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第一章 王宮訓練編
第一話 Prologue
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――――――――< side Nagato Yuya >
ピピッ……ピピピピッ………ピピピピピピピピッ!
寒暖差が激しいこの3月、肌寒い朝に目覚ましが鳴り響く。俺こと永戸祐也は羽毛にくるまりながら寝ぼけた頭でやや強めに押し、なんとか目覚ましを止め再び安住の地である羽毛布団へ戻る。
そんな温もりの時は終わりを告げる。足音が階段を上がっていき俺の部屋の前で止まる。
「ユウくん、起きて!」
バン!という効果音が付きそうな勢いで開けて起こしに来たのは幼馴染である大輪真琴。朝が弱く海外出張で両親がいない俺をほぼ毎日起こしに来てくれる頼りになる幼馴染だ。だが今は俺を楽園から出そうとする悪魔のようなものだ。
なかなか動こうともしない、そもそも起きているのか不明な俺に真琴はため息を吐き近づいてくる。
「起きろ~」
と俺を揺らすも夜更かしをしてしまったため圧倒的に眠い。いつも通り「あと十分」と言い仰向けだった体を真琴とは反対向きに向ける。そうすると、真琴は脳が揺れるぐらい大きく揺さぶってくる。
「とぉぉい!」
いつもより頑なに起きない俺に少しイラついたのか、羽毛にくるまっている俺に向けてチョップをする。無防備な俺の横腹にヒットし、いやでも目が覚めるような痛みが走る。
「グハッ」
「お は よ う !」
俺は飛び起き、真琴の御尊顔を拝しご機嫌を取るため真琴のほうへ向く。
真琴の容姿は明るめの茶髪で肩よりちょいしたぐらいまで伸びており、スレンダーな体型で顔も長年見ているからあまりわからないが普通の人よりはいい方であると思う。しかし、今の顔は人に見せられるような顔ではないが、ほぼ生まれたころから一緒にいるためわかるがこの顔をしている真琴はかなりまずい。
「お、おはようございます!」
俺は真琴のご機嫌を取り、布団からでる。そこからいつも通りの朝のルーティンを始める。
「はぁ…、いつもの時間より遅れてるから早く支度してね、朝ごはん準備してくるから」
真琴はそういい一階へ向かっていった。俺は速攻で歯磨きと着替えを同時に行い、昨日時点で準備済みのリュックとその他荷物を持ちリビングに向かう。途中で荷物を玄関に置き、リビングに入る。
ちょうど、真琴が朝飯を作り終えたようだ。制服の上にエプロンというとても良い姿で目が癒される。
「おっ、準備速かったね、ちょうど朝ごはんができたよ」
そう真琴はエプロンを脱ぎ、ダイニングテーブルの方に座る。我が家では飯はダイニングでゴロゴロするときはコタツとなっている。そんなことはさておき、俺も椅子に座り朝飯をいただく。
「いつもありがとな、んじゃいただきます」
真琴に朝飯の感謝を伝え、朝飯を食い始める。朝飯はいたってシンプルで白米とベーコンエッグにお味噌汁と普通だ。ちなみに、朝飯の感謝は毎日言っているぞ、俺を起こしてくれて朝飯も作ってもらっているから、唯一俺にできる感謝を送っている。
「はい、どういたしまして。じゃ、いただきます」
真琴も食べ始める、なお真琴の方が量がおおくウィンナー付きだ。
「そういえば、今日は起きるのが遅かったけど夜更かししたの?」
真琴はウィンナーを口に入れ、口を左手で隠し食べながら聞く。
俺は行儀が悪いぞと注意し話を続ける。
「いや~ほしいキャラが来るまで周回していたら日付をとっくのとうに過ぎてな」
「もー、夜更かしはもうすぐ春休みなんだからその時にするべきでしょ?」
「うす、すいません。でもどうしても欲しくて」
とそんな雑談をしながら朝飯を食べ、早めに準備していたことあり乗り遅れて遅刻するなんてことはなく優雅に登校することができた。ちなみに俺には遅刻癖はない。
