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④ もしも浮気をしたら?
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7月の平日の夜。
浮気により妻を殺めたというサスペンスドラマをなんとなく見ながら。
梨乃は旦那に話を振ってみた。
「私が浮気したらどうする?」
「・・・・・・・・・」
総一郎は聞いてないのかな?それとも、答える気がないのかな?
そう思うほど、彼は黙り込む。
特に仕事で疲れている木曜日の夜。
返事が絶対に欲しいわけでもなかったので、気にも留めず5分ほどたったころ。
「アメリカの荒野を歩く」
「ぶっっっ」
この人はこの沈黙の5分間で、そんな事を考えていたの?
そして、アメリカの荒野を歩くという返答に思いっきり噴出した。
「何々?わざわざ航空券買って、わざわざアメリカの僻地の荒野に行って、このクソ暑い中歩くん?まじか」
しかも、大きな問題点として、総一郎は英語を話せないのだ。
「う、うん。・・・そのうち生まれるだろう、未来の子供を連れて行く」
「え?ちょっと待って待って。さらに子連れで渡米して、わざわざ僻地行くん?え?付いていくよ?通訳するわ」
「浮気してるからその時は、梨乃はいないやろ」
「あー、そうか」
総一郎の突っ込みに梨乃は納得する。
確かに梨乃がついて行くのはおかしい。
「梨乃は俺が浮気したらどうするん?」
「ん?許すよ」
浮気程度で、私の愛が揺るぐことはない。
キリっと決め顔で言う梨乃に総一郎は思いっきり梨乃を見る。
「え!!!」
そんなに驚いた声を上げなくとも・・・。
梨乃はそこで声を低くする。
「”あんたの”体にペットにつけるGPSつけて、1時間に1回、テレビカメラで現状を報告すること。
5分毎ごとの24時間分、行動日記を毎日、21時に紙ベース提出すること。
同じ文言を使わないこと。
通帳など金の動き、携帯、パソコンなどメディア媒体の履歴を全て梨乃が管理。
懺悔の時間も10年間、毎週末1時間。文言を考え、梨乃に直立不動のまま言うこと。以上条件付きだけど。
私は、”あんた”を愛しているから許すよ」
「ひぇぇぇぇー。日記に、寝てました。ベットで寝てました。眠ってましたとか。6時間睡眠なら、72個書き貯めておかな」
「浮気の代償は安くはないよ」
「・・・やばい。許して貰いたくなくなった」
「梨乃は寛容なので、”あんた”が何をしようと許すよ」
「サイコパスー!」
「婚姻届に判子押してから気づいても遅いわっ」
ただの仮定であるが。
大好きな総一郎のもしも浮気をしたら?という仮定の話にも熱が入る。
「仮定の話で、梨乃から振って来たのに・・・。凄く熱が入ってないですか?しかも”あんた”って、怒ってる時の俺の敬称」
「あ・い・し・て・る」
にっこり微笑む梨乃に総一郎は顔を引き攣らせる。
そして、絶対に浮気をしないと心に誓った。
浮気により妻を殺めたというサスペンスドラマをなんとなく見ながら。
梨乃は旦那に話を振ってみた。
「私が浮気したらどうする?」
「・・・・・・・・・」
総一郎は聞いてないのかな?それとも、答える気がないのかな?
そう思うほど、彼は黙り込む。
特に仕事で疲れている木曜日の夜。
返事が絶対に欲しいわけでもなかったので、気にも留めず5分ほどたったころ。
「アメリカの荒野を歩く」
「ぶっっっ」
この人はこの沈黙の5分間で、そんな事を考えていたの?
そして、アメリカの荒野を歩くという返答に思いっきり噴出した。
「何々?わざわざ航空券買って、わざわざアメリカの僻地の荒野に行って、このクソ暑い中歩くん?まじか」
しかも、大きな問題点として、総一郎は英語を話せないのだ。
「う、うん。・・・そのうち生まれるだろう、未来の子供を連れて行く」
「え?ちょっと待って待って。さらに子連れで渡米して、わざわざ僻地行くん?え?付いていくよ?通訳するわ」
「浮気してるからその時は、梨乃はいないやろ」
「あー、そうか」
総一郎の突っ込みに梨乃は納得する。
確かに梨乃がついて行くのはおかしい。
「梨乃は俺が浮気したらどうするん?」
「ん?許すよ」
浮気程度で、私の愛が揺るぐことはない。
キリっと決め顔で言う梨乃に総一郎は思いっきり梨乃を見る。
「え!!!」
そんなに驚いた声を上げなくとも・・・。
梨乃はそこで声を低くする。
「”あんたの”体にペットにつけるGPSつけて、1時間に1回、テレビカメラで現状を報告すること。
5分毎ごとの24時間分、行動日記を毎日、21時に紙ベース提出すること。
同じ文言を使わないこと。
通帳など金の動き、携帯、パソコンなどメディア媒体の履歴を全て梨乃が管理。
懺悔の時間も10年間、毎週末1時間。文言を考え、梨乃に直立不動のまま言うこと。以上条件付きだけど。
私は、”あんた”を愛しているから許すよ」
「ひぇぇぇぇー。日記に、寝てました。ベットで寝てました。眠ってましたとか。6時間睡眠なら、72個書き貯めておかな」
「浮気の代償は安くはないよ」
「・・・やばい。許して貰いたくなくなった」
「梨乃は寛容なので、”あんた”が何をしようと許すよ」
「サイコパスー!」
「婚姻届に判子押してから気づいても遅いわっ」
ただの仮定であるが。
大好きな総一郎のもしも浮気をしたら?という仮定の話にも熱が入る。
「仮定の話で、梨乃から振って来たのに・・・。凄く熱が入ってないですか?しかも”あんた”って、怒ってる時の俺の敬称」
「あ・い・し・て・る」
にっこり微笑む梨乃に総一郎は顔を引き攣らせる。
そして、絶対に浮気をしないと心に誓った。
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