懸命に追い立てて、牛舎へ戻すのが関の山だった。手伝ってくれたノアも呆れ顔だ。

「ハァハァ……羊飼いや牛飼いの気持ちがわかったわ……」
「んだべ。放牧は逆に手間がかかるっすよ。だから、うちらは牛舎から出さねーの」
「くっ……柵を設置するしかないわね」
「柵はいいかもしんねぇなぁ? 鹿さんや猪さんにも、草ぁ食い荒らされっからな。でも、牛さんの力は思ってるより強ぇだ。やわい柵は簡単に壊されちまう」

 前世で見学した牧場では電気柵を使っていた。この世界には発電機も発電所もないから、頑丈な柵を区画ごとに設置せねばならぬだろう。手間がかかる。初っぱなから、ソフィアは頭を悩ませることになった。

「放牧は広大な牧草地が必要だし、管理が大変だべ。やっぱり、牛舎で飼育したほうが……」
「あっ!……そうよ! 羊飼いとか牛飼いって、笛を持ってるじゃない? 角で作ったヤツ……」
「角笛かぁ。誰か持ってっかな? 村の奴らに聞いてみねぇと……」
「用意しておいてくださる?」

 ソフィアは思いついたことをすぐにでも試したかったが、こらえた。
 すでに夕闇は牧草地を包み、夜の冷気が迫っている。昨日の今日で遅く帰るわけにいかない。あれだけリヒャルトに心配をかけたのだ。ソフィアは晩餐までに帰城した。
 
 しかし、帰ってからものんびりしている暇はなかった。新しい牛舎の設計図を作成する。素人の手書きだから、不備だらけであろう。これは学匠と建築士に直してもらう。今はひとまず提案だけだ。それと、生乳を使ったレシピも考えたい。
 ソフィアの苦闘は明け方まで続いた。

 翌朝、ほとんど寝ず、ソフィアは日の出まえに牧場へ向かった。
 早く試したかったのだ。手には冷たい陶器の感触がある。大切な人からの贈り物、黒光りするそれを口に当てた。別れ際、ルツからもらったオカリナだ。

 空が色を帯びてくる。黒から灰、濃紺、そして燃えるような赤へと。ソフィアの髪と同じ、命の色だ。顔を出す太陽へ祝福の歌を捧げる。この国の人は知らないだろうが、ソフィアのいた世界で知らぬ人はいなかった。前世から真面目ちゃんのソフィアだって、ポップミュージックくらい知っている。

 牛舎から牛がゾヨゾヨと歩いてくる。昨晩、ノアが立てておいてくれたのだろう。杭と縄だけの簡易な柵で囲ってある区画内に収まった。「ここから出ないように」と念じつつ、ソフィアはオカリナを吹いて柵の周りを歩いた。ネズミには念じたことが伝わった。牛にだって……

 魂の旋律は別のところへも伝わったらしい。目をこすりこすり、ナイトキャップに寝間着、上にコートを羽織っただけのノアが出てきた。牛舎からそう離れてない所にノアの家はある。

「ややっ!! どういうことだっぺ!? 牛さんがおとなしくなっとる!!」
「ふふふ……これは、わたくしが実家の婆やから戴いた魔法のオカリナなのです。動物を思いのままに操ることができるのですよ」
「すんげぇっっっ!!」

 ノアの反応は楽しい。同じギャル系でも妹のルシアとはちがう。ギャルにもいろいろあるのだ。
 ソフィアは、農業系ギャルのノアに何曲か教えることにした。夜明けの歌と夕暮れの歌。それと、外へ出ないようにする警告の歌。ノアには角笛を使ってもらう。
 群れで生活する牛は一度しつけたら、それが群れのルールになる。入れ替えが起こっても、代々ルールは引き継がれていくので、一頭一頭に教え込まなくてもいい。

「オカリナで躾たから、柵は簡易な物で構わないでしょう。けれど、まだ不充分です。猪などの害獣にも備えなければ……狼犬を使いましょう。わたくしのほうで何頭か用意します」

