【実話】希少癌 〜その遺体は左手足が無く、腕が欠け、頭蓋骨も1/3無く、歯は胃にあった〜

湯川仁美

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番外編 3年後

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「お父さん、鳥取観光に友達と行くね~」
仁美はその日、父親に電話を掛けた。
「どうぞ」
そっけない言葉だが、嬉しそうな声のトーンに仁美は少しだけ微笑む。

鳥取県の観光と言えば、砂丘が有名なのだろうが。
他にも三徳山の投げ入れ堂という断崖絶壁に平安時代に作られた建築物までの登山だったり。
ゲゲゲの鬼太郎ロードだったり。
見るところはある。
「はじめまして。えっと・・・。朱里です」
「後、20日間は西尾朱里ちゃん。20日後からは結婚して、竹城朱里ちゃんね」
父親に自己紹介をしようとして、苗字を少し困る友人に仁美は口をはさむ。
「結婚かぁ~。まぁ、結婚が全てだとも思わないし。結婚がいいかと言われると、俺には分からないが」
父親の結婚前の少しネガティブな発言に仁美は、おいおいっと苦笑するが。

「俺は楽しかったなぁ。結婚生活。”俺は”最高だった」

「お父さん。前置きいらないよ。一言、二言、余計だよ。普通に結婚直前の女の子に対しては”結婚生活最高だった”でいいんだよ」
そんな娘の突っ込みに、父親はニヤリと笑う。
「だって、俺は薫が奥さんだったから。楽しかったんだ。世の中は違うだろう」
「おーい。お母さんの自慢を娘の友達にするな」
のろけ出す父親においおいっと仁美は突っ込みを入れると、朱里はクスクス笑う。
「仁美の両親はラブラブでいいなぁ。見習わなきゃだお」
「そうだねぇ」
否定はしないが、親のラブラブな回想は娘としてはあまり聞きたくない。
気恥ずかしくなる。
「まぁ、薫は顔も性格も。なかなかだったからなぁ」
「はいはい」
相槌を打つ仁美に朱里はふふふっと笑う。
「そう旦那さんに言ってもらえるように私も頑張らなきゃ」
「大丈夫。朱里はうちの母に比べれば美人だよ」
「ありがとう」
鳥取駅まで車で娘と娘の友達を迎えにきた父親に仁美は相槌を打った。
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2022.04.03 ユーザー名の登録がありません

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2022.04.03 湯川仁美

実話のお話にお付き合いくださりありがとうございます!

解除

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