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朝が来てしまった。

琴音は体を起こすとベッドの脇の机に綺麗に畳まれた服を身に着ける。
畳んだ記憶がないのだが、着ていた服は下着まで綺麗に整えられていた。
下着は・・・。ブラウスの下に置かれており。
うぅ。床に脱ぎ捨てられているのも恥ずかしいが、畳まれているのも・・・。
それに、こんなに幸せな初体験をさせて貰ったことの申し訳なさと恥ずかしさで真っ赤になる。

「さようなら」

ベッドに眠る宋史に別れを言うとマンションを出た。
「琴音さん」
マンションを出るとそこには田中さんが驚いた顔で立っていた。今、白銀組は斎藤組に占拠されており吸収される段取りが行われている。

「田中さん。宋史さんに”ありがとう”と伝えておいて」
「え」
「これで心置きなく”老人の花嫁”になれるわ」

泣きそうなけれどもどこか嬉しげな顔をする琴音に田中は何も言えない。
ここで琴音を返せば後で宋史に何を言われるか。
何をされるか分かったものではない。
けれども・・・。
あまりにも悲しそうな顔をする琴音に何も言えなかった。
ここで琴音の腕を掴みマンションのチャイムを鳴らせばことが済む気もするのだが。
琴音をつかむなど、宋史に地獄を見せられること間違い無い。
しかし、ここで琴音を行かせても地獄を見ることになりそうではあるのだが。

正解ってなんだ!
田中は心の中で叫び、頭を抱えてうずくまった。

***
・・・いない。
琴音がこの腕の中から消えている。
やはり、天使の消印か何かだったのか。あれは夢であり、幻だったのかと一瞬思うが宋史はそんなに夢みる夢子ちゃんではない。

どこだ。
寝る前は確実に抱いていた。
なのにいない。
台所、トイレ、ベットの下、風呂場、クローゼット、書斎など手当たり次第に探すが玄関に靴がない以上はいないとわかっていても淡い期待を抱いて部屋中をくまなく探してしまう。

ピンポーン。

その音に宋史は玄関に向かった。
時計の針は朝の8時を指す。
お腹が空いたからコンビニでも行って帰って来たんだ。あれだけ激しくしたのだから、お腹もすくだろう。
愛を囁き琴音は頷いていた。
俺の元に永遠にいると約束をしたんだから出て行ったはずなどない。
そう信じてモニターを見るのだが。

「頭」

玄関のモニターに映り、青ざめて呼びかけてくる相手は田中。
「ちっ。なんだ」
無視をしようと思ったが、田中はチャイムを連打するので応答する。
「白銀組から娘を嫁に献上するので組を助けてくれという嘆願書が届きました!そして、琴音様から言付けです。“ありがとう。老人の話嫁になる”という言付けを頂きました」

宋史はその言葉に拳を握りしめた。

あのバカ女っ!!!

まぁ、あれだけ感じまくりとろけるような甘い瞳をしておりぼうっとさせたのは自分だが。
大事な事は聞け!
適当に相槌を打つな!
俺のプロポーズを!!!

「直ぐに白銀家に妻を迎えに行く。幹部を全員集めろ!用意しろっ」
「はいっっ。既にマンションの下に車を用意していますっっ」
地獄を見なくて住みそうだと田中はほっと胸を撫で下ろす。

そして、宋史が会社近くに借りているマンションから帝国組の本部である豪邸に移動している間、白銀家では琴音が嫁入りの支度をしていた。
結婚したら2度と着ない今日で最後の振袖をじっと見つめる。

「お嬢っ。俺らの犠牲になるなんて」
「ありがとうございます。お嬢っ。このご恩は忘れるまで、忘れません!」
花嫁衣装に身を包む琴音を取り囲むのはそろいも揃って人相の悪い男達。

「皆、泣かないで」
琴音は涙を流す幹部達に、にっこり微笑んで言うと振袖の首元の着物を少し緩める。
いい具合に昨日、宋史につけてもらったキスマークらしいキスマークがついている。
相手は斎藤組の女関係の荒い男。
女ったらしの代名詞の男。
あの男は私が処女だと思い込んでいる。
そんなたらしの奴に捧げる処女などない。
身は捧げることになるだろうが心は捧げない。

昨日は何時間、愛され続けたのだろうか。
歩くたびに昨日の要因が体を支配する感覚は心地いい。
今日、斉藤組の頭であり、夫になる男に抱かれたとしても少しは心が乱れないだろう。昨日の事を思い出して耐えれそうな気がする。うんん、白銀組のために耐えて見せる。
身支度を終えて応接室で待っていると何人もの足跡が聞こえた。
大所帯で迎えにきたものね。
私が逃げれば白銀組の幹部は痛めつけられ、父と母も命が続くか分からない。そんな脅しをかけられていて、逃げるはずがない。
「お嬢っっ。鬼の頭が到着されました」
鬼の頭?世界を股にかける帝国組の頭が、斎藤組を蹴散らしたのかしら?
琴音にとって自分を迎えに来る相手は誰でもよかった。宋史以外なら誰でもいい。
そんな幹部の1人の声に琴音は正座をしたまま両手を畳の床につくと、深々と頭を下げた。

「お初にお目にかかります。わたくし、白銀琴音と申します」

丁寧な挨拶に宋史は部屋の中に入ると、振袖を来た琴音に目を奪われた。
深々と頭を下げており横顔しか見る事が出来ないが美しい。
何より。
胸元を少し広げた着物からは昨日付けたキスマークが顔を覗かせ、自分の物だという独占欲を満たした。
そして昨日の行為を証明するソレに宋史は満足すると心に余裕が生まれる。
さっきまで、なぜ勝手に家を帰ったのかと怒りを爆発させそうだったがそんな怒りは消えていく。

「私一人の“使用済み”の身を捧げましょう」
彼女はふっと笑いながら体を起こすが顔は軽く俯いたまま軽口をたたく。
使用済み?お前は何を言っている?
「あなたは処女キラーだとか。私も25歳。好意を寄せている男性の1人や2人おりますゆえ、初めに言っておいてあげます」
そっとうなじから見えるキスマークを彼女は軽く触り主張する。

1人や2人?
2人?
2人だと!
宋史は琴音言葉に琴音の正面に移動すると膝を付いた。
琴音は相手を誤解している。なんて声をかけようかと宋史は悩み声がかけられない。

―――怖い。
琴音の手は震える。
日本をぎゅうじる帝国組の”鬼”の頭が目の前にいる。
琴音は心臓の鼓動が早くなるのが分かった。
昨日も心臓を何度も早くしたけれど、それとが違う嫌な速さ。
「処女は愛する人に捧げて何の問題がありますかっっ心まではあなたにあげないわっ!」

ぎゅっと拳を握りしめ、その目には大粒の涙をためて琴音は顔を上げると固まった。
なぜここに宋史がいるの?
目を見開き息を飲む琴音の頬に片手をあてると空いている手を琴音の背に回す。
昨日の夜は良く鳴かせたが、こんな涙ではない。
驚き呆気にとられる彼女は顔を真っ赤にするとパクパクと口を開いては閉じる。

「処女を愛する人に捧げて何の問題がありますかっか。何の問題もない」
宋史は満足そうに琴音の耳元で囁くとそれでっと目を細める。
俺の最愛の女性は少し抜けている所があり3年前に引退をした父親が頭だと思っていたのだろうし。
苗字を黙ったいた俺にも非がある。
普通は自分の勤める株式会社帝国の社長はなのだから、帝国宋史と考えてもいいだろうが。今はそんなことはどうだっていい。

「好意を寄せる男の1人や2人いるのか。それは聞きずてならない。俺の外に好意を寄せているのは誰だ?さぁ、吐け」
「ひぃぃぃ」
どす黒いオーラを全身に滲ませる宋史は琴音の耳元で囁く。
ぞくっとする感覚に琴音は後ろに下がろうとするが、背中に手を回されているので下がることはできない。

「お嬢っ」

琴音の悲鳴に襖のドアが思いっきり開かれ、白銀組幹部は叶わない相手とは分かっていても構える。
「琴音が答えないのなら、下僕共に尋ねるか。・・・おい。琴音の愛している男がこの世に1,2人いるらしい。1人は昨日、処女を・・・」
1人は昨日、処女を頂いた俺として。もう1人の男の名前は誰だと聞こうとするのだが。
「だーめぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!きゃー!!!!」

思いっきり琴音は宋史の口を悲鳴を上げながら、塞ぐと顔を真っ赤にして着物の襟もとを引き上げる。
「な、何を聞いているの」
「なんだ?俺をやり捨てたことは秘密にしたいのか?俺もやり捨てられたことはできれば口外をしたくないがな」
天下の帝国組の頭が極小組のお嬢にやり捨てにあったなど、プライドが傷つき口外したくない。

「や、やり捨てたって!違うわよ!私は今日、斎藤組の頭と結婚を・・・。宋史。・・・なんでここにいるの?帝国の組長は60代のおじいちゃんでは?」
今、斎藤組にこの白銀組は包囲をされているはずだ。

「くっくくくく。3年前に世代交代をしている」
宋史はすっとんきょんな琴音にクスクス笑うと、その場に胡坐を嗅いで座り琴音を膝の上に乗せる。

「それで?体は辛くないか?明け方まで愛し合っていたのによく起きられたな」

偉い偉いとまるで小さな子供でもほめるように宋史は琴音の頭を撫ぜながら琴音をまっすぐ見つめる。
「愛し合っていたって言ったか?」
「そういえば。お嬢、今朝は朝帰りだったよな」
白銀組の幹部達は勿論のこと、両親も顔を見合わせてひそひそと話すのだが耳の良い琴音には全て聞こえてしまっておりそれが琴音の羞恥心を更に煽る。

「それで?俺の外に好きな男は?処女は俺が頂いたので、そいつの命までは取るつもりはないが。指の2,3本は貰ってもいいか?」
「いないわよっ!いないけど、仮にしたとして指を取るのも切るのも絶対反対!」

「ふーん。いないのか。まぁいい。そう言う事に今はしてやろう」
宋史は膝から降りようと身をよじる琴音を逃がさない。
「それで?なんで“帝国組の頭”である俺をやり捨てた?」
探したんだぞ?
「まさか、好きな男に抱かれてから違う男の嫁に行くつもりで俺の所に昨日は来たのか?」
手錠でもつけておけばよかった。
恐ろしいことを考えている宋史の気などしらず。
「・・・えぇ。初めてが悲しい思い出はいやだったから」
顔を真っ赤にし、目を泳がせながら琴音は頷くと宋史はそんな琴音を抱きしめた。
なんなんだ。
この女は。
可愛い。
身分を明かしておけばよかった。そうしたら、無償援助を帝国組にお願いしたくて抱かれに来てくれただろうに。
色々と考えつつ。
初めての琴音の体を気遣った営みであったが最高に幸せだった。
「まぁまぁまぁ。ごゆっくり。ふふふ」
琴音の母親は嬉しそうにニヤニヤとしながら白銀家の一同を連れて立ち去る。

宋史は琴音を腕の中に閉じ込めたまま机に置いてある結婚届にサインをした。
「婚姻届け出してこい」
「はっ」
部屋の中に控えていた帝国組の幹部2人は結婚届を取ると、いつここから逃げ出そうか。
居心地が悪すぎるとそわそわしていたので、これ幸いと走って部屋を出ると襖を閉めて玄関に向かい宋史は琴音を抱きしめる。
本能のままに動くのであれば、このまま琴音をマンションか本家の自室に連れて行って朝の続きをしたい。
けれど、白銀組の周囲を包囲していた斎藤組を琴音を苦しめたバツとして派手にやっつけてしまい家からは片づけのために要するだろう30分は出ない方がいいだろう。
「私服もドレス姿も似合っていたが着物もそそられる」
それに何と言っても振袖だ。
振袖は未婚の女性の着物だから、今度、一生見ることのない着物。

「重たいでしょう。降りるわ」

琴音は降りようと足を動かせば、動かすだけ着ている着物がはだける。
はだけた部分からは、当然、白くて長い脚が着物の裾から除き妖艶な色気を放った。
「おいおい。俺は我慢強い方ではないぞ」
宋史は琴音の太ももに手をあて、核心に向かって手を伸ばしてこんな時に何をするのと琴音はさっと着物の裾を持つのだが宋史の侵入してきた手は引かない。

「愛してる。結婚してくれ。大切にする」
「ひゃんっ」
告白と一緒に蜜部に触れてくる宋史に甘い声をあげる。
「おい。意識がしっかりあるうちに返事」
お前、昨日、俺のプロポーズを聞いていなかっただろうと言いたいが。聞いていなかった原因の8割は宋史にあるのでそれは言わない。
「はい。・・・こ、こちらこそよろしくお願いします」
声鳴き声で返事をした。
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