89 / 138
必然
14.
しおりを挟む
ここまで千晶の不快感は伝わっているが、慎一郎は自分の言動に一点の曇りもない。自信、傲慢、トップダウン思考の賜物か。
彼にはパートナーが必要だ、そうだろう?(まぁね)、最適な人物を探すために情報が必要だ(まぁね)、いつもの無表情だが、そう言いたいのは解りすぎる。間違ってはいない。親切かお節介かは、誠仁の受け取りかた次第。
誠仁と千晶、ダメ出しをし合う間柄。彼の好みはよく理解している、かもしれない。だからって当人不在でそれを慎一郎に言うのもなんだかな、千晶ならいい気分はしない。個人を特定しない前提で、女同士面白おかしくネタにして盛り上がってるのは別の話。
そして千晶の脳裏にもう一人の人物が浮かんだ。
「その前にきいてもいい? 直嗣さんは元気?」
「ああ、あいつこの前――」
何の関係があるのか、と視線が動いたが、弟の話題はなかなかどうして。千晶はすぐに本題へもちこんだ。
「――彼女はいるのか聞いたら『別に』ってそっぽ向いちゃって、生意気」
「ふふ、それだけ? 余計気になっちゃうね」
「ああ、これでも我慢したんだ。出来たら会わせろとは言ったよ」
更に問えば、圧を掛けるだけでなく、恋愛指南までしたという。千晶のあちゃーと冷めた目に、理解ある兄として褒めてほしいといわんばかりの顔が映る。
千晶は直嗣にちょっとだけ同情した。この、自分が正しいと信じて疑わない小舅に、なんと言えばいいのか。
「慎一郎さん、あなたのキャラだとね、それは逆効果よ。そっと見守ってやりなよ。ここまで立派に育ってきたのに、台無しにしたいの?」
「なぜ?」
「直嗣さんも苦労するね、慎一郎さんは男のスマートと女の手練手管をレクチャーするだけに留めて」
「は?」
千晶は兄と弟の反抗期を思い出していた。兄は父と殴り合い取っ組み合い、弟はちょっかいを出し過ぎる兄と冷戦状態になった。兄の時はテレビと壁とに穴が開き、弟の時は母と千晶の胃に穴が開きそうだった。なまじ知恵が働く兄弟だけに西東京が不毛の地になるんじゃないかと、今思い出しても背筋が凍る。
慎一郎と直嗣に反抗期があったとは想像し難い、こじれると長引きそうだ。情緒面は直嗣のほうが豊か、兄とは正反対だ。直嗣はもう兄の女性観を知っているだろう。このお兄ちゃん無双理論は絶対に遺恨になる。
「慎一郎さん、アドバイスは説得力のある人から聞いてこそよ。うちだって弟は兄に女関係は報告も相談もしないよ、絶対にね。絶対よ。人外に人間の事情が通じると思う? それを――、見たでしょあのウザ絡み。一時期は大変だったんだから」
「アキもナツ君も、お兄さんのこと誤解してるよ。もっと頼りにしていいと僕は思うよ」
「は? 慎一郎さんらしくもない、あんなクズに懐柔されるなんて。誰のせいで、ナツがあんな陰湿でシニカルになったと思ってるの」
「二人ともしたたかに成長して、直なんて甘っちょろいこと――」
まともな恋愛してこなかった(だろう)兄は口を出すな、をオブラートに包んだつもりが全くダメ。あの下品で下劣なやりとりを見ても兄側に付くとか、ありえない。しかも誰だよレオって。
聞いていれば、直嗣は千晶の予想通りごくごく真っ当な大学生。普通にモテるだろう。拗らせまくった絶食系男子にならなくてよかったとか、健全な成長を見守ってとか言ってみるも暖簾に腕押し。
過干渉な自覚もなく、終いには「俺がオムツを換えて、ミルクも飲ませてやったのに」とどこかの宇宙人と同じセリフを口にした。俺は口だけじゃない、恩着せがましさと俺のおもちゃ感――もとい、絆の強さがひしひしと伝わってくる。
そんなに幼い頃から…どういう状況だよ、と千晶は心の中でだけつっこんだ。直嗣は母親と二人暮らし、慎一郎と三人、それぞれに思いやりと独立心を持ったいい関係なのは、そこはかとなく伝わってきていた。聞いている分には母親も慎一郎も過保護な面は見られなかったのに。
話せばわかる、千晶はまだどこかで期待している。
「そうだったんだ、生まれた時から関わるって、きっとすごくかけがえのないものなんだろうね。直ちゃんもお兄さん大好きだもんね。私にはわからない感覚だけど、兄弟間の冷戦に巻き込まれたものとして、また、出木杉の兄を持つものとして言わせてもらうよ。
ヒトには得手不得手ってがあるでしょ、兄より弟のほうが優れてる部分もあるの、認めなよ」
「え? 千晶ちゃん、兄よりなんだって」
最後の一言にだけ笑顔で反応したが、目が笑っていない。兄の威厳は保って然るべき、この男に対等な男兄弟の概念はなかった。25歳と21歳、4年4か月の差は断崖である。
「(何このポンコツ)ちっさ、そういうとこだよ、弟より劣るのは。あなたに欠けてる部分を直ちゃんは持ってる」
完璧な人間はいない、人間だれしも多面性を持つ、足りない部分は補え合えばいい。弱点も使いどころで長所に変わる。
「僕は心配してるんだよ。直は純粋で不器用なとこあるでしょ」
聡いはずの慎一郎も弟のことは譲れない。弟可愛さと女性不信的なものがこじれまくってる。
確かに色事で身上潰すのはよくある話、千晶も身近に見てきた。それと同時に人として成長させるのも、人生に彩を与えてくれるのも色恋だ、と千晶は自分を棚に上げて思う。
「心配? それは誰のため? おうちのことは私が口を出すべきじゃない、でもね、私にはあなたが弟をコントロールしようとしてる風にしか聞こえない。ああ、あなた方の合理的思考と家長制を批判するつもりはないよ。あなたと私と、常識も価値観も違う、お互いに踏み越えていかないから争わずにいられただけ。
直嗣さんとは?」
歩み寄り、妥協点を探る必要があるんじゃないのか。最後まで言わずとも意味は通じている。
慎一郎も不快感を隠さない。家と弟は切り離せない事柄だ。二人の間の空気がピリピリと帯電していく。
千晶は言葉を選ばない代わりに穏やかな口調で続ける。
「……最終的にいいとこのお嬢さんを宛がうつもりなら、誰のためにもならないと私は思うよ」
空気が光る。数段飛ばして結論だけ、直ちゃん、おばちゃんの屍を超えて行くのよ。
「Damn you!」
ベンチの背もたれを殴る、音と衝撃が届く。
「でしょうね、時田さんのことだって、私なら大きなお世話だよ、今はね」
今度は座面を蹴る、慎一郎がはっきり怒りを露わにしたのはこれが初めて。
慎一郎は千晶が一瞬身構えたあと、薄く微笑んだのに気づかない。額に手を当て、髪をくしゃりと掻く。
彼なりに考え抜いてのことなんだろう。一人で決断し率いていく。直嗣のことも、よかれと思ってのことなのだ。
藤堂の家の事業ことは、嫌でも皆千晶に知っている前提で話すから、それとなく知るようになった。そして、ほんの少し千晶の知らない階級の思考も耳にした。慎一郎に直接確認したことはないし、家族の事情は知らない。話したくないのではなく、どうでもいい無関心さだと千晶は感じている。
(あーあ、『ブラコン(笑)』の一言で済ませれば。時田さんにだって『私にしといたらどうですー』とか言っとけば絡まれずに済むんだよな)
当然出過ぎた自覚はある。直嗣への借りがあるとすれば、黙って車を運転したこと。その直嗣にも『ばかじゃないの、頼んでないし、ウザ』と言われる図だ。慎一郎も何が分かる、生意気だ、関係ないともっと怒ればいい。
考える人と化した慎一郎の横で、千晶は残りのお寿司を頂く。カップ酒を開けて一口二口。さっぱりとした薄味は寿司に合う。まだ、味も解る、食べれたら大丈夫。
「ごちそうさまでした」
慎一郎の好きなネタは残しておいた。のどぐろとトロも。えびキュウ巻を一つ、慎一郎の口に差し出す。
少しの間の後、慎一郎は口を開けもぐもぐと咀嚼した。そして空になったグラスを横目にお茶を含む。そこへまた寿司を差し出す千晶。
折りが空になったところで、あ、そうだ、貰いものだけど、とバッグから取り出したコーヒー豆のチョコを慎一郎に押し付けて立ち上がった。
「じゃぁね」
(コーヒー豆はナッツじゃなくてビーンズか、まぁいいや)千晶は振り向かずに歩いていった。
彼にはパートナーが必要だ、そうだろう?(まぁね)、最適な人物を探すために情報が必要だ(まぁね)、いつもの無表情だが、そう言いたいのは解りすぎる。間違ってはいない。親切かお節介かは、誠仁の受け取りかた次第。
誠仁と千晶、ダメ出しをし合う間柄。彼の好みはよく理解している、かもしれない。だからって当人不在でそれを慎一郎に言うのもなんだかな、千晶ならいい気分はしない。個人を特定しない前提で、女同士面白おかしくネタにして盛り上がってるのは別の話。
そして千晶の脳裏にもう一人の人物が浮かんだ。
「その前にきいてもいい? 直嗣さんは元気?」
「ああ、あいつこの前――」
何の関係があるのか、と視線が動いたが、弟の話題はなかなかどうして。千晶はすぐに本題へもちこんだ。
「――彼女はいるのか聞いたら『別に』ってそっぽ向いちゃって、生意気」
「ふふ、それだけ? 余計気になっちゃうね」
「ああ、これでも我慢したんだ。出来たら会わせろとは言ったよ」
