上 下
44 / 349
三章 凝縮版

4話 再確認〜好きなんだ

しおりを挟む
アリスタが部屋を出て最初に向かったのはベッドルームに向かった。ミルミルが魔法を暴走させた後にずっとそこに居ると思ったからだ

ガチャ

「・・・居なかったか、そりゃそうだよな」

「私なら居ますけど?」

その声はアリスタの後から聞こえた。驚きと共に振り返るとそこにはロフトがいた

「ロフト、ヴァンヌに気絶させられたはずじゃ?」

「私の愛はそんなので止まりません。復活した瞬間に追跡魔法を使いましたわ」

「そっか」

「何故ここに来たのかは大方検討はついてます。ミルミルちゃんに会いに来たんですよね?」

ロフトの言葉にアリスタは難しい顔をした。

「俺はただ…今は、平等に行きたいだけ、俺んとこ来てないのはミルミルちゃんとエイミだから」

「ふーん、私も我慢したら会いに来てくれたのか~損したかな?」

「俺はソフィアのためにちゃんと妻を探さなくちゃいけないんだ、絶対に間違えちゃいけない」

「・・・硬直魔法!」

「え!?何してんだロフト」

「・・・すみませんねぇ、2人きりってなると興奮しちゃいました。だから、あの時みたいに襲われて下さい!」

ロフトはそのままアリスタを押し倒し服を脱がした

(あの時って、確か俺が記憶改変魔法を使ったはずだけど)

「絶対に間違えちゃいけない?知りませんよ!アリスタさんに私が正解だって再確認させてあげます!」

硬直魔法をかけられたアリスタはロフトにベッドまで運ばれた

「さぁ服を脱がせますよ?あなたは今何もできないんですから」

「・・・」

「む?なんとか言って下さいよ、嫌だーとかやめろーとか」

ロフトはアリスタの上に乗った

「別に、もう慣れたよ」

「それって私の事が好きって意味ですか?」

「俺はソフィアの為に正解を見つける」

「質問の答えになってませんよ?私の事が好きって事ですよね?」

「・・・」

「ははっ、もうやだな争奪戦だって自分で言っちゃったのにもう逃げたくなってくる。私はアリスタさんに好きになって貰えないんだ」

ロフトの目にはうっすら涙があった

「私だって分かってるんですよ、私がこの戦いから1番遠のいてるって1番必要とされてないって1番嫌われてるって!う、うぅ…ミルミルちゃんはずるいじゃないですか、私がどれだけ愛を叫んでも振り向いてくれなかったアリスタさんを、一目惚れさせるなんて…」

ロフトはアリスタの上で泣き出した

「ロフト、魔法を解いてくれ」

「!?、嫌です、私のアリスタさんが行っちゃう、消えちゃう…離れたくない」

「ロフト」

「なんで、なんでそんな時だけ私を呼ぶんですか!邪魔者扱いして…今回だけは逃しませんから!」

「ロフト」

「あぁ、ズルいですよ、ズルいです…」

ロフトは魔法を解いた、と次の瞬間アリスタはロフトを抱きしめた

「ごめん…ロフト」

「う、うぅ、なんで謝るんですかぁ」

ロフトはアリスタに抱きつきながら更に号泣した。ロフトの涙がアリスタの背中をたどる

「・・・俺は、行かなくちゃいけない」

「嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ離れないでアリスタさん!私のアリスタさん!」

だんだんとロフトの締め付けが強くなってきたがアリスタはそんなものは関係なく話続けている

「ごめん、だけどロフトが俺の事をどう思ってるか、ちゃんと分かってるから」

「わ、分かってません!分かってるならどうして私を嫌うんですか?」

「嫌ってなんかない…ただ今じゃないんだ」

「・・・じゃあいつなんですか」

「・・・・・・約束しよう」

「約束…なんですか?」


一方その頃エイミは…

ガチャ

「やっと見つけたわ、全くこの魔王城部屋が多すぎて探すのが難しいんだから」

「エイミ、悪いけどパパならもう出てったよ?」

「大丈夫アリスタはいらないから、用があるのはソフィアの方よ」

「用?なによ」

エイミはニコニコしながら杖を取り出した

「死ね」

なんとエイミは火炎魔法をソフィアに向けて発動した!

「うわ!危ない」

対処する魔法がないためソフィアは走って回避するしかなかった

「いきなり何するのよ!」

「いやぁごめん、結局考えてみればソフィアを殺したほうが早いかな―って」

「正体表したわね最低サイコパス!」

魔王城の一室でエイミがソフィアを襲う

「そもそもあんたが死んでも困らないし~」  

エイミは杖から弾丸を創造し打ち出している

「エイミ!私は貴方の娘かも知れないのよ?」

「ん?関係ない関係ない、大事なのは今だから、未来なんか気にしてられないわ」

「ちっ……このままだと絶対に負ける、仕方ないわね」

ソフィアは物陰に隠れながら目を閉じた

「すぅ~はぁ……『創造』すごく強い剣」

なんとソフィアの右手から剣が創造された

「へ~そんな事ができるの?」

「ふふっ、魔法とかはからっきしだけど生まれつきなんでも武器を創造する能力があるのよ」

「なんでも創造ね…まるでアイツみたい…あーあ古傷が痛むわ、さっさと終わらせましょう!」

エイミは魔法で弾丸を倍に増やしソフィアに放った!

「そ、それはやばい!『創造』無敵の盾!そして『創造』巨大大砲!」

「きゃあ!?」

ソフィアは弾丸を全て防ぎ逆に巨大大砲の砲撃をおみまいする!

「安心して貴方もママ候補なんだから殺さないわ、だけど早く負けを認めたほうがいいんじゃない?」

ソフィアが余裕の表情を見せるも一瞬にしてそれは崩れた

「能力は強くてもまだ子供、それも私の子供時代とは違う凡の凡、あんたの攻撃なんて痛くも痒くもないわ」

「じゃあ今度は!『創造』ダブルソード、軽くて硬い鎧!」

ソフィアは剣を2本と鎧を創造しエイミに向かった、がエイミは奥の手にでた

「時間停止魔法」

コツコツとエイミの足跡のみが響く

「ふふっやっぱりこの鎧も私の力によれば簡単に壊せるわね、あの子の能力である創造は、言わば思い描いた物を現実に持ち出す能力、だけどその強さの設定はまだまだ大雑把で描ききれてないようね」

エイミは杖の向きを変えソフィアに突刺そうとした

が、すんでの所で手が止まってしまった

「・・・気に入らない、相応しくない、そんな時はリセットしないと…リセットしないといけないのに」

エイミが情けをかけるのは珍しく、本人自身も混乱している…止まっている時間の中でずっとエイミは最後の一撃が出せず結局杖を置いてしまった

「私は何がしたいんだろう…確かに今起こっている事は嫌いだ、ソフィアのせいで平和が崩されたんだもの、だから殺さないと、いけないのに…殺せない」

・・・

世界の時は止まっているが考え続けているエイミだけの時間は1日をゆうに過ぎていた。

「あれから何度も殺そうとした、けれどどうしても体が動かない…」

その時、無音の世界のなかでエイミは理解した、理解といっても今まで一度もはまらなかったピースが急に収まったかのような感触で、否定しようにも収まりが良すぎて認めざるをえなかった

「そうか、私ソフィアの事好きなんだ」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...