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15−1.ギャングスタ
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「なんか、ごめんな」
俺含めて、全員が謝った。
「う、うん」
少女を完全に置いてけぼりにしていたからだ。
俺たちはスキル検証に集中し、シェリスはソファでうとうとしてて、レイアは俺たちのスキル検証を羨ましげに見つめていた。
少女一人、どうしたらいいか分からず、受付前で呆然としていたのだ。
普通に悲しすぎる。
グループ作ってくださーいと言われ、取り残された悲しき生徒のように……くっ、俺じゃねえか。
泥棒だからって、さすがにハブる気はなかったんだよ。
だからといって、帰すわけにもいかんし。
ということで、ちゃんと会話に混ぜてあげよう。
「えーと、君に指示をしたのは、どんな奴だったか覚えてるかな?」
「……スカムって男の人。ウンチみたいな髪の色してる」
「う、ウンチ色の髪。臭そうな奴だね。ソイツはパーティ組んでたかな?」
「うん。【スカムカムカム】ってパーティだよ」
「スカムカム……なんだその、アホがつけた名前は。そ、そうなんだ。もしも、秘宝を手に入れたら、どこに持ってく予定だったのかな?」
「プリッケ冒険者ギルドの、一階の端っこ」
「そうか、うん分かった。ありがとねえ」
おっさんの持つ秘宝が、奪われてしまうパターンは三つある。
おっさんが倒されて、正々堂々盗まれる。
ビリガン夫人の拉致されて、身代として要求される。
ギルドが攻撃されて身代として要求される。
パターンのうち二つは、腰振りビリガンがついてるので、だいぶ安全。
ただギルドはな……。
どんな方法で攻撃してくるかわからんし。
物理的にドカーンとくるかもしれんし、経済的にネチネチやるかもしれん。
もしかしたら、ウンチ色の髪を軒先に撒き散らして呪いだとか言いまわるかもしれん。
あー、それならウンチを撒いたほうが効果的だな。その方が臭えし、汚えもん。
まあとにかく、どんな攻撃をしてくるか分からんから、こっちから叩く。
ギルドがなくなって困るのは、おっさんではなくて俺たちや、ちびっ子冒険団の浮浪児たちだ。
やるしかねっしょぉぉ!
スカムのウンチ色の髪を剃り落として、元ウンチ君のツルピカマルコメうんち君にレベルアップさせてやらあ!
「プリケツはどこにある?」
「それならぁ、シェリスちゃんのお尻が……」
「プリッケギルドです。すんません、冗談はやめます」
「王都ですよぉ」
「王都だって!?俺、入れねえんだけど」
「すぐに退散すればいいのではぁ?」
……俺は今から、プリッケギルドのスカムに、話をつけに行くわけで。
間違いなく揉めます。
ウンチ色の髪のスカムが、騎士呼びます。
俺たち逃げます。
スカムと騎士から狙われます。
ホーリーシッッ!
「やっぱ止めるかー」
シコって寝るのが一番だろうな。
よーし、それじゃあ本日獲得したオカズコレクションから、一本を再生して……。
「なにが問題ぴょん?」
すぅーはあ。
もっとぴょんぴょん言ってくれー。今、コレクションに音声を足してるから……もっとプリーズ!
「王都に入るなと言われたのなら、やはり入ってはダメだろう。騎士の指示には従わないとな」
「……うん?秘宝は、プリッケギルドと国からも狙われるぴょんね?今さら日和ってなにか変わるぴょん?」
「たしかに!すごいなジュン!君は過酷な道を歩むのが好きなのだな。敬虔な信徒なのも頷けるよ」
……。
このままレイアに喋らせるのは、マズイ気がする。
俺のオカズコレクション、略してオカコレもストリーミングを止めちったし。
奴にはこれ以上喋らせるなと、本能が叫んでるな。
それに、シェリスの指摘には一理どころか七味も効いてる。
よし!今度はマジで、行きまぁぁぁあす!
「っしゃあオラ!ありがとうシェリス!お前の言う通りだな。じゃあ行くぞッ!」
「なんだか楽しくなってきましたねぇ」
「わ、私も楽しいぴょん。アドミラたん!」
「あ、剣が……まあいいか。この拳で――」
っとその前に……。
「おっさん!これ借りるぜい!」
「お、お?何に使うんだそんなもん。あ、おい!思念通話器も持ってけや!なんか使えるかもしんねえだろ!」
「おけい!」
――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
作者の励みになりますので、♡いいね、コメント、☆お気に入り、をいただけるとありがたいです!
