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営業スマイルのせいで退院後数日でまた死にかける。
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主にグラスやオカマにこってり怒られながらも三日間ベットに寝かせられやっとのこと、本来の自分の思う体験ができるようになった数日。今回は東の村で大規模な魔物の発生があったそうで、それを冒険者と共に戦った負傷者が多数いるそうで、いきなりハードな体験になりそうだ。それでも勿論初めとあって私は比較的軽度の患者に当たるよう言われている。病室の窓から見ても綺麗な日射しと開ければ香る花の香りのその向こうで戦があるなんて、まるで私の前の世界のようだ。
オカマはもっと手の付けられない重傷者の元へと当たらないと行けないので今回は別の人が私を案内してくれている。チラリと隣をみるとあのときの受付のたわわな胸を持つお姉さんが、私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いている。
「ここよ、治療後の案内は別の担当が居ますから、手を上げて知らせてくださいね。最初にこちらの患者の人お願いします……気分悪くなってない?出る」
「大丈夫」
重傷とわかる者以外は一旦大部屋で雑魚寝のようで、あたりは血の匂いに満たされていた。まだ人間は血の匂いはそこまで臭くはないな、ゴブリンのが一匹で100倍臭かったと、異世界に来て最初のハプニングを思い出して、ゲンナリしながら、案内された患者の前に立つ。軽度の剣を強く握りすぎてタコが潰れて出血した男「新人さんなのでよろしくお願い、じゃっ私も治療にはいるから」っと受付だったお姉さんはスタスタ私を置いて行ってしまった……まって、この人治した後に自分で患者探せってこと!?
「新人ちゃんか、こんな血生臭い所で大丈夫かい?気持ち悪くなったらさっきのねーちゃん呼んでやるから、無理せずにゆっくりやってくれ」
「ありがとうございます。それでは始めますね?大変ですよねーすぐに良くなるよう全力を尽くしますので少々お時間いただきますね」
あぁ、この籠手以外は鎧つけっぱで顔しか見えないけど、ザッリア充みたいな覇気のある顔のおにいさん優しいから、接客スマイルがやりやすい。
早速始めよう。出来るイメージで出来たから、今回もこのお兄ちゃんのタコと傷がなくなるようにイメージをして……!
「ライフ!」
MPがゴリゴリと削れる感覚に、顔をしかめそうになるけれどもなんとか笑顔を崩す事無く、治癒の魔法発動のサインなのだろうか、自身の手と治す対象の手が優しい包み込むような光に覆われる。前の自分自身を治したときと同じ手応えを感じ、心の中で「いける!」と魔力をさらに込めると光が少しずつ消えていく。
「……、おい」
「はい?如何致しましたか?どこか不具合ございましたか? そうでしたら申し訳ございません……大変申し訳ございません!」
「いや、処置は完璧だ、ありがとう。その、頼みなんだが……こっちに来てくれ」
「いや、あの、いィ!」
治った自身の両手と私を見てギロリと形相を変え、私の腕を掴み私を引きずって出て行く皆が皆それぞれの患者に忙しいようで、私が彼に連れ去られるのに誰も気づかずにずるずるとずるずると引きずられて、叫ぼうと声を出すと口に指を入れられ止められる。次声を発したらその舌をえぐり取ると言わんばかりに爪を立てて。
大人しくなったことを男は確認した所で「騒いだら……わかってるな?」と私から指を引き抜いて、進んでゆく、怪我を治しても流れた血は元に戻らない。彼のこびりついた血の味で何度かむせそうになるもなんとか耐える。人員が出払っているのか、この男が人気の無い所を選んでいるのか誰一人通りかからない通路の奥の扉で男は立ち止まりその部屋に入る。
「うッ…」
むわりっと部屋を開けた途端香る血と死臭の香り、明かりは付いているせいで、この苦しそうに呻く声のせいで、この部屋が何のためにあるのか入るだけでわかってしまう。助かる見込みのない人を置いておく部屋……。男が私を左手で持ち上げながら、目的の重症患者のとこへとずんずん進んでいく。私は怖くて眼を開けることができなかった。
「治せよ……治してくれ……できるだろ?新人って嘘だよな。あんな芸当ラブマルージュ様くらいしかできない!なぁ、治してくれ頼む。ラブマルージュ様、いやラブマルージュ様は一人しかいないから、ここまで手がまわんねーんんだ。あんな慈悲深い笑みは初めてだ。そこで俺は確信したんだ貴方は天使だ。俺にはわかる。なぁ、お願いだ。お願いだ……見捨てないでくれ、あんなすぐに綺麗に治せるわけないのに治したんだ……なぁ、なぁ、なぁ!」
私が乱暴に、投げ捨てられるとイカレテル男はこう言った。私は恐怖のままに目を瞑ったまま自分を掴む男の左手に水魔法のウォーターボールをぶちかまし、眼を開けて扉を見て走り出す。男は開けることはしたがドアを閉める事はしておらず。必死に足を動かして隙間に滑らせるように部屋からでて走り抜けるも、やはり子供足では追いつかれる。やがて追いつかれ、錯乱した男が私の首根っこを掴み壁に押しつけ、私が治してタコもなにもない綺麗な手で私の首を締め上げる。無意識酸素をもとめ口が開き苦しさで眼が閉じる。
「なんで逃げるんだ。天使ならできるよな。できッぶッッ!」
「これは一体どういう状況かしらね。キーツハルト彼女を保護して怪我がないようなら、部屋まで送りなさい。俺はコイツの事情を聞かなきゃね」
重くて水の詰まったものが壁に当たる音、いつの間にかラブマルージュに担がれていて、金髪の短髪青年……ラブマルージュがキールハルトと呼ぶ男に私を預ける。
そこで、私の意識が切れて一日。グラスにさらにこってり怒られた……解せぬ。ラブマルージュには今までのふざけオカマ口調なしで頭を下げられてしまい。まぁ、城に来て二度目の死にそうな経験は今までで一番後味の悪い経験となった。
オカマはもっと手の付けられない重傷者の元へと当たらないと行けないので今回は別の人が私を案内してくれている。チラリと隣をみるとあのときの受付のたわわな胸を持つお姉さんが、私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いている。
「ここよ、治療後の案内は別の担当が居ますから、手を上げて知らせてくださいね。最初にこちらの患者の人お願いします……気分悪くなってない?出る」
「大丈夫」
重傷とわかる者以外は一旦大部屋で雑魚寝のようで、あたりは血の匂いに満たされていた。まだ人間は血の匂いはそこまで臭くはないな、ゴブリンのが一匹で100倍臭かったと、異世界に来て最初のハプニングを思い出して、ゲンナリしながら、案内された患者の前に立つ。軽度の剣を強く握りすぎてタコが潰れて出血した男「新人さんなのでよろしくお願い、じゃっ私も治療にはいるから」っと受付だったお姉さんはスタスタ私を置いて行ってしまった……まって、この人治した後に自分で患者探せってこと!?