俺と真琴は一年A組だ。三階の奥の方にある、早めにいかないと遅刻することがあるから5分前にはつきたい。教室に入ると窓側最後列のいつも通りの席に座る。なお真琴は教室入り口にいる女子に捕まってしまったようだ。
前の席にいる中学からの友人である飛龍竹之が声かけてきた。
「おはよう祐也。英語の宿題やったか?」
「あぁおはよう、ん?英語の宿題なんてあったのか?」
俺は驚愕し冷や汗をかきながら言う。
「やっぱりか、君はテストの点数はいいのになぜなんだ?」
竹之は仕方ないと呆れながら俺に宿題を見してくれた。
真琴が会話に参加してきた、ちなみに真琴の席は俺の隣だ。
「多分、やる気がないからね、やる気を出せば完璧なのに」
「何事も程々がいいんですよ」
宿題を写しながら横から来た声に話し返す。
「成績は高い方がいいと思うけど?」
と俺の斜め前の席の人日向 鈴月さんが話しかけてきた。ちなみに竹之の彼女だそう、末永く爆発しろこのリア充どもめ。
「目立ちたくないものでね」
俺はややかっこつけて言う。そうすると真琴はジト目で見てきたがすぐにリュックから荷物を出し始めた。そしてなぜか日向さんは興味深そうに見てくる。
俺は竹之は宿題をしろと言われ、再度集中しようとすると先生が入ってきてSHRが始まる。
なんとか一時間目に宿題を終わらせることができ、そのまま何事もなく授業が終わっていき帰りのSHRがついに終わり放課後を迎えた。
俺は剣道部の活動があり剣道場に向かおうと仁琴たちと分かれることになる。この学校に剣道場はなく近くの俺のじいちゃんの道場を借りて活動している。そのため、俺も入っている。ちなみに弓道も教えているため弓道部も道場を借りている。
真琴に部活に行ってくることを伝え荷物を持って教室を出ようとしたとき、床がいきなり光りだした。
眩しくて目を閉じる。まぶた越しに見える光が収まり目を開けると、そこには映像やゲームでしか見たことがない中世ヨーロッパなお城にいた。
「どこだここ」
誰かが言う。
どうやら俺は異世界に来てしまったのかもしれない。
ピピッ……ピピピピッ………ピピピピピピピピッ!
寒暖差が激しいこの3月、肌寒い朝に目覚ましが鳴り響く。俺こと永戸祐也は羽毛にくるまりながら寝ぼけた頭でやや強めに押し、なんとか目覚ましを止め再び安住の地である羽毛布団へ戻る。
そんな温もりの時は終わりを告げる。足音が階段を上がっていき俺の部屋の前で止まる。
「ユウくん、起きて!」
バン!という効果音が付きそうな勢いで開けて起こしに来たのは幼馴染である大輪真琴。朝が弱く海外出張で両親がいない俺をほぼ毎日起こしに来てくれる頼りになる幼馴染だ。だが今は俺を楽園から出そうとする悪魔のようなものだ。
なかなか動こうともしない、そもそも起きているのか不明な俺に真琴はため息を吐き近づいてくる。
「起きろ~」
と俺を揺らすも夜更かしをしてしまったため圧倒的に眠い。いつも通り「あと十分」と言い仰向けだった体を真琴とは反対向きに向ける。そうすると、真琴は脳が揺れるぐらい大きく揺さぶってくる。
「とぉぉい!」
いつもより頑なに起きない俺に少しイラついたのか、羽毛にくるまっている俺に向けてチョップをする。無防備な俺の横腹にヒットし、いやでも目が覚めるような痛みが走る。
「グハッ」
「お は よ う !」
俺は飛び起き、真琴の御尊顔を拝しご機嫌を取るため真琴のほうへ向く。
真琴の容姿は明るめの茶髪で肩よりちょいしたぐらいまで伸びており、スレンダーな体型で顔も長年見ているからあまりわからないが普通の人よりはいい方であると思う。しかし、今の顔は人に見せられるような顔ではないが、ほぼ生まれたころから一緒にいるためわかるがこの顔をしている真琴はかなりまずい。
「お、おはようございます!」
俺は真琴のご機嫌を取り、布団からでる。そこからいつも通りの朝のルーティンを始める。
