兵器使いの異世界騒動

優紗

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第一章 王宮訓練編

第二話 謁見と講義

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――――――――< side Nagato Yūya >

「どこだここ」

誰かが言う。俺は映像やゲームでしかみたことがない中世ヨーロッパの城にいるようだ。しかも玉座の間というのか?王様と謁見するところにいるらしい。

周りを見渡すとかなり多くの人がおり異世界ものでのクラス召喚とは比にならないほどの人数だ、おそらく学年全体はいるだろう。しかも我が岡部先生もいる、岡部先生は俺のクラスの担任で先生の中でもかなり若い方でしかも中学生か小学生かと思うほどのロリ感を出している(キチンと成人済み)。しかし、大人が何人かいることはとても心強い。

話がそれてしまったが扉には衛兵がおり俺たちを出さないよう立っていた。足元には複雑に描かれている魔法陣?がありこの広間全体に描かれていた。魔術師?魔法使い?というべき人が壁沿いに大勢おり座り込んでいた。

まず、真琴を探そう。教室内にいたはずだからそんなにお遠くにはいないと思うが。
少し探したがいた、真琴以外にも竹之や日向さんもいるようだ。

「大丈夫か?」
俺は真琴のところに合流する。

「私たちは大丈夫だけどユウくんは大丈夫?」
真琴は俺に気づいたらすぐに近づいてきてくれた。

「俺も大丈夫だ」
真琴や竹之、日向さんも顔色も悪くなく元気そうだ。

「私たちはどこにいるのかしらね」

「こういう展開はユウくんの部屋の漫画にあったよ、たしか異世界転生だっけ?」

「いや、転生してないだろ、これは転移もしく召喚だな」
と雑談をしていると玉座がある方面のドアが開き王冠を被ったおそらく王様と王妃と思う女性と執事が入ってきた。王様と王妃は玉座に座り横に執事が横に立った。すると王様が玉座から立ち、「おほん」と咳ばらいをし、みんなは王様に注目し静かになる。

「良くぞ来てくれた異世界の者たちよ!朕はこの王国、モルドセカ王国の国王セラシエ・ハイレ16世である。いきなり呼び出してすまないが異世界の者たちに頼みたいことがある。」
「陛下、異世界の人たちも召喚後すぐ立ったまま聞くのは大変でしょう。」
王妃らしき人が俺たちのことを気遣ってくれる言葉を王様に行ってくれた。周りに何人かはすこし体調が悪そうなやつがいるためナイス王妃様だ。

「おぉ、そうだったな。セバスよ、異世界の者たちを大貴族食堂に案内してやってくれ。」
そう王様が言うと王様と王妃がさっき出てきたドアへ戻りおそらく大貴族食堂に行ったのだろう。そしてセバスと言われた執事がまず、先生に話をつけて俺たちを案内してくれた。修学旅行のように列になりながら向かった。

一つの机に席が18人分ある大きな机があり、それが多くあった。俺たちは王様から近く遠くないほどよい距離の席に座った。先生たちが前に座り、学年全員がこの食堂に入ってきたようだ。
王様が立ち上がり演説を開始する。
「異世界の者たちよ、今、この世界の人類は滅亡の危機に瀕している。人類はここ数百年で魔族軍の攻撃により居住地域の1/3を失うという劣勢に陥っているのだ。先週ついに前線の国が滅びてしまった。この十数年で三ヵ国も滅んでおり二大大陸のうち半分を完全に喪失してしまったのだ。どうか!異世界の者たちよ、力を貸して共に戦ってほしい。」
演説をし終わり王様は座る。

前にいた先生たちは話し合い、学年主任の前田和男まえだかずお先生が王様に話しかけた。

「質問をしたいですがよろしいでしょうか?」
王様が承諾し前田は質問をする。

「私達は元の世界に戻れるのでしょうか?」
「すまないがもとに戻す方法はわからない。しかし、創造主、若しくは女神様方の魔法なら可能性はある。」

「命の保証はあるのでしょうか?」
「絶対とは言い切れない。この世界では魔物がおり襲ってくる。また、魔族軍の攻撃もあるため絶対とは言い切れない。しかし、強くなれるよう訓練や拠点の提供、ある程度の保護などできる限りのことはする。」

「なぜ、異世界の私達が必要なのでしょうか?」
「創造主エストシア様が異世界の者たちを呼ぶよう我らは導かれた。導きによると異世界の者たちは特殊な能力があり勇者と呼ばれている。この世界の者たちより強く訓練を行えば近衛兵より確実に強くなる。」

「なるほど、わかりました。ありがとうございます。」
先生たちはまた話し合い、どうやら決まったようだ。

「決まりましたかな?」
王様は前田に話しかける。

「わかりました。私達の力が必要と言うならば力を貸しましょう」
しかし、前田は王様に条件を突きつける。

・できる限りの我々の命の保証
・衣食住があり文化的な生活の保証
・この世界で生き残るレベルまでの訓練
・この世界での常識を学ぶ機会
・我々の人権の尊重
・元の世界に帰る方法の調査
・我々の対人類の軍事利用の禁止
・将来的な独立組織の保証
などなど基本的なことを言っていた。