「新人ちゃんか、こんな血生臭い所で大丈夫かい?気持ち悪くなったらさっきのねーちゃん呼んでやるから、無理せずにゆっくりやってくれ」
「ありがとうございます。それでは始めますね?大変ですよねーすぐに良くなるよう全力を尽くしますので少々お時間いただきますね」
あぁ、この籠手以外は鎧つけっぱで顔しか見えないけど、ザッリア充みたいな覇気のある顔のおにいさん優しいから、接客スマイルがやりやすい。
早速始めよう。出来るイメージで出来たから、今回もこのお兄ちゃんのタコと傷がなくなるようにイメージをして……!
「ライフ!」
MPがゴリゴリと削れる感覚に、顔をしかめそうになるけれどもなんとか笑顔を崩す事無く、治癒の魔法発動のサインなのだろうか、自身の手と治す対象の手が優しい包み込むような光に覆われる。前の自分自身を治したときと同じ手応えを感じ、心の中で「いける!」と魔力をさらに込めると光が少しずつ消えていく。
「……、おい」
「はい?如何致しましたか?どこか不具合ございましたか? そうでしたら申し訳ございません……大変申し訳ございません!」
「いや、処置は完璧だ、ありがとう。その、頼みなんだが……こっちに来てくれ」
「いや、あの、いィ!」
治った自身の両手と私を見てギロリと形相を変え、私の腕を掴み私を引きずって出て行く皆が皆それぞれの患者に忙しいようで、私が彼に連れ去られるのに誰も気づかずにずるずるとずるずると引きずられて、叫ぼうと声を出すと口に指を入れられ止められる。次声を発したらその舌をえぐり取ると言わんばかりに爪を立てて。
大人しくなったことを男は確認した所で「騒いだら……わかってるな?」と私から指を引き抜いて、進んでゆく、怪我を治しても流れた血は元に戻らない。彼のこびりついた血の味で何度かむせそうになるもなんとか耐える。人員が出払っているのか、この男が人気の無い所を選んでいるのか誰一人通りかからない通路の奥の扉で男は立ち止まりその部屋に入る。
「うッ…」
むわりっと部屋を開けた途端香る血と死臭の香り、明かりは付いているせいで、この苦しそうに呻く声のせいで、この部屋が何のためにあるのか入るだけでわかってしまう。助かる見込みのない人を置いておく部屋……。男が私を左手で持ち上げながら、目的の重症患者のとこへとずんずん進んでいく。私は怖くて眼を開けることができなかった。
「治せよ……治してくれ……できるだろ?新人って嘘だよな。あんな芸当ラブマルージュ様くらいしかできない!なぁ、治してくれ頼む。ラブマルージュ様、いやラブマルージュ様は一人しかいないから、ここまで手がまわんねーんんだ。あんな慈悲深い笑みは初めてだ。そこで俺は確信したんだ貴方は天使だ。俺にはわかる。なぁ、お願いだ。お願いだ……見捨てないでくれ、あんなすぐに綺麗に治せるわけないのに治したんだ……なぁ、なぁ、なぁ!」
私が乱暴に、投げ捨てられるとイカレテル男はこう言った。私は恐怖のままに目を瞑ったまま自分を掴む男の左手に水魔法のウォーターボールをぶちかまし、眼を開けて扉を見て走り出す。男は開けることはしたがドアを閉める事はしておらず。必死に足を動かして隙間に滑らせるように部屋からでて走り抜けるも、やはり子供足では追いつかれる。やがて追いつかれ、錯乱した男が私の首根っこを掴み壁に押しつけ、私が治してタコもなにもない綺麗な手で私の首を締め上げる。無意識酸素をもとめ口が開き苦しさで眼が閉じる。
「なんで逃げるんだ。天使ならできるよな。できッぶッッ!」
「これは一体どういう状況かしらね。キーツハルト彼女を保護して怪我がないようなら、部屋まで送りなさい。俺はコイツの事情を聞かなきゃね」
重くて水の詰まったものが壁に当たる音、いつの間にかラブマルージュに担がれていて、金髪の短髪青年……ラブマルージュがキールハルトと呼ぶ男に私を預ける。
そこで、私の意識が切れて一日。グラスにさらにこってり怒られた……解せぬ。ラブマルージュには今までのふざけオカマ口調なしで頭を下げられてしまい。まぁ、城に来て二度目の死にそうな経験は今までで一番後味の悪い経験となった。
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