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修行
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「俺も嫁が欲しいぃぃぃぃ……うわああああああああ!!!」
「泣き上戸……」
カリスティアちゃんの冷たい一言が俺の泣き声にかき消される。エーエーそうですよ俺は昔っから泣き虫で酒も弱くて気が小さいよ。グラスが良い酒が手に入ったので一杯だけ付き合うつもりが余りに旨くてつい飲み過ぎてしまった。どうせならこのまま酔いに任せてしまえと、ひとしきり泣いたらぐいっともう一杯飲む。
「水取ってくるからちょっとペース緩めてねドロウ君……」
「カリスティア、離れないでください」
「酒臭いから寄らないで」
酒臭いから寄るなと言いながらまんざらでもない顔で、手をふるカリスティアちゃんをまたまんざらでもない目で裾を掴んでいるグラスのやり取りは見ててほっこりするから、こんなおっさんほっといてもっと好きなように愛を育んで欲しい……欲しいのだが……。俺もこんな気丈な嫁が欲しいという気持ちになる。せめてお袋と親父の墓の場所を決めるまでには嫁が欲しい。
「グラスてめぇ……」
「はい、如何致しましたか? なにかご不快になられることでも?」
カリスティアちゃんの手を離して謝罪をするグラス、いやそうじゃないそうじゃないんだ。イチャイチャに不快感をしている訳じゃなくてだな。カリスティアちゃんも勘違いしてあわあわと俺の顔を見て慌てて水を取りに行った。違うんだ。
「俺は、お前がこんな俺みたいに野郎の中でも行き遅れになる前に将来の嫁さんを見つけてるのが嬉しいんだー!!! 二人とも幸せになれよぉぉ。飯でしか支えられねぇがな」
「充分……お気持ちが嬉しいです。ありがとうございます」
俺の必死の泣き上戸は伝わってくれたようで、水を持って来たカリスティアちゃんも安心しながら手渡してくれた。グビグビと水を飲んでから酒を飲んだら「意味ないでしょ!!!」っとカリスティアちゃんの一喝が聞こえた。知らん、酒を持ってくるコイツが悪い。
「それによぉー。俺にしっとしちゃってよぉ……俺は幼児趣味じゃねーぞ!!!」
「その節は申し訳ないです。申し開きの言葉もありません」
「まぁ、そこはグラスが悪い」
悪酔いついでに一つだけ不名誉なことの文句を言うと、申し訳なさそうに深々と謝罪をされた。本当に生真面目だなと酔いどれの頭で思う。頭を上げさせて水に流してもう一杯っと飲む。グラスもこちらのペースに会わせて酒を流し込む。顔に出ないのか、はたまた酒豪なのか俺の倍は飲んでいても顔色も呂律も変わらない。辛うじてカリスティアちゃんに向ける歯の浮く台詞が一つ二つ増えているような気がするくらいにしかわからない。
「私は寝るよ。お酒のお付き合いはほどほどにね~。おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみなさい……良い夢を」
そう言ってカリスティアちゃんは俺らに釘を一つ刺して笑いながら部屋に向かった。本当に出来た子だ本当に……あの子が去ってすぐに追加のつまみを作る為にふらりと立ち上がる。グラスはウィーンさんに好きにして構わないと言われた食料庫に向かって居た。酒の追加を持って来てくれるのだろう。
「二日酔い防止の食材ってなんだったかなー。でも、チーズ食いてぇな」
そうして、それぞれ酒とつまみを用意し終わって二人席に着くと、予想していた通りにカリスティアちゃんの魔力が家から遠くの方で揺れているのがわかる。予想通りに酒で楽しくやってるときに一人で修行しに行ったな。料理して多少覚めた酒の酔いをほどほどに取り戻すようにちびちびと加減して飲む。一方のグラスはぐいっと一杯飲んでけろっとしている。顔に出ないんじゃない……こいつぁザルだ大酒飲みだ。