「わかった、その条件を飲もう。これからよろしく頼むぞ」
王様は立ち上がり前田と握手をした。前田含む先生陣はほっとしたような雰囲気になる。先生たちは俺たちにこの世界で生きることとなったと話す。今のところ元の世界に戻る方法がないため、しかし、元の世界に戻ることが最終目標とすると話した。

王様のそばにいた秘書らしき人が書いていた紙を王様に渡した。王様は紙にサインをして前田に手渡した。

「その紙にサインをしてほしい。今言ったことが魔法契約となる」
魔法契約とは契約を行う双方の者が魔力を込めながらサインを行うことで双方はその契約を絶対破れないという契約とのこと。王様が言っていた。

前田は紙を受け取り内容をよく見てサインを行った。まだ魔力を込めながらサインなんてできないので、前田はサインした横に自分の血で拇印を押した。そうすると、契約書は光だし薄っすらと契約完了と文字が表れ、数秒たつと消えていった。

「これで契約完了だ」
王様も安心したような顔を見せた。近くにいた執事に命令を下す。
「教師を呼んでくれ」
執事は部屋をすぐに出て呼びに行った。

「これから少しこの世界について講義を行う。どうか小一時間くらい耐えてほしい」
よく赤点ぎりぎりを取っている勉強が嫌いな奴らは少し不機嫌になるが、大半の人は興味を持っているようだ。
少し待つと教師がやってきた、一部の生徒はノートも出し始めてた。

「この講義を行わせていただきます、ルシエーオ・ダン・バロウナットです。よろしくお願いします」
バロウナットさんは挨拶を行い、ムキムキの人が用意した黒板にカバンの横に置いてあったくそでかい紙を磁石で止めた。
「まずこれはこの世界の地図です」

地図はかなりの大きさで黒板いっぱいにあった。
「この世界は大陸が二つあり、東の大陸がイストーシア大陸で西の大陸がウェストリニア大陸となっております。今いるモルドセカ王国はウェストリニア大陸にあります」
俺は中世の時代の地図にしては正確なこととイストーシア大陸の空白地帯が気になった。

「イストーシアはすべてが魔族軍によって陥落しており近年、沿岸部にあった諸国が滅びました」
バロウナットさんは差し棒を持ちバツ点を差し、説明し始める。
「今はガアラタ地峡での対魔族軍統一戦線の活躍によりウェストリニアには本格的な攻撃はありませんがガアラタ地峡の近隣諸国に小規模な攻撃が行われているのが現状です」

「モルドセカ王国はウェストリニア大陸の中央部にあり今は安全でありますが対魔戦線が瓦解すればいずれ攻撃を受けるでしょう。そのためにも勇者様一行の御力を賜りたいのです」
周りのみんなはすこしこわばった顔になっており、ファンタジーで浮かれていた心に冷や水を浴びさせられたようだった。

そのほかに簡単な隣国の説明や王国の主要な都市の説明を行った。そして、次はルールについて。
「この世界の基本的なルールはあなた方の世界と基礎的なものは変わりません」
そしてバロウナットさんは例を挙げていく。殺人、窃盗、器物破損、不法侵入、詐欺、不正、公然わいせつなどなど基本的なものだった。

「しかし、この世界には魔法がありますゆえ魔法に関する法律があります。例えば、町中で攻撃魔法使うことは許されない、冒険者や騎士などの許可を得たもの以外が攻撃魔法の習得を禁止するなど多岐にわたります。今回はそのことをおぼえていただきます」
バロウナットさんは他にも例を挙げていき、どれもそりゃそうだと思うようなものだった。

この世界のルールを覚えたところで俺たちの能力に入っていく。異世界についたらやりたいことナンバーワンだ!
「"ステータスオープン"と言うと今見えていないと思いますが私にはここにステータスプレートが表示されています」
みんなも試しにと同じように「ステータスオープン」という、俺も言うと青色半透明の板が浮かび上がってきた。SFなどでありそうなホログラムタブレットのようだ。そのまま俺のステータスがバン!と出てくるのではなく色々と種類があるようだ。なんかタブレットのような感じがするUIやホーム画面があるステータスプレートだ。ステータスの確認だけではなく様々な機能があるらしくスマホのアプリのように表示されていた。

バロウナットさんが色々と説明してくれた。まず、基本のステータスの確認。名前や性別、年齢などの基礎的な情報とスキルや魔法や武術なんとMPなどの魔法要素や技能的なのも反映されるらしい。しかしHPや力や耐性などの数値にしがたいものはないらしい。

次は身体の情報についてだ。病気や怪我、体への負荷の確認ができるようだ。他にもスキルポイントの振り分け?とかアイテムボックスやメモなどがありかなり多機能だ。

「心の中で言えば声に出さずにもステータスプレートは出すことができます。また、閉じるときはステータスクローズと言えば閉じます」
それを聞きステータスプレート閉じたり開けたりした。
「では、各機能を説明したので実際に見ていきましょう」
まずは、ステータスを確認することになった。下にステータスと書かれたアイコンを押すと俺のステータスが表示された。

