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第一章 身代わりの花嫁は翌日から愛される
③
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厨房で適当な紙にパンの耳、イチゴを2,3個食パンの上に乗せ。
ガラスのコップに水を入れると厨房を出た時だった。
「何をしている」
龍迫は恵麻に声を掛けた。
今朝の洗濯、洗濯場で水浴びを行うという行為、今の厨房でいくら綺麗なゴミ箱で捨てられたばかりとはいえパンの耳を取り食料を調達という破天荒な行動をする恵麻に噂は絶対に嘘だ。
噂さ通り男癖が悪いのならば、執事をたぶらかすなり。
龍迫は自分に夜這いをかけたりすると、噂が嘘である確信を持ち。
非のあるものは容赦なく切り捨て、責め立てる。
前世での言行を判断する閻魔大王こと地獄の番人と異名を持ち一定の基準を持ち正確な判断を正義感を持って下してきた自信のある龍迫は後悔すら覚えていた。
「おはようございます」
恵麻は声を掛けた丁寧に頭を下げる。
呼ばれるまで、姿を見せるなと言われていたのに姿を見せたのは迂闊だったわ。
呼ばれてないのにこの人の視界に入ってしまった。
しっかり腰から90度曲げ、お辞儀をしているので”ミスったわ”と悔しそうな顔をする恵麻の顔は龍迫には見えない。
「犬の餌か?」
恵麻の持っている朝食を龍迫は見ると尋ねる。
「はい。従順な犬の餌でございます」
ええ。
そうよ?さすは賢い公爵様、よくお分かりだこと・・・。
恵麻犬っという、従順な犬のご飯でございますよ。
心の中で盛大に頷く恵麻なのだが。
「姿をお見せしましたこと、お詫び申し上げます。以後は気を付けますので、お許しください。それでは、失礼いたします」
丁寧に更に頭を下げると、すっとジャンプをして1階の廊下の窓から庭に出た。
その身のこなしは軽い。
「犬を飼ってることを教えたのか?」
有栖川家には3頭の獰猛な護衛達が飼育しているドーベルマンがいる。
護衛達はまれにパンの耳を与えていた。
「いいえ。何もお伝えしていません」
さきほど、なぜ犬を飼っていることを知っているといおうとした飯田は結論に至る。
「まさか・・・。従順な犬は、恵麻様自身・・・・ではないですよね?」
そんな飯田の驚きをよそに、庭に出ると、恵麻は食パンを齧った。
一晩中、掃除をして体力を消耗していただけに本当に美味しい。
パンの耳なのにこんなに美味しいだなんて、さすがは有栖川公爵家!
最高だわ。
その様子に龍迫は恵麻から目が離せなかった。
“俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。その声を聞かせるな”
その宣言を破ったけれど、ぶたれることも、なじられることもない。
今、追いかけて来て制裁を与えられない所を見るとセーフかな?。
恵麻は足早にパンの耳を食べながら庭にある東屋に入ると腰を下ろした。
「恵麻様は自分がレイプで産まれた娘だと、先ほど仰られていました」
飯田は書斎に入ると、龍迫に報告を始める。
「・・・そうか」
「屋根裏部屋で物心着いた時から生活をされ、そこらの使用人以上より掃除、洗濯はお得意との事です」
「・・・そうか」
「男をたぶらかし、学生時代に同級生を虐め抜き自殺に追いやったという噂は・・・」
「嘘だろうな」
あの様子を見れば、根も歯もないデタラメだという事は一目瞭然だ。
しかしだ。
同情はするが、興味はない。
あの女を溺愛するつもりはない。
仕事をする上で、面倒な噂を消すためのお飾りの妻だ。従って表面上、愛すフリはするが目的さえ果たすことができれば誰でもいい。
噂通りでないならば、ぞんざいな扱いはしないだけだ。
「ご主人様。ご報告がございます」
岬の声に龍迫は思考を停止させる。
「なんだ」
「屋根裏部屋を見ましたところ、とても綺麗に掃除をされていました」
「そうか。・・・あいつの飯は用意しろ。パンの耳とイチゴ2個。うちの使用人の方が良いものを食べている」
それなりに広い屋根裏部屋が綺麗になっているという事は、雑巾を回していた量から考えても一晩中掃除をしていたはずだ。
体力を消耗しているはずだ。
「便宜上のお飾りの妻とはいえ、餓死させたと世間に思われれば、有栖川家の名誉にもかかわる。俺に迷惑をかけなければなんでもいい。欲しがるものは高価な宝石類以外、全て好きなだけ与えろ」
生い立ちには少し同情するが、同情したところで生い立ちは変わらない。
仕事や夜会に数年連れ歩き、時期をみて十分な金を持たせ解放する。
貧相な生活をさせ、ボロボロになられては連れ歩くことができず無駄な買い物になってしまう。
さっき、正面から顔を見たが中々容姿は良い。十分、使える。
「かしこまりました」
岬は頷くと共に段取りを始めた。
恵麻の荷物は嫁いで来たというのに少なすぎる。
岬には、娘と息子がおり。2人が旅行に出かける時でさえ、恵麻が持って来た以上の物を持たせる。
話し方、表情から恵麻が悪い娘ではないという事は直ぐに分かった。
日用品を揃えてあげよう。
***
1日、2日、3日、4日、5日、6日と経っても龍迫と恵麻からの接触はないが。
「ご主人様の指示通り。段ボールを机、新聞紙を毛布に恵麻様はされていたのでベッド、ソファー、机など必要最低限の日用品を恵麻様から求められてはいませんが提供しました。衣類も必要最低限以下だったので、求められていませんが提供しました」
飯田、岬から報告はある。
段ボールが机?新聞紙が毛布?
どういう生活をしていたんだ。どういう思考回路をしているんだ。
龍迫は声は掛けないものの、屋根裏部屋を除きに行くと目を見開いた。
そこには初めて会った時とは別人。
スタイル抜群、顔立ちも綺麗な恵麻がふかふかの絨毯に転がっていた。
初日に暴言さえ吐かなければ、不便はないか?っと聞けるし。
そもそも、暴言を吐かなければ恵麻が屋根裏部屋に住みつくこともなかったので声を掛けれない。
そして、龍迫はナポレオンよろしく。
”龍迫の辞書に不可能はないが、龍迫の辞書にごめんなさい”っという謝罪もその頭にはなかった。
「屋根裏部屋にペルシャ絨毯をしけ」
「シャンデリアをつけろ」
龍迫は内装まで、恵麻の知らない所で指示を出し始めた。
もちろん、屋根裏部屋にペルシャ絨毯、シャンデリアを指示するくらいなら謝れよっというのが屋敷の使用人の満場一致の見解だったことは言うまでもない。
ガラスのコップに水を入れると厨房を出た時だった。
「何をしている」
龍迫は恵麻に声を掛けた。
今朝の洗濯、洗濯場で水浴びを行うという行為、今の厨房でいくら綺麗なゴミ箱で捨てられたばかりとはいえパンの耳を取り食料を調達という破天荒な行動をする恵麻に噂は絶対に嘘だ。
噂さ通り男癖が悪いのならば、執事をたぶらかすなり。
龍迫は自分に夜這いをかけたりすると、噂が嘘である確信を持ち。
非のあるものは容赦なく切り捨て、責め立てる。
前世での言行を判断する閻魔大王こと地獄の番人と異名を持ち一定の基準を持ち正確な判断を正義感を持って下してきた自信のある龍迫は後悔すら覚えていた。
「おはようございます」
恵麻は声を掛けた丁寧に頭を下げる。
呼ばれるまで、姿を見せるなと言われていたのに姿を見せたのは迂闊だったわ。
呼ばれてないのにこの人の視界に入ってしまった。
しっかり腰から90度曲げ、お辞儀をしているので”ミスったわ”と悔しそうな顔をする恵麻の顔は龍迫には見えない。
「犬の餌か?」
恵麻の持っている朝食を龍迫は見ると尋ねる。
「はい。従順な犬の餌でございます」
ええ。
そうよ?さすは賢い公爵様、よくお分かりだこと・・・。
恵麻犬っという、従順な犬のご飯でございますよ。
心の中で盛大に頷く恵麻なのだが。
「姿をお見せしましたこと、お詫び申し上げます。以後は気を付けますので、お許しください。それでは、失礼いたします」
丁寧に更に頭を下げると、すっとジャンプをして1階の廊下の窓から庭に出た。
その身のこなしは軽い。
「犬を飼ってることを教えたのか?」
有栖川家には3頭の獰猛な護衛達が飼育しているドーベルマンがいる。
護衛達はまれにパンの耳を与えていた。
「いいえ。何もお伝えしていません」
さきほど、なぜ犬を飼っていることを知っているといおうとした飯田は結論に至る。
「まさか・・・。従順な犬は、恵麻様自身・・・・ではないですよね?」
そんな飯田の驚きをよそに、庭に出ると、恵麻は食パンを齧った。
一晩中、掃除をして体力を消耗していただけに本当に美味しい。
パンの耳なのにこんなに美味しいだなんて、さすがは有栖川公爵家!
最高だわ。
その様子に龍迫は恵麻から目が離せなかった。
“俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。その声を聞かせるな”
その宣言を破ったけれど、ぶたれることも、なじられることもない。
今、追いかけて来て制裁を与えられない所を見るとセーフかな?。
恵麻は足早にパンの耳を食べながら庭にある東屋に入ると腰を下ろした。
「恵麻様は自分がレイプで産まれた娘だと、先ほど仰られていました」
飯田は書斎に入ると、龍迫に報告を始める。
「・・・そうか」
「屋根裏部屋で物心着いた時から生活をされ、そこらの使用人以上より掃除、洗濯はお得意との事です」
「・・・そうか」
「男をたぶらかし、学生時代に同級生を虐め抜き自殺に追いやったという噂は・・・」
「嘘だろうな」
あの様子を見れば、根も歯もないデタラメだという事は一目瞭然だ。
しかしだ。
同情はするが、興味はない。
あの女を溺愛するつもりはない。
仕事をする上で、面倒な噂を消すためのお飾りの妻だ。従って表面上、愛すフリはするが目的さえ果たすことができれば誰でもいい。
噂通りでないならば、ぞんざいな扱いはしないだけだ。
「ご主人様。ご報告がございます」
岬の声に龍迫は思考を停止させる。
「なんだ」
「屋根裏部屋を見ましたところ、とても綺麗に掃除をされていました」
「そうか。・・・あいつの飯は用意しろ。パンの耳とイチゴ2個。うちの使用人の方が良いものを食べている」
それなりに広い屋根裏部屋が綺麗になっているという事は、雑巾を回していた量から考えても一晩中掃除をしていたはずだ。
体力を消耗しているはずだ。
「便宜上のお飾りの妻とはいえ、餓死させたと世間に思われれば、有栖川家の名誉にもかかわる。俺に迷惑をかけなければなんでもいい。欲しがるものは高価な宝石類以外、全て好きなだけ与えろ」
生い立ちには少し同情するが、同情したところで生い立ちは変わらない。
仕事や夜会に数年連れ歩き、時期をみて十分な金を持たせ解放する。
貧相な生活をさせ、ボロボロになられては連れ歩くことができず無駄な買い物になってしまう。
さっき、正面から顔を見たが中々容姿は良い。十分、使える。
「かしこまりました」
岬は頷くと共に段取りを始めた。
恵麻の荷物は嫁いで来たというのに少なすぎる。
岬には、娘と息子がおり。2人が旅行に出かける時でさえ、恵麻が持って来た以上の物を持たせる。
話し方、表情から恵麻が悪い娘ではないという事は直ぐに分かった。
日用品を揃えてあげよう。
***
1日、2日、3日、4日、5日、6日と経っても龍迫と恵麻からの接触はないが。
「ご主人様の指示通り。段ボールを机、新聞紙を毛布に恵麻様はされていたのでベッド、ソファー、机など必要最低限の日用品を恵麻様から求められてはいませんが提供しました。衣類も必要最低限以下だったので、求められていませんが提供しました」
飯田、岬から報告はある。
段ボールが机?新聞紙が毛布?
どういう生活をしていたんだ。どういう思考回路をしているんだ。
龍迫は声は掛けないものの、屋根裏部屋を除きに行くと目を見開いた。
そこには初めて会った時とは別人。
スタイル抜群、顔立ちも綺麗な恵麻がふかふかの絨毯に転がっていた。
初日に暴言さえ吐かなければ、不便はないか?っと聞けるし。
そもそも、暴言を吐かなければ恵麻が屋根裏部屋に住みつくこともなかったので声を掛けれない。
そして、龍迫はナポレオンよろしく。
”龍迫の辞書に不可能はないが、龍迫の辞書にごめんなさい”っという謝罪もその頭にはなかった。
「屋根裏部屋にペルシャ絨毯をしけ」
「シャンデリアをつけろ」
龍迫は内装まで、恵麻の知らない所で指示を出し始めた。
もちろん、屋根裏部屋にペルシャ絨毯、シャンデリアを指示するくらいなら謝れよっというのが屋敷の使用人の満場一致の見解だったことは言うまでもない。
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