「いいのか……止めなくて」
「止めないのではなくて止められないのですよ」
「一ヶ月もあるんだろ? そうグラスもカリスティアちゃんも焦らなくても良いんじゃないか?」
俺は純粋な疑問だった。カリスティアちゃんは飲み込みが速く理解力もあるし……なにより具現化という協力なスキルがある。それだけ見ても充分戦闘要員としてやっていけるし、謙遜気味な魔法だって俺より長けてる……それは目の前の規格外の氷帝のせいかもしれんが。
俺の疑問にグラスは答えた。
「一ヶ月しか無いんですよ。私が守る為に六年修行しても……まだまだ時間が足りなかった。六年ですら足りない。彼女の場合は、死なないため、生きるために剣を振るっています。向き合うつもりの……彼女にとって、一ヶ月は短い。そして……私は、その努力を折らないといけません」
ウジウジ生きていた俺に取っては重すぎる言葉、確かに一ヶ月で習得できるものなどたかが知れている。けれど、俺は未だにカリスティアちゃんにソレが必要なのか疑問だった。そうして……こんな人間の俺に何故、グラスという男は対話を求めるのかが一番わからなかった。知識も力も見聞も全て俺よりも長けてる人間が……個人的に聞いて欲しいと言うことが。グラスは、つまみをつまんで「流石ドロウ様……美味しいです」っと言いながら疑問に苛まれる俺の目を静かに見た。努力を折らないといけない。その不穏な言葉のことも疑問だったがそれを聞く前にグラスは口を開いた。
「普通だからです」
「普通……?」
「私もカリスティアも普通の人間としての考えと逸脱した人間と言っていいでしょう。貴方は戦闘こそできないけれど……私にはどう訓練してもできないことができる人間ですから……こうして話しの場を設けているのです。
普通に悲しんで、普通に笑って、普通に怒って、それができる者が彼女の周りには少ないのです」
俺が見るお前も嫉妬したり、怒ったり、笑ったり、そりゃ手放しに豊かと言えないが充分感情を表せている方だと思うと言うと、悲しく目が伏せられた。咄嗟に謝ろうとするも、グラスに静止されてなんにも言えない心は微妙な気持ちのまま俺は次の言葉を待った。
「彼女のおかげで大分マシになった方です。それはカリスティアにも言えますが……」
「マシ……一体どんだけ無表情だったんだ」
「私の方は、表情が死んだ王子、鉄面皮、表情筋行方知れず、最近は顔面永久凍土野郎が増えましたね」
「それってもしかして」
「一番最初以外はカリスティアが私を呼ぶさいに使っていたものです」
中々個性的なネーミングセンスしてるなカリスティアちゃん。あと元とはいえ王子によくそこまでズケズケ言えたな。グラスの子供の頃の性格はわからんが、考えるだけで恐ろしい。4歳の根性って凄いな。苦笑いを浮かべて居るグラスに俺も苦笑いを浮かべた。「ある意味有り難かったです。陰口ではなく正面で言ってくださって」と苦笑いが普通の笑みに変わった。やっぱり上というのは色々あるんだな、そう思ってつまみを一口つまむ。
「カリスティアちゃんの方は?」
「死の天使、感情を捨て置いた者、歩く厄災、彷徨う死相、嘆きと怨嗟の演奏者」
グラスのもインパクトが凄いが、カリスティアちゃんのは一風変わって物騒なラインナップに、俺は一周回って笑顔でグラスに笑いかけて、声に出さず口を動かして「マジか?」っと言うと、グラスは静かにゆっくりと顔を縦に振った。なにがそうなってそうなったんだ。
「城に来た初日に、彼女の笑顔を天使と間違えた人間に殺されかけたのです……。あのスプーンの男がそうです、あれ以来、カリスティアを天使と崇め奉ってどこからともなく沸いてきます」
「あぁ、確かに綺麗に笑うな。そうかあのスプーンが、良く殺さなかったなグラス」
