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しおりを挟む起きてから彼は用事があるので朝10時には彼の家を出た。
なんだか信じられなくて昨日私は寝ぼけてただけで本当は付き合ってなかったらどうしようなんて考えてたけど朝起きてから暫くベットの上でギュッと抱きしめてくれてそのままキスをしてくれて私はまた彼の肩に顔を埋めた。
ベッドを出てから特に何も無くじゃあバイバイと別れた。
ウキウキしながら家を出て帰路に着く。
原付を運転しながら悠の唇の感触を思い出したりしていたら何故か家じゃなくバイト先に来ていた。
自分どんどけ動揺してるんだよ、と若干引きながら今度はちゃんと自分の家に帰る。
上機嫌で今まで相談に乗ってくれた友達に報告していく。
悠とのLINEもなんだか今までとは違って見えて世界が輝くってこんな感じなんだな、なんて今まで全く読んで来なかった少女漫画に共感した。
そんな幸せだったのにどうして5日目にして私がこんなに悩んでいるのか。
友達だった頃と何一つ変わっていないからだ。
LINEの頻度が若干上がっただけ。それ以外何も変わらず、そのLINEも数時間返信に時間が空く。内容も今までと変わらない。
まだ5日だろ?そりゃ何も無いだろなんて思う自分と、それにしても変わらなさすぎるだろ!!っていう自分が争う。
付き合ったのやっぱ夢だったのかなって錯覚するレベルで何も無い。こんなに何も無いものなのか5日目って。
夜兄貴が彼女の家に出かけたり電話したりしている声を聞きながら私は少し不安になっていた。
まぁまだ私たちの関係なんて始まったばかりだし焦るもんじゃないよね。
そんなことを考えていた私の心は数時間後ポッキリと折られた。
「え、まだ悠くんと付き合ってたの。何も無いから別れたんだと思ってたわ。」
母親にそう言われた時、やっぱり5日目だとしても何も無さすぎるのかな、と不安になった。それでもそんな気持ちに気付かないふりをした。
「いやこんなもんじゃないの?まだ5日目だし」
「えー?普通出かけたり電話したりとかするもんじゃないの?付き合いたてホヤホヤならさ」
「まぁ…私出かけるの好きじゃないし電話もあんまだしな」
「ああ、確かにね。…でも悠くんとは合わないんじゃないのー?辞めといたら?」
「もううるさいな。口出さないで」
そう言って私は寝転がって母から顔を隠した。
悩んでいたことを他人にズバリと言われるとどうしてここまで刺さるんだろう。
やっぱり私は悠のこと好きだったけど悠はきっと恋愛的に私が好きだったわけじゃない。そこにはとてつもない想いの壁があって私たちを隔てている。
やっぱ付き合わないで友達のままの方が良かったのかな…
その方が長く一緒にいられたのかも知れない。
まだ振られるとも決まった訳じゃないのに、私の頭は悪い方向に向かっていく。
5時間前に送ったまま既読のつかないLINEはその想像が正しいのだと裏付けているみたいで怖かった。
嗚呼、なんだか吐きそうだ。
fin.
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