「はぁ…、いつもの時間より遅れてるから早く支度してね、朝ごはん準備してくるから」
真琴はそういい一階へ向かっていった。俺は速攻で歯磨きと着替えを同時に行い、昨日時点で準備済みのリュックとその他荷物を持ちリビングに向かう。途中で荷物を玄関に置き、リビングに入る。
ちょうど、真琴が朝飯を作り終えたようだ。制服の上にエプロンというとても良い姿で目が癒される。
「おっ、準備速かったね、ちょうど朝ごはんができたよ」
そう真琴はエプロンを脱ぎ、ダイニングテーブルの方に座る。我が家では飯はダイニングでゴロゴロするときはコタツとなっている。そんなことはさておき、俺も椅子に座り朝飯をいただく。
「いつもありがとな、んじゃいただきます」
真琴に朝飯の感謝を伝え、朝飯を食い始める。朝飯はいたってシンプルで白米とベーコンエッグにお味噌汁と普通だ。ちなみに、朝飯の感謝は毎日言っているぞ、俺を起こしてくれて朝飯も作ってもらっているから、唯一俺にできる感謝を送っている。
「はい、どういたしまして。じゃ、いただきます」
真琴も食べ始める、なお真琴の方が量がおおくウィンナー付きだ。
「そういえば、今日は起きるのが遅かったけど夜更かししたの?」
真琴はウィンナーを口に入れ、口を左手で隠し食べながら聞く。
俺は行儀が悪いぞと注意し話を続ける。
「いや~ほしいキャラが来るまで周回していたら日付をとっくのとうに過ぎてな」
「もー、夜更かしはもうすぐ春休みなんだからその時にするべきでしょ?」
「うす、すいません。でもどうしても欲しくて」
とそんな雑談をしながら朝飯を食べ、早めに準備していたことあり乗り遅れて遅刻するなんてことはなく優雅に登校することができた。ちなみに俺には遅刻癖はない。
俺と真琴は一年A組だ。三階の奥の方にある、早めにいかないと遅刻することがあるから5分前にはつきたい。教室に入ると窓側最後列のいつも通りの席に座る。なお真琴は教室入り口にいる女子に捕まってしまったようだ。
前の席にいる中学からの友人である飛龍竹之が声かけてきた。
「おはよう祐也。英語の宿題やったか?」
「あぁおはよう、ん?英語の宿題なんてあったのか?」
俺は驚愕し冷や汗をかきながら言う。
「やっぱりか、君はテストの点数はいいのになぜなんだ?」
竹之は仕方ないと呆れながら俺に宿題を見してくれた。
真琴が会話に参加してきた、ちなみに真琴の席は俺の隣だ。
「多分、やる気がないからね、やる気を出せば完璧なのに」
「何事も程々がいいんですよ」
宿題を写しながら横から来た声に話し返す。
「成績は高い方がいいと思うけど?」
と俺の斜め前の席の人日向 鈴月さんが話しかけてきた。ちなみに竹之の彼女だそう、末永く爆発しろこのリア充どもめ。
「目立ちたくないものでね」
俺はややかっこつけて言う。そうすると真琴はジト目で見てきたがすぐにリュックから荷物を出し始めた。そしてなぜか日向さんは興味深そうに見てくる。
俺は竹之は宿題をしろと言われ、再度集中しようとすると先生が入ってきてSHRが始まる。
なんとか一時間目に宿題を終わらせることができ、そのまま何事もなく授業が終わっていき帰りのSHRがついに終わり放課後を迎えた。
俺は剣道部の活動があり剣道場に向かおうと仁琴たちと分かれることになる。この学校に剣道場はなく近くの俺のじいちゃんの道場を借りて活動している。そのため、俺も入っている。ちなみに弓道も教えているため弓道部も道場を借りている。
真琴に部活に行ってくることを伝え荷物を持って教室を出ようとしたとき、床がいきなり光りだした。
眩しくて目を閉じる。まぶた越しに見える光が収まり目を開けると、そこには映像やゲームでしか見たことがない中世ヨーロッパなお城にいた。
「どこだここ」
誰かが言う。
どうやら俺は異世界に来てしまったのかもしれない。
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