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7ー2.我が暗器に触れるなッ!
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「レイア。助けてくれてありがとう。これはお礼だぜ」
決め台詞とともに、唇を重ねようとした。
その時だった。
グイッと頬に痛みが走った。
「あ、痛だだだだ」
レイアのゴツい手が俺の唇を遮り、指が頬に食い込んでいた。
「言っただろう。私は結婚するまで操を守ると決めている。キスなんかしたら、子どもができてしまうだろう」
「ふぁ?」
「ところで、さっきからお尻でビクビクしてるこの棒はなんだ?」
コイツもしかして、知識が乏しい感じ?
キスで子どもて。
日本も異世界もパターンは同じかよ。
「ちょっと見てもいいか?この棒が気になって――」
「レイアッ!」
「な、なんだ?そんなに叫ばなくても」
「見てはならぬ。触れてはならぬ、我が暗器に」
「あ、暗器だと?見たい!ぜひとも見させてくれ。私は武器に目がないんだ。それとできれば触らせてほしい」
「触るなッ!逝ってしまう」
「逝く……だと?触れただけで昇天する暗器とは。ジュンは大丈夫なのか?ずっと腰に隠していたんだろう?」
「ああ。俺は俺だけは大丈夫。何万回も触れてきたのだからな」
「……触れるだけで昇天する暗器を、何万回も。す、すごいな」
「さあ離れ給え。目をつぶり、そっとな。ゆっくりと慎重にそっと」
「あ、ああ。分かった。あれ?さっきからお尻に触れてるが……」
「衣服の上からは大丈夫なのだ!早く離れよ!」
「あ、ああ。すまない」
ゆっくりと立ち上がるレイアは、俺の言う通りに目をつぶっている。
コイツは本当にいい奴だ。
明日からいい友達で居たいと思う。
でも今日は、今日だけは、息子が悲鳴をあげるぐらいに、ナデナデしてあげようと思う。
さて、まずはギンギンな息子に落ち着いていただきたいが、これは無理だ。
まったく手に負えないドラ息子め。
「も、もう目を開けていいか?」
「ならぬ!しばし待て!」
「わ、分かった!」
俺は自分の服を拾い上げた。
ゴブリンの唾液と血液でドロドロに汚れてて、もう着れたもんじゃない。
Tシャツはまだ着れそうだけど……。
隠したいのは下なんだよ。
俺は仕方なく、Tシャツを破って腰に巻きつけた。
「……ちっ。ゴブリンと大差ないな。レイア!もうちょい目をつぶってろ!」
「任せろ!」
……本当に良い奴だが、不安になってくる。
ああも人を疑わない奴は、詐欺師のいいカモだろうに。
目を閉じる綺麗な横顔を脳みそに焼き付け、俺はガサガサと下草を掻き分けた。
ちょいと調べることがあるもんでね。
「これか、ゴブリンたちが固まった原因は」
その場所にあったのは、馴染みのある物だった。
俺にはとても馴染み深い、コールセンターの必需品……ヘッドセットだ。
なるほど。
突然ヘッドセットが降ってきたら、誰だって固まるわな。
だがなぜだ?
たしかゴブリンたちが固まる前、俺は怒ってた。
スキルがクソで、この窮地には役に立たねえと。
そういや皮肉ったな。
ヘッドセットで殴れっていうのかあああ!的なことを。
その直後に、何かが抜けるような感覚。
これはアレだ!
スキル覚醒の瞬間だ!
抜けてったのは、魔力か神力か?なんでもいいけど、そういうことだろ。
よーし、ようやく来たぜ。
俺の時代が。
「ッなわけねえだろ!ヘッドセットで何しろってんだッ!」
――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
作者の励みになりますので、♡いいね、コメント、☆お気に入り、をいただけるとありがたいです!
お手数だとは思いますが、何卒よろしくお願いします!
決め台詞とともに、唇を重ねようとした。
その時だった。
グイッと頬に痛みが走った。
「あ、痛だだだだ」
レイアのゴツい手が俺の唇を遮り、指が頬に食い込んでいた。
「言っただろう。私は結婚するまで操を守ると決めている。キスなんかしたら、子どもができてしまうだろう」
「ふぁ?」
「ところで、さっきからお尻でビクビクしてるこの棒はなんだ?」
コイツもしかして、知識が乏しい感じ?
キスで子どもて。
日本も異世界もパターンは同じかよ。
「ちょっと見てもいいか?この棒が気になって――」
「レイアッ!」
「な、なんだ?そんなに叫ばなくても」
「見てはならぬ。触れてはならぬ、我が暗器に」
「あ、暗器だと?見たい!ぜひとも見させてくれ。私は武器に目がないんだ。それとできれば触らせてほしい」
「触るなッ!逝ってしまう」
「逝く……だと?触れただけで昇天する暗器とは。ジュンは大丈夫なのか?ずっと腰に隠していたんだろう?」
「ああ。俺は俺だけは大丈夫。何万回も触れてきたのだからな」
「……触れるだけで昇天する暗器を、何万回も。す、すごいな」
「さあ離れ給え。目をつぶり、そっとな。ゆっくりと慎重にそっと」
「あ、ああ。分かった。あれ?さっきからお尻に触れてるが……」
「衣服の上からは大丈夫なのだ!早く離れよ!」
「あ、ああ。すまない」
ゆっくりと立ち上がるレイアは、俺の言う通りに目をつぶっている。
コイツは本当にいい奴だ。
明日からいい友達で居たいと思う。
でも今日は、今日だけは、息子が悲鳴をあげるぐらいに、ナデナデしてあげようと思う。
さて、まずはギンギンな息子に落ち着いていただきたいが、これは無理だ。
まったく手に負えないドラ息子め。
「も、もう目を開けていいか?」
「ならぬ!しばし待て!」
「わ、分かった!」
俺は自分の服を拾い上げた。
ゴブリンの唾液と血液でドロドロに汚れてて、もう着れたもんじゃない。
Tシャツはまだ着れそうだけど……。
隠したいのは下なんだよ。
俺は仕方なく、Tシャツを破って腰に巻きつけた。
「……ちっ。ゴブリンと大差ないな。レイア!もうちょい目をつぶってろ!」
「任せろ!」
……本当に良い奴だが、不安になってくる。
ああも人を疑わない奴は、詐欺師のいいカモだろうに。
目を閉じる綺麗な横顔を脳みそに焼き付け、俺はガサガサと下草を掻き分けた。
ちょいと調べることがあるもんでね。
「これか、ゴブリンたちが固まった原因は」
その場所にあったのは、馴染みのある物だった。
俺にはとても馴染み深い、コールセンターの必需品……ヘッドセットだ。
なるほど。
突然ヘッドセットが降ってきたら、誰だって固まるわな。
だがなぜだ?
たしかゴブリンたちが固まる前、俺は怒ってた。
スキルがクソで、この窮地には役に立たねえと。
そういや皮肉ったな。
ヘッドセットで殴れっていうのかあああ!的なことを。
その直後に、何かが抜けるような感覚。
これはアレだ!
スキル覚醒の瞬間だ!
抜けてったのは、魔力か神力か?なんでもいいけど、そういうことだろ。
よーし、ようやく来たぜ。
俺の時代が。
「ッなわけねえだろ!ヘッドセットで何しろってんだッ!」
――――作者より――――
最後までお読みいただき、ありがとうごさいます。
作者の励みになりますので、♡いいね、コメント、☆お気に入り、をいただけるとありがたいです!
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