俺の頭には、瞬時にグラスがそいつを幼い身体でボコボコにしている姿が思い浮かんだ。こんだけの手練れだから、子供の身でも相当強かっただろうと思っての想像に身を震わせた。
「殺そうとしましたが……。カリスティアから、幽霊になって死ぬまで取り憑いてきそうだから、まだ追い払える生きている状態で泳がしておきたいと、泣いて乞われまして……」
「幽霊は信じちゃいねぇが……。あのレベルになるとありそうだな」
男の俺でも背筋がゾッとして、毛という毛が逆立ったのだから、カリスティアちゃんは相当怖かっただろう。思い出すだけで食欲が減退して、つまむつもりだったつまみを、持ったまま動きを止める。グラスも思い出したら気分が害されたようで、ハイペースで飲んでいた酒がピッタリと止んで左手で目を覆った状態で顔を天へと傾けた。
「これからも、よろしければ……美味しいご飯と、話しをお願いします」
「あいよ。俺で良ければ幾らでも作って幾らでも話しを聞くぜ。こんな身体だけのナヨナヨでよければな。惚れ話も聞くぜ」
惚れ話というと、酒が急に回ったかのように顔を赤くして今度は天から地へ顔の向きが急降下した……お熱いことで。
気分を持ち直したグラスがまた酒を飲む。どんだけ飲むんだと心の中で突っ込みながら俺は持っていたつまみを一口食べながら、カリスティアちゃんの魔力の方向に視線を傾ける。
「迎えに行ってきます」
「おう、千鳥足でこけるなよ~」
「そちらこそ、手が震えて皿を落とさぬようお気をつけてください」
夜だからか、席を立ち上がり高そうな杖を携えて玄関の扉に手を掛ける。カリスティアちゃんが帰るころにはお互いお開きにして寝て、帰りやすくしようと思って居たが、一向にカリスティアちゃんが帰ってくる気配がないので、遂に迎えに行くみたいだ。
グラスが外にでたことで片付けようとすると、酒のボトルの数に戦慄した。
「白薔薇でも、口にくわえてそうな顔して本当にザルだな……。あの身体で15本も開けやがって……どんな身体してんだよ……。にしても、努力を折るって……、一体あいつ何をするんだ」
「泣き上戸……」
カリスティアちゃんの冷たい一言が俺の泣き声にかき消される。エーエーそうですよ俺は昔っから泣き虫で酒も弱くて気が小さいよ。グラスが良い酒が手に入ったので一杯だけ付き合うつもりが余りに旨くてつい飲み過ぎてしまった。どうせならこのまま酔いに任せてしまえと、ひとしきり泣いたらぐいっともう一杯飲む。
「水取ってくるからちょっとペース緩めてねドロウ君……」
「カリスティア、離れないでください」
「酒臭いから寄らないで」
酒臭いから寄るなと言いながらまんざらでもない顔で、手をふるカリスティアちゃんをまたまんざらでもない目で裾を掴んでいるグラスのやり取りは見ててほっこりするから、こんなおっさんほっといてもっと好きなように愛を育んで欲しい……欲しいのだが……。俺もこんな気丈な嫁が欲しいという気持ちになる。せめてお袋と親父の墓の場所を決めるまでには嫁が欲しい。
「グラスてめぇ……」
「はい、如何致しましたか? なにかご不快になられることでも?」
カリスティアちゃんの手を離して謝罪をするグラス、いやそうじゃないそうじゃないんだ。イチャイチャに不快感をしている訳じゃなくてだな。カリスティアちゃんも勘違いしてあわあわと俺の顔を見て慌てて水を取りに行った。違うんだ。
「俺は、お前がこんな俺みたいに野郎の中でも行き遅れになる前に将来の嫁さんを見つけてるのが嬉しいんだー!!! 二人とも幸せになれよぉぉ。飯でしか支えられねぇがな」
「充分……お気持ちが嬉しいです。ありがとうございます」
俺の必死の泣き上戸は伝わってくれたようで、水を持って来たカリスティアちゃんも安心しながら手渡してくれた。グビグビと水を飲んでから酒を飲んだら「意味ないでしょ!!!」っとカリスティアちゃんの一喝が聞こえた。知らん、酒を持ってくるコイツが悪い。