更に問えば、圧を掛けるだけでなく、恋愛指南までしたという。千晶のあちゃーと冷めた目に、理解ある兄として褒めてほしいといわんばかりの顔が映る。
千晶は直嗣にちょっとだけ同情した。この、自分が正しいと信じて疑わない小舅に、なんと言えばいいのか。
「慎一郎さん、あなたのキャラだとね、それは逆効果よ。そっと見守ってやりなよ。ここまで立派に育ってきたのに、台無しにしたいの?」
「なぜ?」
「直嗣さんも苦労するね、慎一郎さんは男のスマートと女の手練手管をレクチャーするだけに留めて」
「は?」
千晶は兄と弟の反抗期を思い出していた。兄は父と殴り合い取っ組み合い、弟はちょっかいを出し過ぎる兄と冷戦状態になった。兄の時はテレビと壁とに穴が開き、弟の時は母と千晶の胃に穴が開きそうだった。なまじ知恵が働く兄弟だけに西東京が不毛の地になるんじゃないかと、今思い出しても背筋が凍る。
慎一郎と直嗣に反抗期があったとは想像し難い、こじれると長引きそうだ。情緒面は直嗣のほうが豊か、兄とは正反対だ。直嗣はもう兄の女性観を知っているだろう。このお兄ちゃん無双理論は絶対に遺恨になる。
「慎一郎さん、アドバイスは説得力のある人から聞いてこそよ。うちだって弟は兄に女関係は報告も相談もしないよ、絶対にね。絶対よ。人外に人間の事情が通じると思う? それを――、見たでしょあのウザ絡み。一時期は大変だったんだから」
「アキもナツ君も、お兄さんのこと誤解してるよ。もっと頼りにしていいと僕は思うよ」
「は? 慎一郎さんらしくもない、あんなクズに懐柔されるなんて。誰のせいで、ナツがあんな陰湿でシニカルになったと思ってるの」
「二人ともしたたかに成長して、直なんて甘っちょろいこと――」
まともな恋愛してこなかった(だろう)兄は口を出すな、をオブラートに包んだつもりが全くダメ。あの下品で下劣なやりとりを見ても兄側に付くとか、ありえない。しかも誰だよレオって。
聞いていれば、直嗣は千晶の予想通りごくごく真っ当な大学生。普通にモテるだろう。拗らせまくった絶食系男子にならなくてよかったとか、健全な成長を見守ってとか言ってみるも暖簾に腕押し。
過干渉な自覚もなく、終いには「俺がオムツを換えて、ミルクも飲ませてやったのに」とどこかの宇宙人と同じセリフを口にした。俺は口だけじゃない、恩着せがましさと俺のおもちゃ感――もとい、絆の強さがひしひしと伝わってくる。
そんなに幼い頃から…どういう状況だよ、と千晶は心の中でだけつっこんだ。直嗣は母親と二人暮らし、慎一郎と三人、それぞれに思いやりと独立心を持ったいい関係なのは、そこはかとなく伝わってきていた。聞いている分には母親も慎一郎も過保護な面は見られなかったのに。
話せばわかる、千晶はまだどこかで期待している。
「そうだったんだ、生まれた時から関わるって、きっとすごくかけがえのないものなんだろうね。直ちゃんもお兄さん大好きだもんね。私にはわからない感覚だけど、兄弟間の冷戦に巻き込まれたものとして、また、出木杉の兄を持つものとして言わせてもらうよ。
ヒトには得手不得手ってがあるでしょ、兄より弟のほうが優れてる部分もあるの、認めなよ」
「え? 千晶ちゃん、兄よりなんだって」
最後の一言にだけ笑顔で反応したが、目が笑っていない。兄の威厳は保って然るべき、この男に対等な男兄弟の概念はなかった。25歳と21歳、4年4か月の差は断崖である。
「(何このポンコツ)ちっさ、そういうとこだよ、弟より劣るのは。あなたに欠けてる部分を直ちゃんは持ってる」
完璧な人間はいない、人間だれしも多面性を持つ、足りない部分は補え合えばいい。弱点も使いどころで長所に変わる。
「僕は心配してるんだよ。直は純粋で不器用なとこあるでしょ」
聡いはずの慎一郎も弟のことは譲れない。弟可愛さと女性不信的なものがこじれまくってる。
確かに色事で身上潰すのはよくある話、千晶も身近に見てきた。それと同時に人として成長させるのも、人生に彩を与えてくれるのも色恋だ、と千晶は自分を棚に上げて思う。
「心配? それは誰のため? おうちのことは私が口を出すべきじゃない、でもね、私にはあなたが弟をコントロールしようとしてる風にしか聞こえない。ああ、あなた方の合理的思考と家長制を批判するつもりはないよ。あなたと私と、常識も価値観も違う、お互いに踏み越えていかないから争わずにいられただけ。
直嗣さんとは?」
歩み寄り、妥協点を探る必要があるんじゃないのか。最後まで言わずとも意味は通じている。