【名前】永戸祐也

【種族】人間族 【性別】男性

【年齢】16歳  【職業】転移者Lv1 【属性】火・水・他属性(転移魔法)

【魔力】78     【運】87

【スキル】
アイテムボックス Lv.1
異語理解

【ユニークスキル】
武器使いアームズマスターLv.4☆x3


【技能】
剣術(刀)Lv8 |☆x3
弓術Lv3 |
・魔法
火魔法Lv1
水魔法Lv1
転移魔法Lv1 ☆x1
無属性魔法Lv2 ☆x1

ステータスパネルには数々のスキルと技能が載っていた。案外少ないと思うも内容をよく見てみるとユニークスキルやレベルが高い剣術などがあり俺は(これこそ異世界ものだ!)っと興奮する。周りもざわざわしておそらく友達とかと自分のステータスを言い合っていた。
「ねえねえ、ユウくんはどうだった?」
隣にいた真琴が俺のステータスについて聞いてきた。

「どうって言っても自分のしかしらないから比較できないぞ?」
いまいち俺のステータスが強いのか弱いのかわからないことを真琴に言う。

「じゃあ自由時間になったら一緒に見ない?」
真琴がなぜか少しだけ頬を赤らめながら聞いてきた。なぜ赤らめているのかわからないけど可愛いなと思っているとある案を思いついた。
「いいな、竹之たちを呼んで比べてみるか!」

「……そうだね、鈴月ちゃんたちもいた方がいいよね」
俺は名案と思い提案するがなぜか真琴は呆れたような表情をしていた。こういう時の真琴にはあまり突っ込んだりせずひくことが大事と長年の経験から判断し、すこし身をひくとバロウナットさんがみんなを静かにし授業を再開する。

「ではステータスがご覧になられたと思いますので解説に移ります」
バロウナットさんはステータス表を解説した、まとめるとこうなった。

名前、種族、性別、年齢は基本情報。
職業とは系統(戦士系統、魔法使い系統などなど)で生まれつき変えることはできないが職業は変えることができ上位職に条件を満たせば転職できるらしい。努力次第ではその系統の最高職になることもできる。

属性とは人によって使える魔法の種類で火・土・風・水・闇・光の基本属性と他属性、無属性がある。無属性は誰でも使えるらしく、俺は火魔法、水魔法、転移魔法と無属性魔法の四つが使えるようだ。
魔力や運はパラメーターで体力や攻撃力、守備力などは数値化が難しいようでステータスには載ってないが存在はしている(感覚で判断)。魔力は平均的な冒険者は剣などの物理メインが80程度、魔法メインが300程度。運は50が普通。

技能は剣術や弓術、火魔法、無属性魔法などの戦闘に関するものが載っている。
スキルは技能にあるもの以外で便利系や情報系、盗賊系、耐性系など様々がある。
☆はいわば得意分野のようなもので星の数に応じて初期Lv高くなり成長速度も速くなる。

ざっとこんな感じだ。
他の機能の説明をあらかた聞いて移動となった。食堂へ向かうことになり、ちょうどおなかがへっている時間にだったことや、異世界の料理といっても素材はゲームや本でしか読んだことしかないものが多かったが料理自体は普通にありそうなものだったため、みんな異世界の宮廷料理を腹いっぱいに食うことができた。

宿舎に向かうことになりさっきと同じく修学旅行のように向かった。クラスメイトの顔は不安とすこしの期待があった。王宮から少し離れ、騎士とすれ違うことが多くなっていた。もしかしたら訓練場が近いのかもしれない。
移動の途中に竹之に風呂入ろうと誘って、そのあとに真琴たちと一緒にステータスをみることとなった。

宿舎はでかく三階建てで王宮と同じようなつくりをしていた、さすがに装飾は多くないが校舎とは天と地ほどの差があった。まずは部屋に案内させた、クラスごとに固まっているようだ。俺は角部屋で隣が真琴でその隣が鈴月さん、俺の向かい側が竹之だった。

部屋はイメージとしては普通のビジネスホテルぐらいの広さ、トイレや風呂は別のところにあるらしい。俺は背負っていたリュックをベットの横に立てかけてベットに座った。
さっき、案内してくれたメイドさん(秋葉原にいるような人ではない)にもらった。どうやら日程表のようだ。
「十時には消灯で、その間は自由時間か」
部屋に時計があった、アナログで数字も同じでよかった。今の時間は午後六時であと四時間はある。

日程表には裏があり見てみるとさっきの講義でいっていた、ここでの規則が書かれていた。規則は当たり前のことが書かれており案外締め付けられるのかと思ったが違ったようだ。特出すべきあまりないが内容は勝手に城の外に出てはいけないや城内での日常魔法以外の魔法禁止、城内の装飾品を触らないなどだ

俺は色々とあった疲労を回復すべく風呂に行こうとすると、コンコンとドアがたたかれた。鍵を開けドア開くと竹之がいた。
「風呂に行くよ」
と竹之はいい俺は急いで日程表と一緒に渡された地図を持ち竹之と共に風呂場へと向かった
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