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#7 転落
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さっきまでは稟議書の偽造を咎められ、呆然と須藤の話を聞き流していた三浦だったが、今やっと彼は総てを理解することができた。
須藤は秘密を守る代わりに奴隷となることを強要し、そして三浦はそれが何を意味するのかも知らず、いや正確にはただ無意識の内に頷いていたのだ。
しかし奴隷になるという本当の意味を自覚した今、三浦がそれを拒否できるかと云えば、それも不可能なことなのであった。
「僕は自分の潔白を証明したいが為に苦労してこのファイルを探し出したんです」
再び須藤が話し始めると、もう三浦は聞き漏らすことはなかった。
「でもそれを見つけた途端、僕の頭にある考えが閃いたんです……」
そこで須藤はニヤリと笑った。
「これは今まで人に隠してきた自分の嗜虐癖を満足させる絶好のチャンスなんだってね。奴隷を一人獲得することに比べたら、会社での出世なんてどうでもいいことに思えてきたんですよ」
それから彼は三浦に対して細々とした取り決めを話し始めた。
会社内では上司部下の関係を保つ。しかし一旦二人きりとなり須藤が望むならばそこがどこであってもSMプレイ(勿論Sが須藤、Mが三浦のプレイとなるが)をすること、SMプレイの為に最低でも月一回の同伴出張を組むこと………そしてもし三浦がこれ等の約束を破るならばいつでも証拠の稟議書の写しを本部長に差し出すと須藤は脅すのだった。
「僕の奴隷になりますね」
返事をしようと思っても口の中がカラカラに乾いて声が出ない。
「奴隷になりますね!」
「……は、はい…」
再度須藤にきつく問い詰められた三浦は力弱く頷くしかなかった。
「ようし、これからのお前の奴隷としての呼び名はシュウだ」
途端に須藤の口調が一変した。
「シュウ、まず奴隷の身体を検分しよう。素っ裸になるんだ」
「ええっ……」
止むを得ず須藤の奴隷になることを承諾はしたが、今この場でいきなりSMプレイを強要されようとは………三浦の顔は蒼ざめていく。
ワイシャツにズボン姿の須藤はつい先ほどまで三浦が寝ていたベッドの縁に腰掛けている。三浦はその須藤の前にホテルしつらえの浴衣のまま、立っているのだった。
「素っ裸になれと言っているのが聞こえないのか!」
「…は、はい。い、今、服を脱ぎます」
浴衣の腰紐を解く手がぶるぶると震えているのが三浦にははっきりと分かった。紐を解き、浴衣がふわりと床下に落ちると後、身を覆う物はパンツしかない。これを脱げば本当に素っ裸になってしまうのだ。
パンツの縁に手を掛けながら、三浦はついためらいを覚えるのだった。
「何しているんだ。さっさとパンツも脱ぐんだよ」
須藤は秘密を守る代わりに奴隷となることを強要し、そして三浦はそれが何を意味するのかも知らず、いや正確にはただ無意識の内に頷いていたのだ。
しかし奴隷になるという本当の意味を自覚した今、三浦がそれを拒否できるかと云えば、それも不可能なことなのであった。
「僕は自分の潔白を証明したいが為に苦労してこのファイルを探し出したんです」
再び須藤が話し始めると、もう三浦は聞き漏らすことはなかった。
「でもそれを見つけた途端、僕の頭にある考えが閃いたんです……」
そこで須藤はニヤリと笑った。
「これは今まで人に隠してきた自分の嗜虐癖を満足させる絶好のチャンスなんだってね。奴隷を一人獲得することに比べたら、会社での出世なんてどうでもいいことに思えてきたんですよ」
それから彼は三浦に対して細々とした取り決めを話し始めた。
会社内では上司部下の関係を保つ。しかし一旦二人きりとなり須藤が望むならばそこがどこであってもSMプレイ(勿論Sが須藤、Mが三浦のプレイとなるが)をすること、SMプレイの為に最低でも月一回の同伴出張を組むこと………そしてもし三浦がこれ等の約束を破るならばいつでも証拠の稟議書の写しを本部長に差し出すと須藤は脅すのだった。
「僕の奴隷になりますね」
返事をしようと思っても口の中がカラカラに乾いて声が出ない。
「奴隷になりますね!」
「……は、はい…」
再度須藤にきつく問い詰められた三浦は力弱く頷くしかなかった。
「ようし、これからのお前の奴隷としての呼び名はシュウだ」
途端に須藤の口調が一変した。
「シュウ、まず奴隷の身体を検分しよう。素っ裸になるんだ」
「ええっ……」
止むを得ず須藤の奴隷になることを承諾はしたが、今この場でいきなりSMプレイを強要されようとは………三浦の顔は蒼ざめていく。
ワイシャツにズボン姿の須藤はつい先ほどまで三浦が寝ていたベッドの縁に腰掛けている。三浦はその須藤の前にホテルしつらえの浴衣のまま、立っているのだった。
「素っ裸になれと言っているのが聞こえないのか!」
「…は、はい。い、今、服を脱ぎます」
浴衣の腰紐を解く手がぶるぶると震えているのが三浦にははっきりと分かった。紐を解き、浴衣がふわりと床下に落ちると後、身を覆う物はパンツしかない。これを脱げば本当に素っ裸になってしまうのだ。
パンツの縁に手を掛けながら、三浦はついためらいを覚えるのだった。
「何しているんだ。さっさとパンツも脱ぐんだよ」
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