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16ー2.あれれれれ?もう終わりっすか?

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「こんな時にドジを発動すんなレイア!」

マズイ!戦えるのって、俺とシェリスだけじゃね?
これは……人数差ありすぎてやっべぇぞ!

「あーー、ヤケクソだ!机!椅子!」

ガラッ――。

「……ど、どこから?」

よし。当たってくれるかと思ってたけど、足を止められただけいいだろ。
計算ずくってことで、堂々としてろ俺!

「ヘッドセット!」

ポロンと落ちてきたヘッドセットをつかみ、俺はとりあえずぶん投げた。

ペシッ――。

「な、なんだコレ」
「大丈夫か!?」
「あ、ああ。遅効性の魔道具かなにかか?」
「分からん」

効いてねぇぇぇ!
足止めにしかならんだと!?
最初から分かってたけど、役に立たんなスキルッ!

いや、待てよ。
俺には神託スキル以外にもあったはずだ。

【剣術】と【家庭料理】という、立派な一般スキルが!

でも剣がないし。
料理を振る舞って、故郷を思い出させるのも違うし。

いや、ちょっと待てよ。
スキル【コールセンター】は、コールセンターの必需品が生成できる。
とりあえず片っ端から想像しまくって、一般スキルと組み合わせて使えそうなものを、出すしかねえ。

「ほうき!モップ!ちりとり!」

剣術に使えるかと思ったけど、出てこないか。

「包丁!フライパン!」

出てきたとこで、何を作るってんだ!コールセンター関係ねえ!

「紙!」

ペラッ――。

ま、まあ出てくるとは思った。
助かるー世紀末の奴らがバカで。そのまま驚きで固まっててくれ!

「ペン!文鎮!インク!インク壺!」

ガラガラ――。

「っしゃあ!筆記用具ゲット!」

どうやら筆記用具は出てくるらしい。
日本で言うPCの代わりだろうか。

であれば……。

一旦インク壺やら、文鎮やら、ペンやらをぶん投げて、唾液臭い奴らを牽制してと。

「投げてきやがるぜ!」
「卑怯だぞ!」
「ジャクソンッ!」

いでよ!

「ハサミ!ペーパーナイフ!ホッチキス!」

バラバラ――。

「っしゃきたぁぁ!けど、なんか嫌だぁぁ!」

そんなこと言ってる暇はない!
やるんだ俺!ハサミでぐさり!と。
ペーパーナイフでシャキンッ!と。
ホッチキスでパチンッ!と。

「ジャクソンッ!」

南無三!
俺は飛びかかってきた、ヨダレナイフかわして、ホッチキスを握りしめた。

「ごめん!」

そして、大開脚したホッチキスを、顔に当てた。

ピチンッ――。

「じゃ、ジャクゾォアオンッ!」

ぐぁぉぁぁぁ、この感触はグロすぎるぅぅぅ。
すまん、変な口癖の男よ。
眉間に芯が刺さって……うわぁぁあ、グロイ。
絶対痛いやつ。
だが、立ち上がらせんぞ!

「うぉぉぉぁらああああ!」

「じゃっそ、ジャッソン!」

顔面にペチペチしてやった。
いやでも、こう見てみると、意外と様になってるな。
ピアスっぽくて、世紀末感が増してる。
もうちょっとやるか?

もう一度ホッチキスを差し込もうとしたら、悲痛な叫びが轟いた。

「ベンジャミン!くそぉぉぉ、俺の友だちを!」

どうやらホッチキスの犠牲者の友だちらしい。

「ジャ、ジャクソン……ン」

「ベンジャミーン!」

そうか。ジャクソンは口癖なんかじゃなくて、実在の友だちだったんだ。
まるで今生の別れのようだ……。

「こんなんで死なないから。後で芯を抜けばいいから」

まあ痛いだろうし、グロいけども。
こんなんじゃあ、人は死なんぞ!

しかし想いは伝わらなかった。
ジャクソンは怒りのままに叫ぶ。

「ベンジャミンの恨み!食らえ!ファイアーボール!」

「何!?ラノベ、アニメでは擦り切れるほど見てきた、火球の魔法ファイアーボールだと?」

ボシュツ――。

「はあ、はあ」

「届いてないけど」

ジャクソン、めっちゃ疲れてるじゃん。
途中でボシュッて消えちったよ。

「ぴょんぴょん!」
「ブベンッ」

「びょん!」
「ほげっ」

シェリスの方は、追加で二人を倒したと。
ほとんど、シェリスが倒してくれてるな。助かるわ。

さて残りは……。

あれ?
あれ?

誰も立ち上がってこない!?

もしかしてコイツら、クソ弱いんじゃね?

ベンジャミンは、オーラが消えかかってるし。
要するに魔力切れだろ?

ファイアーボール一発で!

「あーれれれれ?プリケツギルドの皆さーん!そんなもんですかぁぁぁ?もう終わりっすかぁぁぁぁあ?」

煽らずにはいられねえや。






――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
作者の励みになりますので、♡いいね、コメント、☆お気に入り、をいただけるとありがたいです!
お手数だとは思いますが、何卒よろしくお願いします!
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