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㉖とある夫婦の結婚事情

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「梨乃の結婚の決め手は何?どうして、結婚しようと思ったん?第一印象は?」
それはgwのアラサー梨乃と友人の鏡華の雑談。

「総一郎の第一印象?優しさの塊というか、菩薩の消印がスーツ着て無防備に歩いてはるから。狩る」
何年も前のことなんて、忘れたわと言いたいが必死で思い出し応える。
「ぶっ!菩薩を狩ったのね」
「155センチ、40キロそこそこ。ぼちぼちナンパもされる顔面偏差値にロング縦巻きヘアに保健室の先生というクオリティ。ここで狩らずにいつ狩る!と言う無駄に自分に自信をつけて頑張ったわ」

「やばいね。総一郎君、知ってるん?」

「知ってるよ。狩られたんか。え!俺、ちゃんと結婚してくださいゆーた!っと仰っているよ。それで?鏡華はどうしたの?」
鏡華は年内に結婚が決まっている。
人生において楽しい時の1つだろう。

「うちの親さ」
「うん。鳥根県警の所長さんだっけ?かっこいいパパと婦警あがりのかっこいいママよね?」
「そうなんだけど。・・・お母さんに聞いたの。どうしてお父さんと結婚したのって」
「そしたら?」
梨乃は先を促す。

「ボランティアだって!」

「ぶっ!ボランティア」

「ボランティアで連れ添って30年以上ボランティアとか言ってて、どんな照れ隠しだよって笑ってしまった」
「あははは。我が家も私は気性がそんなに穏やかではないし総一郎から慈善事業とか、酷いこと言いそうだけれど。ボランティアはよかったね」

鏡華のご両親の出会いは、母親が高校を出てすぐミニパト時代で地域を警備していた時に。
夏の甲子園のラジオを聴いていることが、当時の教官の1人である夫にバレて怒られたと言うのが初めましてだったらしい。

「そこから、ボランティアと言いながらも連れ添うこと30年の結婚」
「人生わからないね」
なんてgwはアラサー女子会は盛り上がった。

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