慎一郎も不快感を隠さない。家と弟は切り離せない事柄だ。二人の間の空気がピリピリと帯電していく。
千晶は言葉を選ばない代わりに穏やかな口調で続ける。
「……最終的にいいとこのお嬢さんを宛がうつもりなら、誰のためにもならないと私は思うよ」
空気が光る。数段飛ばして結論だけ、直ちゃん、おばちゃんの屍を超えて行くのよ。
「Damn you!」
ベンチの背もたれを殴る、音と衝撃が届く。
「でしょうね、時田さんのことだって、私なら大きなお世話だよ、今はね」
今度は座面を蹴る、慎一郎がはっきり怒りを露わにしたのはこれが初めて。
慎一郎は千晶が一瞬身構えたあと、薄く微笑んだのに気づかない。額に手を当て、髪をくしゃりと掻く。
彼なりに考え抜いてのことなんだろう。一人で決断し率いていく。直嗣のことも、よかれと思ってのことなのだ。
藤堂の家の事業ことは、嫌でも皆千晶に知っている前提で話すから、それとなく知るようになった。そして、ほんの少し千晶の知らない階級の思考も耳にした。慎一郎に直接確認したことはないし、家族の事情は知らない。話したくないのではなく、どうでもいい無関心さだと千晶は感じている。
(あーあ、『ブラコン(笑)』の一言で済ませれば。時田さんにだって『私にしといたらどうですー』とか言っとけば絡まれずに済むんだよな)
当然出過ぎた自覚はある。直嗣への借りがあるとすれば、黙って車を運転したこと。その直嗣にも『ばかじゃないの、頼んでないし、ウザ』と言われる図だ。慎一郎も何が分かる、生意気だ、関係ないともっと怒ればいい。
考える人と化した慎一郎の横で、千晶は残りのお寿司を頂く。カップ酒を開けて一口二口。さっぱりとした薄味は寿司に合う。まだ、味も解る、食べれたら大丈夫。
「ごちそうさまでした」
慎一郎の好きなネタは残しておいた。のどぐろとトロも。えびキュウ巻を一つ、慎一郎の口に差し出す。
少しの間の後、慎一郎は口を開けもぐもぐと咀嚼した。そして空になったグラスを横目にお茶を含む。そこへまた寿司を差し出す千晶。
折りが空になったところで、あ、そうだ、貰いものだけど、とバッグから取り出したコーヒー豆のチョコを慎一郎に押し付けて立ち上がった。
「じゃぁね」
(コーヒー豆はナッツじゃなくてビーンズか、まぁいいや)千晶は振り向かずに歩いていった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

あなたが居なくなった後
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの専業主婦。
まだ生後1か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。
朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。
乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。
会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願う宏樹。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。


包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

不倫するクズ夫の末路 ~日本で許されるあらゆる手段を用いて後悔させる。全力で謝ってくるがもう遅い~
ネコ
恋愛
結婚してもうじき10年というある日、夫に不倫が発覚した。
夫は不倫をあっさり認め、「裁判でも何でも好きにしろよ」と開き直る。
どうやらこの男、分かっていないようだ。
お金を払ったら許されるという浅はかな誤解。
それを正し、後悔させ、絶望させて、破滅させる必要がある。
私は法律・不動産・経営・その他、あらゆる知識を総動員して、夫を破滅に追い込む。
夫が徐々にやつれ、痩せ細り、医者から健康状態を心配されようと関係ない。
これは、一切の慈悲なく延々と夫をぶっ潰しにかかる女の物語。
最初は調子に乗って反撃を試みる夫も、最後には抵抗を諦める。
それでも私は攻撃の手を緩めず、周囲がドン引きしようと関係ない。
現代日本で不倫がどれほどの行為なのか、その身をもって思い知れ!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる