あのDVDのように

くねひと

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#3 言葉嬲り

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「うっ…」
 マモルに怒張を指で弾かれ、僕は追想から現実の世界に引き戻された。彼は僕の顎に手をかけると、うつむいていた顔を引き起こし鏡の中の情けない姿を直視するように強いる。

 パンツ一枚許されない素っ裸、しかも厳しく後ろ手に縛りあげられている僕。それに対してくつろいだインナーウェアを着て、僕の縄尻を手に取るマモル。二人の立場は歴然としている。
 でも彼はそれだけでは満足しない。僕の口から言わせたいのだ。

「ここは何て言うんだい?」
 再び怒張を指で弾いてから、マモルが尋ねる。言葉嬲りの始まりだ。

「…オ、……オチンチンです」
 屈辱感に顔を伏せても、すぐに彼は顎に手をかけて僕の顔を引き起こす。

「誰の?」
 クスクス笑いながら、マモルは追い打ちをかけてくる。

「タ、タツヤのです」
「みんな続けて言うんだ」
「こ、これはタツヤのオチンチンです」
「声が小さい!」
 泣きたい気持ちで僕はそれでもいくらか声を大きくして、屈辱的な台詞を繰り返す。

「なぜ、こんなに大きくしているの?」
「そ、それは……」

 言葉に詰まっても、彼は容赦ない。執拗に追及を続ける。
「きちんと答えるんだ。なぜ、おってている?」
「それは僕が……、僕がマゾだからです」
 答えてから、顔面にカッと血が昇るのが自分でも分かった。

「どうして、素っ裸で縛られているんだ?」
「それは、僕がマモル様の…牡奴隷だからです」
「牡奴隷の意味は?」
「お、牡奴隷はご主人様のいかなる命令にも絶対服従し、性の慰みものとしてお仕えいたします」
「ようし、まあいいだろう」

 マモルはプラスチック製のくつべらで僕のお尻をピシッと打ち据えると、
「歩け!」
 言葉短く命令し、僕をリビングに引き立てていく。廊下の床はフローリングで足裏に冷たく、嫌でも自分が裸でいることを知覚させた。
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