お手数だとは思いますが、何卒よろしくお願いします!
俺含めて、全員が謝った。
「う、うん」
少女を完全に置いてけぼりにしていたからだ。
俺たちはスキル検証に集中し、シェリスはソファでうとうとしてて、レイアは俺たちのスキル検証を羨ましげに見つめていた。
少女一人、どうしたらいいか分からず、受付前で呆然としていたのだ。
普通に悲しすぎる。
グループ作ってくださーいと言われ、取り残された悲しき生徒のように……くっ、俺じゃねえか。
泥棒だからって、さすがにハブる気はなかったんだよ。
だからといって、帰すわけにもいかんし。
ということで、ちゃんと会話に混ぜてあげよう。
「えーと、君に指示をしたのは、どんな奴だったか覚えてるかな?」
「……スカムって男の人。ウンチみたいな髪の色してる」
「う、ウンチ色の髪。臭そうな奴だね。ソイツはパーティ組んでたかな?」
「うん。【スカムカムカム】ってパーティだよ」
「スカムカム……なんだその、アホがつけた名前は。そ、そうなんだ。もしも、秘宝を手に入れたら、どこに持ってく予定だったのかな?」
「プリッケ冒険者ギルドの、一階の端っこ」
「そうか、うん分かった。ありがとねえ」
おっさんの持つ秘宝が、奪われてしまうパターンは三つある。
おっさんが倒されて、正々堂々盗まれる。
ビリガン夫人の拉致されて、身代として要求される。
ギルドが攻撃されて身代として要求される。
パターンのうち二つは、腰振りビリガンがついてるので、だいぶ安全。
ただギルドはな……。
どんな方法で攻撃してくるかわからんし。
物理的にドカーンとくるかもしれんし、経済的にネチネチやるかもしれん。
もしかしたら、ウンチ色の髪を軒先に撒き散らして呪いだとか言いまわるかもしれん。
あー、それならウンチを撒いたほうが効果的だな。その方が臭えし、汚えもん。
まあとにかく、どんな攻撃をしてくるか分からんから、こっちから叩く。
ギルドがなくなって困るのは、おっさんではなくて俺たちや、ちびっ子冒険団の浮浪児たちだ。
やるしかねっしょぉぉ!
スカムのウンチ色の髪を剃り落として、元ウンチ君のツルピカマルコメうんち君にレベルアップさせてやらあ!
「プリケツはどこにある?」
「それならぁ、シェリスちゃんのお尻が……」
「プリッケギルドです。すんません、冗談はやめます」
「王都ですよぉ」
「王都だって!?俺、入れねえんだけど」
「すぐに退散すればいいのではぁ?」
……俺は今から、プリッケギルドのスカムに、話をつけに行くわけで。
間違いなく揉めます。
ウンチ色の髪のスカムが、騎士呼びます。
俺たち逃げます。
スカムと騎士から狙われます。
ホーリーシッッ!
「やっぱ止めるかー」
シコって寝るのが一番だろうな。
よーし、それじゃあ本日獲得したオカズコレクションから、一本を再生して……。
「なにが問題ぴょん?」
すぅーはあ。
もっとぴょんぴょん言ってくれー。今、コレクションに音声を足してるから……もっとプリーズ!
「王都に入るなと言われたのなら、やはり入ってはダメだろう。騎士の指示には従わないとな」
「……うん?秘宝は、プリッケギルドと国からも狙われるぴょんね?今さら日和ってなにか変わるぴょん?」
「たしかに!すごいなジュン!君は過酷な道を歩むのが好きなのだな。敬虔な信徒なのも頷けるよ」
……。
このままレイアに喋らせるのは、マズイ気がする。
俺のオカズコレクション、略してオカコレもストリーミングを止めちったし。
奴にはこれ以上喋らせるなと、本能が叫んでるな。
それに、シェリスの指摘には一理どころか七味も効いてる。
よし!今度はマジで、行きまぁぁぁあす!
「っしゃあオラ!ありがとうシェリス!お前の言う通りだな。じゃあ行くぞッ!」
「なんだか楽しくなってきましたねぇ」
「わ、私も楽しいぴょん。アドミラたん!」
「あ、剣が……まあいいか。この拳で――」
っとその前に……。
「おっさん!これ借りるぜい!」
「お、お?何に使うんだそんなもん。あ、おい!思念通話器も持ってけや!なんか使えるかもしんねえだろ!」
「おけい!」
――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
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お手数だとは思いますが、何卒よろしくお願いします!
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