「それによぉー。俺にしっとしちゃってよぉ……俺は幼児趣味じゃねーぞ!!!」
「その節は申し訳ないです。申し開きの言葉もありません」
「まぁ、そこはグラスが悪い」
悪酔いついでに一つだけ不名誉なことの文句を言うと、申し訳なさそうに深々と謝罪をされた。本当に生真面目だなと酔いどれの頭で思う。頭を上げさせて水に流してもう一杯っと飲む。グラスもこちらのペースに会わせて酒を流し込む。顔に出ないのか、はたまた酒豪なのか俺の倍は飲んでいても顔色も呂律も変わらない。辛うじてカリスティアちゃんに向ける歯の浮く台詞が一つ二つ増えているような気がするくらいにしかわからない。
「私は寝るよ。お酒のお付き合いはほどほどにね~。おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみなさい……良い夢を」
そう言ってカリスティアちゃんは俺らに釘を一つ刺して笑いながら部屋に向かった。本当に出来た子だ本当に……あの子が去ってすぐに追加のつまみを作る為にふらりと立ち上がる。グラスはウィーンさんに好きにして構わないと言われた食料庫に向かって居た。酒の追加を持って来てくれるのだろう。
「二日酔い防止の食材ってなんだったかなー。でも、チーズ食いてぇな」
そうして、それぞれ酒とつまみを用意し終わって二人席に着くと、予想していた通りにカリスティアちゃんの魔力が家から遠くの方で揺れているのがわかる。予想通りに酒で楽しくやってるときに一人で修行しに行ったな。料理して多少覚めた酒の酔いをほどほどに取り戻すようにちびちびと加減して飲む。一方のグラスはぐいっと一杯飲んでけろっとしている。顔に出ないんじゃない……こいつぁザルだ大酒飲みだ。
「いいのか……止めなくて」
「止めないのではなくて止められないのですよ」
「一ヶ月もあるんだろ? そうグラスもカリスティアちゃんも焦らなくても良いんじゃないか?」
俺は純粋な疑問だった。カリスティアちゃんは飲み込みが速く理解力もあるし……なにより具現化という協力なスキルがある。それだけ見ても充分戦闘要員としてやっていけるし、謙遜気味な魔法だって俺より長けてる……それは目の前の規格外の氷帝のせいかもしれんが。
俺の疑問にグラスは答えた。
「一ヶ月しか無いんですよ。私が守る為に六年修行しても……まだまだ時間が足りなかった。六年ですら足りない。彼女の場合は、死なないため、生きるために剣を振るっています。向き合うつもりの……彼女にとって、一ヶ月は短い。そして……私は、その努力を折らないといけません」
ウジウジ生きていた俺に取っては重すぎる言葉、確かに一ヶ月で習得できるものなどたかが知れている。けれど、俺は未だにカリスティアちゃんにソレが必要なのか疑問だった。そうして……こんな人間の俺に何故、グラスという男は対話を求めるのかが一番わからなかった。知識も力も見聞も全て俺よりも長けてる人間が……個人的に聞いて欲しいと言うことが。グラスは、つまみをつまんで「流石ドロウ様……美味しいです」っと言いながら疑問に苛まれる俺の目を静かに見た。努力を折らないといけない。その不穏な言葉のことも疑問だったがそれを聞く前にグラスは口を開いた。
「普通だからです」
「普通……?」
「私もカリスティアも普通の人間としての考えと逸脱した人間と言っていいでしょう。貴方は戦闘こそできないけれど……私にはどう訓練してもできないことができる人間ですから……こうして話しの場を設けているのです。
普通に悲しんで、普通に笑って、普通に怒って、それができる者が彼女の周りには少ないのです」
俺が見るお前も嫉妬したり、怒ったり、笑ったり、そりゃ手放しに豊かと言えないが充分感情を表せている方だと思うと言うと、悲しく目が伏せられた。咄嗟に謝ろうとするも、グラスに静止されてなんにも言えない心は微妙な気持ちのまま俺は次の言葉を待った。
「彼女のおかげで大分マシになった方です。それはカリスティアにも言えますが……」
「マシ……一体どんだけ無表情だったんだ」
「私の方は、表情が死んだ王子、鉄面皮、表情筋行方知れず、最近は顔面永久凍土野郎が増えましたね」
「それってもしかして」
「一番最初以外はカリスティアが私を呼ぶさいに使っていたものです」
中々個性的なネーミングセンスしてるなカリスティアちゃん。あと元とはいえ王子によくそこまでズケズケ言えたな。グラスの子供の頃の性格はわからんが、考えるだけで恐ろしい。4歳の根性って凄いな。苦笑いを浮かべて居るグラスに俺も苦笑いを浮かべた。「ある意味有り難かったです。陰口ではなく正面で言ってくださって」と苦笑いが普通の笑みに変わった。やっぱり上というのは色々あるんだな、そう思ってつまみを一口つまむ。
「カリスティアちゃんの方は?」
「死の天使、感情を捨て置いた者、歩く厄災、彷徨う死相、嘆きと怨嗟の演奏者」
グラスのもインパクトが凄いが、カリスティアちゃんのは一風変わって物騒なラインナップに、俺は一周回って笑顔でグラスに笑いかけて、声に出さず口を動かして「マジか?」っと言うと、グラスは静かにゆっくりと顔を縦に振った。なにがそうなってそうなったんだ。
「城に来た初日に、彼女の笑顔を天使と間違えた人間に殺されかけたのです……。あのスプーンの男がそうです、あれ以来、カリスティアを天使と崇め奉ってどこからともなく沸いてきます」
「あぁ、確かに綺麗に笑うな。そうかあのスプーンが、良く殺さなかったなグラス」
俺の頭には、瞬時にグラスがそいつを幼い身体でボコボコにしている姿が思い浮かんだ。こんだけの手練れだから、子供の身でも相当強かっただろうと思っての想像に身を震わせた。
「殺そうとしましたが……。カリスティアから、幽霊になって死ぬまで取り憑いてきそうだから、まだ追い払える生きている状態で泳がしておきたいと、泣いて乞われまして……」
「幽霊は信じちゃいねぇが……。あのレベルになるとありそうだな」
男の俺でも背筋がゾッとして、毛という毛が逆立ったのだから、カリスティアちゃんは相当怖かっただろう。思い出すだけで食欲が減退して、つまむつもりだったつまみを、持ったまま動きを止める。グラスも思い出したら気分が害されたようで、ハイペースで飲んでいた酒がピッタリと止んで左手で目を覆った状態で顔を天へと傾けた。
「これからも、よろしければ……美味しいご飯と、話しをお願いします」
「あいよ。俺で良ければ幾らでも作って幾らでも話しを聞くぜ。こんな身体だけのナヨナヨでよければな。惚れ話も聞くぜ」
惚れ話というと、酒が急に回ったかのように顔を赤くして今度は天から地へ顔の向きが急降下した……お熱いことで。
気分を持ち直したグラスがまた酒を飲む。どんだけ飲むんだと心の中で突っ込みながら俺は持っていたつまみを一口食べながら、カリスティアちゃんの魔力の方向に視線を傾ける。
「迎えに行ってきます」
「おう、千鳥足でこけるなよ~」
「そちらこそ、手が震えて皿を落とさぬようお気をつけてください」
夜だからか、席を立ち上がり高そうな杖を携えて玄関の扉に手を掛ける。カリスティアちゃんが帰るころにはお互いお開きにして寝て、帰りやすくしようと思って居たが、一向にカリスティアちゃんが帰ってくる気配がないので、遂に迎えに行くみたいだ。
グラスが外にでたことで片付けようとすると、酒のボトルの数に戦慄した。
「白薔薇でも、口にくわえてそうな顔して本当にザルだな……。あの身体で15本も開けやがって……どんな身体してんだよ……。にしても、努力を折るって……、一体あいつ何をするんだ」
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