9 / 48
⑥ 名家の義母と義祖母の話
しおりを挟む
主人の母は源氏の松枝。
主人の祖母であり。母親の姑は平家の松江。
湯川家の嫁に一般人代表のような梨乃が混じってごめんね~。
あはははははっというのが嫁いだ当初に思ったのは遠い記憶。
本日は百貨店で高級羊羹を購入。
羊羹一本、3千円(税抜き)
源氏の松江の伴侶であり、総一郎の祖父の100歳のお誕生日なのだから。
高いが、まぁしかたないか。
「お祝いにお客様もいらっしゃるかもしれないし。割り切れる数は縁起も悪いので、3本入りの約1万円を用意しましたが。良かったかしら?」
今日の梨乃はお上品モード。
「ありがとう」
「熨斗も掛けているわね」
「サンキュー」
「3本の内訳はオーソドックスな餡子の羊羹2本、季節物の涼し気な羊羹1本です」
「おぉ~」
なんの”おぉ~”だよ。
梨乃はそう思いつつ、羊羹を総一郎に渡すと家を訪問する。
この虎のマークの羊羹は義母も大好きなメーカー。
「おめでとうございます」
にっこり微笑み梨乃は総一郎の後ろから3歩下がって。
どこの奥様でしょう?
普段は小学校をジャージでわっさ、わっさ歩いているとは思えない笑顔でお祝いを言う。
「わぁ。ありがとうございます」
お義婆様は大喜びで羊羹を確認すると・・・。
「大切に頂きますね」
そういって、違う部屋に持っていき。
私たちは違うお菓子を出され、食べつつ、お爺様を囲い写真撮影。
あらぁ。
1本3千円のお高級羊羹。
仲の良いお母様のお口にも入れて差し上げたかったわ。
そう思いつつ1時間ほどでお暇をし、斜め前の義実家に義祖父母邸から移動すると。
お義母様は口を開く。
「ほんとに源氏は気にいるものを取り込んでしまう。私は平家だから理解できない。3本も入っているのだから、1本くらい持ってお帰りと持たせてもいいし。しょうもないお菓子を出すくらいなら。切り分けて皆で食べてもいいのに」
***
「ぶっ。あはははははは。思い出し笑い」
梨乃は帰りの電車で、笑いだす。
「お義母様ったら、この令和の世(2000年代)に平安(1000年代)まで遡って物を言っていらっしゃる」
本当にDNAにあの家の者とは、仲良くするなとか、プログラミングされてるのかしら?
「確かに」
「千年の時を超えて不仲よ?それで?平家と源氏のDNAを持つあなたはどう思うわけ?」
「千年の時を超え、頑張ってるなと思う」
「あはははは。今度、お義母様に同じものを差し入れましょうか?それとも、思い出すから違うメーカーの羊羹がいいかしら?1本3千円羊羹を買う財力はお持ちでしょう?」
「そうだなぁ。梨乃に任せる」
総一郎は相槌を打つと、梨乃はクスクス笑う。
性格悪いとか。
意地汚いとか。
そういう明らかな悪口ではなく。
”取り込んでしまう”っか。怒っているのは十分伝わるので、義母のそういう表現は参考になり、尊敬する。
姑の悪口を聞いても。義母の嫁、息子、夫は返事に困るものね。
主人の祖母であり。母親の姑は平家の松江。
湯川家の嫁に一般人代表のような梨乃が混じってごめんね~。
あはははははっというのが嫁いだ当初に思ったのは遠い記憶。
本日は百貨店で高級羊羹を購入。
羊羹一本、3千円(税抜き)
源氏の松江の伴侶であり、総一郎の祖父の100歳のお誕生日なのだから。
高いが、まぁしかたないか。
「お祝いにお客様もいらっしゃるかもしれないし。割り切れる数は縁起も悪いので、3本入りの約1万円を用意しましたが。良かったかしら?」
今日の梨乃はお上品モード。
「ありがとう」
「熨斗も掛けているわね」
「サンキュー」
「3本の内訳はオーソドックスな餡子の羊羹2本、季節物の涼し気な羊羹1本です」
「おぉ~」
なんの”おぉ~”だよ。
梨乃はそう思いつつ、羊羹を総一郎に渡すと家を訪問する。
この虎のマークの羊羹は義母も大好きなメーカー。
「おめでとうございます」
にっこり微笑み梨乃は総一郎の後ろから3歩下がって。
どこの奥様でしょう?
普段は小学校をジャージでわっさ、わっさ歩いているとは思えない笑顔でお祝いを言う。
「わぁ。ありがとうございます」
お義婆様は大喜びで羊羹を確認すると・・・。
「大切に頂きますね」
そういって、違う部屋に持っていき。
私たちは違うお菓子を出され、食べつつ、お爺様を囲い写真撮影。
あらぁ。
1本3千円のお高級羊羹。
仲の良いお母様のお口にも入れて差し上げたかったわ。
そう思いつつ1時間ほどでお暇をし、斜め前の義実家に義祖父母邸から移動すると。
お義母様は口を開く。
「ほんとに源氏は気にいるものを取り込んでしまう。私は平家だから理解できない。3本も入っているのだから、1本くらい持ってお帰りと持たせてもいいし。しょうもないお菓子を出すくらいなら。切り分けて皆で食べてもいいのに」
***
「ぶっ。あはははははは。思い出し笑い」
梨乃は帰りの電車で、笑いだす。
「お義母様ったら、この令和の世(2000年代)に平安(1000年代)まで遡って物を言っていらっしゃる」
本当にDNAにあの家の者とは、仲良くするなとか、プログラミングされてるのかしら?
「確かに」
「千年の時を超えて不仲よ?それで?平家と源氏のDNAを持つあなたはどう思うわけ?」
「千年の時を超え、頑張ってるなと思う」
「あはははは。今度、お義母様に同じものを差し入れましょうか?それとも、思い出すから違うメーカーの羊羹がいいかしら?1本3千円羊羹を買う財力はお持ちでしょう?」
「そうだなぁ。梨乃に任せる」
総一郎は相槌を打つと、梨乃はクスクス笑う。
性格悪いとか。
意地汚いとか。
そういう明らかな悪口ではなく。
”取り込んでしまう”っか。怒っているのは十分伝わるので、義母のそういう表現は参考になり、尊敬する。
姑の悪口を聞いても。義母の嫁、息子、夫は返事に困るものね。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる