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㉗母の日
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本当によくできた義母に母の日をするのは、嫁として当然だろう。
義母ほど尊敬できる母はいない。
「来週の母の日なんだけど」
梨乃は総一郎に話を振る。
義姉が1歳になる娘と首都圏から義実家のある関西に帰省。
義姉の夫はスーパードクターのと呼ばれるジャンルで週に1度しか家で寝ず。
その他の日は10分から3時間の自宅滞在という人種。
※日本国の医療発展、患者のために頼むー!
義姉に義兄は母の日なんてしない。
正確には時間がないし、それもわかっていての結婚。
「義母と義姉に母の日をしてあげようと思います。花束2個とケーキを買っていきますね」
「ありがとう」
「ケーキは義母がフルーツが好きだから。新宿タカノ、五感、フルーツ果坊でリクエストはある?」
「ないよ~。梨乃ちゃんの食べたいもので。俺はチョコレートケーキがいい」
「フルーツケーキ専門店にチョコレートケーキはございません」
「うーん。じゃあ、新宿タカノでショートケーキでお願い」
なんて下りがあり。
母の日、当日。
総一郎は美容院の後で直接義実家へ。
梨乃は3時を目指して義実家へ。
「偉大なる母様方はどちらになさいますか?」
そりゃ、トップバッターは母達(義母、義姉)が選ぶもの。
「俺、ショートケーキだよね」
お前はドキュンか。
「母の日にあなたがトップバッターで選ぶ権利はございませぬ。母達がお好きなものをお選びくださり、ショートケーキが食べれなかったら。明日、私がまた百貨店で1個でも2個でも3個でも買って帰ってくるから」
35歳になる総一郎のケーキ選びに60そこそこの母。
総一郎の姉も大爆笑。
「これだから、男の子はね。はぁー」
「総一郎はショートケーキなんだろうなと思ったんだけど。そこはねー。忖度してあげるよ」
義母からも義姉からもため息。
無邪気に聞いた総一郎は少ししょぼんっとする。
「いや、一瞬思いましたよ?このショートケーキは総一郎さんのって避けようかなとも。けれど、母の日にいつでも食べれるケーキをのけるのは嫁として、妻としてどうかなと」
梨乃は苦笑しながら、母達はショートケーキを選ばなかったので総一郎の前に置く。
「もし、ショートケーキをお母様方が選ばれてたら。今日の帰りか、明日に1個でも2個でもショートケーキ祭りだなと思ってたから良かったね」
「そっかぁ~。うん、そうだよね。今日食べなくても店が潰れない限りショートーケーキは食べれるんだね」
この家は名家である。
総一郎も日本の稼ぎ頭で、義姉も金銭的には裕福な家に嫁いだ。
けれど、食べたい物は食べたい。
180センチある総一郎はニコニコとショートケーキを食べ始めた。
そして、そんな傍で・・・。
少しいじけるのは義父。
「お義父様は来月の父の日に一等賞でお選びくださいね」
「え?そう?嬉しいな~」
一気に機嫌が良くなる。
***
「そんな事があったんですよ。男の人っていくつににっても無邪気ですよね」
湯川家全員がお世話になる病院で女の美容師2人に梨乃は話す。
「あははは。あの温和で温厚な家の男2人はそうなんですね!面白い」
「湯川家のお嫁さんはどんな人だろうと思っていたけれど、ショートケーキをさっさと除けない気遣いの方で最高」
総一郎は昔から人がよく、知り合いの方々には悪女に狩られるのではと心配をされていた。
「ねー。もう、愛しのダーリン。ショートケーキですよってしたら、ウケたかも」
「奥様(義母)は愛されて良かったねって言いそうですけどね」
「確かに。お義母様も悪心ない方だから、いいそう」
梨乃は3人で笑いながら母の日をおえた。
義母ほど尊敬できる母はいない。
「来週の母の日なんだけど」
梨乃は総一郎に話を振る。
義姉が1歳になる娘と首都圏から義実家のある関西に帰省。
義姉の夫はスーパードクターのと呼ばれるジャンルで週に1度しか家で寝ず。
その他の日は10分から3時間の自宅滞在という人種。
※日本国の医療発展、患者のために頼むー!
義姉に義兄は母の日なんてしない。
正確には時間がないし、それもわかっていての結婚。
「義母と義姉に母の日をしてあげようと思います。花束2個とケーキを買っていきますね」
「ありがとう」
「ケーキは義母がフルーツが好きだから。新宿タカノ、五感、フルーツ果坊でリクエストはある?」
「ないよ~。梨乃ちゃんの食べたいもので。俺はチョコレートケーキがいい」
「フルーツケーキ専門店にチョコレートケーキはございません」
「うーん。じゃあ、新宿タカノでショートケーキでお願い」
なんて下りがあり。
母の日、当日。
総一郎は美容院の後で直接義実家へ。
梨乃は3時を目指して義実家へ。
「偉大なる母様方はどちらになさいますか?」
そりゃ、トップバッターは母達(義母、義姉)が選ぶもの。
「俺、ショートケーキだよね」
お前はドキュンか。
「母の日にあなたがトップバッターで選ぶ権利はございませぬ。母達がお好きなものをお選びくださり、ショートケーキが食べれなかったら。明日、私がまた百貨店で1個でも2個でも3個でも買って帰ってくるから」
35歳になる総一郎のケーキ選びに60そこそこの母。
総一郎の姉も大爆笑。
「これだから、男の子はね。はぁー」
「総一郎はショートケーキなんだろうなと思ったんだけど。そこはねー。忖度してあげるよ」
義母からも義姉からもため息。
無邪気に聞いた総一郎は少ししょぼんっとする。
「いや、一瞬思いましたよ?このショートケーキは総一郎さんのって避けようかなとも。けれど、母の日にいつでも食べれるケーキをのけるのは嫁として、妻としてどうかなと」
梨乃は苦笑しながら、母達はショートケーキを選ばなかったので総一郎の前に置く。
「もし、ショートケーキをお母様方が選ばれてたら。今日の帰りか、明日に1個でも2個でもショートケーキ祭りだなと思ってたから良かったね」
「そっかぁ~。うん、そうだよね。今日食べなくても店が潰れない限りショートーケーキは食べれるんだね」
この家は名家である。
総一郎も日本の稼ぎ頭で、義姉も金銭的には裕福な家に嫁いだ。
けれど、食べたい物は食べたい。
180センチある総一郎はニコニコとショートケーキを食べ始めた。
そして、そんな傍で・・・。
少しいじけるのは義父。
「お義父様は来月の父の日に一等賞でお選びくださいね」
「え?そう?嬉しいな~」
一気に機嫌が良くなる。
***
「そんな事があったんですよ。男の人っていくつににっても無邪気ですよね」
湯川家全員がお世話になる病院で女の美容師2人に梨乃は話す。
「あははは。あの温和で温厚な家の男2人はそうなんですね!面白い」
「湯川家のお嫁さんはどんな人だろうと思っていたけれど、ショートケーキをさっさと除けない気遣いの方で最高」
総一郎は昔から人がよく、知り合いの方々には悪女に狩られるのではと心配をされていた。
「ねー。もう、愛しのダーリン。ショートケーキですよってしたら、ウケたかも」
「奥様(義母)は愛されて良かったねって言いそうですけどね」
「確かに。お義母様も悪心ない方だから、いいそう」
梨乃は3人で笑いながら母の日をおえた。
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