 牛の制御はこれでクリアー。ルツのおかげだ。ソフィアは改めて大好きな婆やに感謝した。

 今、牛舎にいるのは三十頭。そのうち乳牛は五頭だけ。来年までに乳牛の数を十倍に増やしたい。回復途上の農地は堆肥をすき込んだ後、草木灰を入れよう。雑草や落ち葉は手に入れやすい優秀な肥料だ。柵の設置に牛舎の建て直し。チーズ、ヨーグルトを仕込んで、試作品も作らねば。やらねばならぬことは山とある。
 ソフィアの日常は牧場業務に忙殺された。ひと月はあっという間に過ぎてしまった。


 各地の農村から調査報告は続々と上がってきている。あわひえ、大麦、キビなど、荒れ地に強く食用にもなる作物を発見した。これらは有効利用できそうだ。それと、一番大きな収穫はジャガイモ!! とある小さな村で食されているのを見つけた。飢えをしのごうと、試しに根っこを食べてみたのが始まりだそう。ジャガイモは育てやすく、主食にもなる。飢饉の強い味方だ。

 農民たちを集めて勉強会も開始した。農業に必要な土作りや輪作、家畜の利用などについて説く。軌道に乗り始めた乳牛の飼育は、ノアに任せて大丈夫だろう。ソフィアは大規模な各地講演ツアーを計画した。だが、その前に乳製品の販路を開拓したい。悪宰相セルペンスとの約束もある。

 こういう時に社交をおろそかにしていたことが悔やまれる。牧場経営を始めてからというもの、夜会はすべて断ってきた。それこそ金の無駄遣いだし、苦手意識があったのだ。

(困ったわ。貴族は一番の顧客。その次が商人、中間層、最後に庶民よ。まず貴族を取り込まないことには、何も始まらない)

 晩餐の席で、ソフィアはリヒャルトに相談することにした。
 それにしても、長テーブルの両端に夫婦が腰掛けるマナーはなんとかならないものか。七メートル離れた距離から声を張り上げて、若干恥ずかしい相談でもせねばならない。
 別の時にするという選択肢を選ばないのは、二人とも猛烈に忙しいからである。顔を合わせるのは食事の時ぐらいだ。朝食は牧場でとるのが日常化してきているし、昼もソフィアは農地か牧場で過ごしていた。

 ちなみにこの世界の人は朝食が遅めなので、昼食をとることがあまりない。早朝から働き、肉体労働する農民は朝から夜の間に何度か間食するが、昼飯という定義はハッキリないようだ。それは貴族も同じで、彼らはお茶を飲んで甘い物を食べる。

 そして、晩餐には第三者が同席することが多い。同席者が悪宰相セルペンスだったりしたら最悪だ。今日は幸いにもケツ顎騎士団長ジモン。チャンスだと、ソフィアは気合いを入れた。

「り、リヒャルトさまっっ!!」
「な、なんだ? 唐突に?」

 食事の時、まともに会話できないヘタレ夫婦──離れた距離から声をかけるのは、陰キャにはハードルが高い。結婚当初、リヒャルトのハイパーイケメンぶりにビビっており、この距離がありがたかったものだが、慣れた今となっては意味のないマナーを廃止してほしいぐらいである。

 ソフィアは社交が苦手なこと、これから顧客を開拓するにあたって社交術が必要になってくることを話した。

「うむ……困った。私も苦手だからな。君に指導できるようなことはない」
「わたくしたち、似た者夫婦なのですね……」
 
「僭越ながら申し上げますが、ソフィア様はそのままで充分素敵だと思いますよ?」

 静観していたジモンが口を挟んだ。ジモンはリヒャルトのすぐ近くに腰掛けている。これもソフィアからしたら、謎の席次である。
 リヒャルトが臨戦態勢に入った。

「貴様、我が妻を誘惑する気か?」
「いえいえ、とんでもございません。正直に思ったままを申したまでで」
「ならば、ジモンに協力してもらい、夜会に挑もう!」
「閣下、そんな意地悪言わないでください。私の交友関係はいかつい武人ばかりですよ?」

