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#2 あの忌まわしい日…
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「フフフ、縛られただけでそんなにおっ勃ててしまうなんて、先輩は根っからのマゾなんですね」
亨の揶揄に北山は思わず、頬を赤く染めた。
考えてみると不思議な光景だった。北山は身長180㎝あり、引き締まったスポーツマンの身体をしているのに対し、亨は身長165㎝程度、童顔でどちらかというときゃしゃな体つきだ。腕力では亨は北山に到底敵いっこない。それに北山は三年、亨は一年。
運動部では先輩、後輩の差は絶対だ。それなのに今、北山は素っ裸、後ろ手縛りの身を天井からのロープに繋がれ、亨の嘲りを甘受しているのだ。
羞ずかしさで顔をうつむけてしまった北山をからかうように亨は北山の怒張を指でパチンと弾いた。
「痛っ…」
北山は思わず腰を引く。どちらかというと、急所の痛みよりも下級生に男のシンボルをいいように玩具にされる屈辱の方が北山には堪えた。
「でもマゾでなければ、僕のサポーターに顔を埋めてオナニーなんかしませんよね」
北山にとっては思い返したくもないあの忌まわしい日……。
4月に新入部員が入ってきてしばらくしない内に北山は練習中に彼の姿を追う亨の視線に気付いた。
いつも俺だけを見ている……と同時に何だか北山も亨が気になり始めた。男子校の中で2年間硬派として過ごしてきた北山にとっては初めて感じる心の揺れだった。亨に対し次第に心魅かれていく毎日であったが、だからといって北山はどうアクションを起こしたら良いのやら皆目見当もつかなかった。
あの日……みんな帰った後の部室に亨が置き忘れていったバッグを見つけたときの妖しい胸のときめき。北山はいけないと思いながらも震える指で亨のバッグのファスナーを開けてみた。
乱雑に詰め込まれたユニフォーム、トランクスの間からサポーターを見つけると北山はそっとその臭いを嗅いだ。汗の臭いに混じって微かに亨の薫りが漂い、北山は無意識にズボンのジッパーを引き下げていた。
そして激しく自分の肉筒をしごき始めたとき、忘れ物を取りに亨が部室に戻ってきたのだ。突然のことに北山は亨のサポーターを床に落とし、しばらくは硬直したかのように動けなかった。
……それからのことは夢だったのではないかと、今でも北山は思う。ゆっくりと亨は近づいてくると、そのまま北山を机の上に押し倒し、そして北山の肉筒をその白い手で柔らかく握ると、そっとしごき始めたのだ。たちまちの内に北山は甘い快美感に酔いしれた。それでもやっとのことで理性を取り戻すと、亨の手を払いのけようしたのだが、
「駄目ですよ、先輩。おとなしくしてくれないなら両手を縛らせてもらいますよ」
そう耳許で囁く亨に両手を縛り上げられてしまったのだ。なぜあのとき、何の抵抗もせず両手を縛らせてしまったのだろう? 今となっては良く分からない。亨の愛撫に全身の力が抜け落ちてしまったのだろうか……。
亨の揶揄に北山は思わず、頬を赤く染めた。
考えてみると不思議な光景だった。北山は身長180㎝あり、引き締まったスポーツマンの身体をしているのに対し、亨は身長165㎝程度、童顔でどちらかというときゃしゃな体つきだ。腕力では亨は北山に到底敵いっこない。それに北山は三年、亨は一年。
運動部では先輩、後輩の差は絶対だ。それなのに今、北山は素っ裸、後ろ手縛りの身を天井からのロープに繋がれ、亨の嘲りを甘受しているのだ。
羞ずかしさで顔をうつむけてしまった北山をからかうように亨は北山の怒張を指でパチンと弾いた。
「痛っ…」
北山は思わず腰を引く。どちらかというと、急所の痛みよりも下級生に男のシンボルをいいように玩具にされる屈辱の方が北山には堪えた。
「でもマゾでなければ、僕のサポーターに顔を埋めてオナニーなんかしませんよね」
北山にとっては思い返したくもないあの忌まわしい日……。
4月に新入部員が入ってきてしばらくしない内に北山は練習中に彼の姿を追う亨の視線に気付いた。
いつも俺だけを見ている……と同時に何だか北山も亨が気になり始めた。男子校の中で2年間硬派として過ごしてきた北山にとっては初めて感じる心の揺れだった。亨に対し次第に心魅かれていく毎日であったが、だからといって北山はどうアクションを起こしたら良いのやら皆目見当もつかなかった。
あの日……みんな帰った後の部室に亨が置き忘れていったバッグを見つけたときの妖しい胸のときめき。北山はいけないと思いながらも震える指で亨のバッグのファスナーを開けてみた。
乱雑に詰め込まれたユニフォーム、トランクスの間からサポーターを見つけると北山はそっとその臭いを嗅いだ。汗の臭いに混じって微かに亨の薫りが漂い、北山は無意識にズボンのジッパーを引き下げていた。
そして激しく自分の肉筒をしごき始めたとき、忘れ物を取りに亨が部室に戻ってきたのだ。突然のことに北山は亨のサポーターを床に落とし、しばらくは硬直したかのように動けなかった。
……それからのことは夢だったのではないかと、今でも北山は思う。ゆっくりと亨は近づいてくると、そのまま北山を机の上に押し倒し、そして北山の肉筒をその白い手で柔らかく握ると、そっとしごき始めたのだ。たちまちの内に北山は甘い快美感に酔いしれた。それでもやっとのことで理性を取り戻すと、亨の手を払いのけようしたのだが、
「駄目ですよ、先輩。おとなしくしてくれないなら両手を縛らせてもらいますよ」
そう耳許で囁く亨に両手を縛り上げられてしまったのだ。なぜあのとき、何の抵抗もせず両手を縛らせてしまったのだろう? 今となっては良く分からない。亨の愛撫に全身の力が抜け落ちてしまったのだろうか……。
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