 どうやら、ジモンも頼れなさそうだ。ソフィアは大きな溜め息をついた。

「はぁーーー……わたくしたち、陰キャの集まりだったのですね……」
「いん?……なんだ、それは?」

「陰謀を巡らす者たちの集まり、という意味でしょうかね?」

(ジモンさん、黙って)

「しかし、ソフィア様が社交に苦手意識を持つのは腑に落ちませぬ。美しいのだし、話もおもしろい。もっと、ご自分に自信を持てばいいのです」

 ジモンはソフィアに優しい。嘘はついてないだろう。だが、ソフィアは、どうしても自信が持てないのだった。

「わたくし、実家のグーリンガムではブスだ、おもしろみがないと言われ続けてましたし、美人でかわいがられる妹の引き立て役でしたから、そんなこと言われても自信が持てないのですよ」
「しかし、農民たちには慕われますでしょう?」
「あーー、農民や学匠、料理人など専門職の人は別ですね。仲良くやれるのです……あ、あと、ジモンさんも、ジモンさんは騎士という戦いの専門職ではないですか? だから平気なのですよ。他の貴族はニガテ……」

 ソフィアは前世から人付き合いが苦手なのだ。気の合った人と適度な距離を保ちつつ、個別で付き合うのが好き。

(うーん……でも、派手な営業職や接客業の人が苦手ってわけでもない。仕事上の付き合いなら、全然イケるし……専門的になにかを極めてる人なら共感できるというか、シンパシーを感じるのよね)

 ソフィアが頭を悩ませていると、   

「そうだ!! ステラ伯母さんがいたじゃないか!」

 リヒャルトが手を叩いた。ジモンも嬉々として同調する。

「ネイリーズ伯爵夫人、レディステラですね! レディステラなら、社交界の案内に適役かもしれませぬ!」

(ステラおばさま!?)

 その名を聞いて思い浮かべるのはクッキーだ。クッキーおばさん、救世主となるのか??
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人質姫と忘れんぼ王子

雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。 やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。 お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。 初めて投稿します。 書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。 初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。 小説家になろう様にも掲載しております。 読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。 新○文庫風に作ったそうです。 気に入っています(╹◡╹)

人質王女の婚約者生活(仮)〜「君を愛することはない」と言われたのでひとときの自由を満喫していたら、皇太子殿下との秘密ができました〜

清川和泉
恋愛
幼い頃に半ば騙し討ちの形で人質としてブラウ帝国に連れて来られた、隣国ユーリ王国の王女クレア。 クレアは皇女宮で毎日皇女らに下女として過ごすように強要されていたが、ある日属国で暮らしていた皇太子であるアーサーから「彼から愛されないこと」を条件に婚約を申し込まれる。 (過去に、婚約するはずの女性がいたと聞いたことはあるけれど…) そう考えたクレアは、彼らの仲が公になるまでの繋ぎの婚約者を演じることにした。 移住先では夢のような好待遇、自由な時間をもつことができ、仮初めの婚約者生活を満喫する。 また、ある出来事がきっかけでクレア自身に秘められた力が解放され、それはアーサーとクレアの二人だけの秘密に。行動を共にすることも増え徐々にアーサーとの距離も縮まっていく。 「俺は君を愛する資格を得たい」 (皇太子殿下には想い人がいたのでは。もしかして、私を愛せないのは別のことが理由だった…?) これは、不遇な人質王女のクレアが不思議な力で周囲の人々を幸せにし、クレア自身も幸せになっていく物語。

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?

雨宮羽那
恋愛
 元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。 ◇◇◇◇  名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。  自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。    運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!  なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!? ◇◇◇◇ お気に入り登録、エールありがとうございます♡ ※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。 ※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))

【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜

光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。 それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。 自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。 隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。 それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。 私のことは私で何とかします。 ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。 魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。 もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ? これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。 表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

処理中です...