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第74話キューベ村復興作戦③
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新たなキューべ村と牧場建設はスムーズに進行していた。乳製品製造に必要な設備や道具も、リランの職人たちに依頼して制作が進んでいる。
俺はギルド協会の一室を借り、各ギルドのマスター、商工会長や村の代表者たちと会議を開いていた。現在の進行状況の確認を済ませ、それに合わせた今後の予定表を作成する。
「乳牛の買い付けですが、往復に丸一日かかります。護衛を出していただけるギルドはありませんか?」
「俺のギルドが護衛しますよ。すべてユージさんや親ギルドに任せっきりってわけにはいきませんから」
村長の依頼にギルド『サンダーソニア』のマスター、アッシュが手を上げた。
キューべ村の一件が終わってから知ったことだが、町のギルドは全て『ドラゴンブレス』の付属ギルドとなっていた。どうやら、俺が『ドラゴンブレス』の役職に就いたことが大きく影響しているらしい。俺がリランに戻ってくる間に、ギルドの付属申請が殺到したそうだ。結果、グループ全体の構成員の数だけで見れば、大都市の大手ギルドに匹敵する規模となったわけである。
ちなみにギルメンの方々には勇者様でなく、名前で呼ぶようお願いしておいた。
勇者様は正直恥ずかしいし、俺にはしっくりこないので。
「ユージ、会議終わった?」
会議室の扉を勢いよく開けてクレアが飛び込んできた。
この人は出会った時から変わらず自由だな。
ま、気を使わなくていいから楽なんだけど。
それに綺麗だし。あとエロいし……。
「すみません、失礼します。ユージ君に相談があって来たんですが……」
クレアの後から、マリアがおどおどした様子で中に入って来た。
マリアにも名前で呼んでくれるようお願いした。年の近い子に勇者様と呼ばれるのが一番違和感がある。
できれば、マリアには金髪美少女留学生の設定でユージ先輩と呼んでほしかったのだが……。
クレアの「ユージ、馬鹿なの?」の一言で俺の夢は、はかなくも砕け散った。
「会議はもう少しで終わるけど、何か問題発生?」
「そうじゃないの。実は、マリアと一緒に牧場のミルクを使ったアイスクリーム専門店をやろうと思うの!」
クレアの発言にマリアがうなずく。
「え、クレアさんレストランはどうするんですか? 店長でしょ?」
「アイスクリーム店の店長はマリアがするの。スタッフは村の女の子たちよ。私はお店が軌道に乗るまで手伝うだけ。なんか文句ある?」
クレアが刺々しく言いながら俺をにらむ。
「いえいえ、何も問題ありません」
この子、めちゃくちゃ乗り気だよ。
絶対、手伝うだけじゃすまない気がするんですが……。
「バーンズさんもいいよね?」
「ええ、もちろん。新たなお店の出店で町が活気ずくことは大歓迎ですよ」
商工会長が笑顔で答える。
「それでユージ君にお願いがあるんですが、氷属性の魔力結晶をいただけないかと……」
「ごめん。氷の魔力結晶はドロップしてないや」
「そうでしたか。すみません」
マリアがすまなそうに頭を下げる。
「じゃ、ユージとってきて」
「え? 今から」
「ローザに頼んで魔石に加工してもらって、そこから業務用冷蔵庫に組付けするから時間かかるでしょ。お願いね」
クレアは振り向きざまに答えながら会議室をあとにした。マリアが何度も頭を下げて扉を閉める。
嵐の去った室内で会議に参加していたメンバーから苦笑いが漏れた。
あのお姉さん、俺の扱いがだんだん雑になってきたな……。
ま、綺麗だしエロいから許す。
俺はギルド協会の一室を借り、各ギルドのマスター、商工会長や村の代表者たちと会議を開いていた。現在の進行状況の確認を済ませ、それに合わせた今後の予定表を作成する。
「乳牛の買い付けですが、往復に丸一日かかります。護衛を出していただけるギルドはありませんか?」
「俺のギルドが護衛しますよ。すべてユージさんや親ギルドに任せっきりってわけにはいきませんから」
村長の依頼にギルド『サンダーソニア』のマスター、アッシュが手を上げた。
キューべ村の一件が終わってから知ったことだが、町のギルドは全て『ドラゴンブレス』の付属ギルドとなっていた。どうやら、俺が『ドラゴンブレス』の役職に就いたことが大きく影響しているらしい。俺がリランに戻ってくる間に、ギルドの付属申請が殺到したそうだ。結果、グループ全体の構成員の数だけで見れば、大都市の大手ギルドに匹敵する規模となったわけである。
ちなみにギルメンの方々には勇者様でなく、名前で呼ぶようお願いしておいた。
勇者様は正直恥ずかしいし、俺にはしっくりこないので。
「ユージ、会議終わった?」
会議室の扉を勢いよく開けてクレアが飛び込んできた。
この人は出会った時から変わらず自由だな。
ま、気を使わなくていいから楽なんだけど。
それに綺麗だし。あとエロいし……。
「すみません、失礼します。ユージ君に相談があって来たんですが……」
クレアの後から、マリアがおどおどした様子で中に入って来た。
マリアにも名前で呼んでくれるようお願いした。年の近い子に勇者様と呼ばれるのが一番違和感がある。
できれば、マリアには金髪美少女留学生の設定でユージ先輩と呼んでほしかったのだが……。
クレアの「ユージ、馬鹿なの?」の一言で俺の夢は、はかなくも砕け散った。
「会議はもう少しで終わるけど、何か問題発生?」
「そうじゃないの。実は、マリアと一緒に牧場のミルクを使ったアイスクリーム専門店をやろうと思うの!」
クレアの発言にマリアがうなずく。
「え、クレアさんレストランはどうするんですか? 店長でしょ?」
「アイスクリーム店の店長はマリアがするの。スタッフは村の女の子たちよ。私はお店が軌道に乗るまで手伝うだけ。なんか文句ある?」
クレアが刺々しく言いながら俺をにらむ。
「いえいえ、何も問題ありません」
この子、めちゃくちゃ乗り気だよ。
絶対、手伝うだけじゃすまない気がするんですが……。
「バーンズさんもいいよね?」
「ええ、もちろん。新たなお店の出店で町が活気ずくことは大歓迎ですよ」
商工会長が笑顔で答える。
「それでユージ君にお願いがあるんですが、氷属性の魔力結晶をいただけないかと……」
「ごめん。氷の魔力結晶はドロップしてないや」
「そうでしたか。すみません」
マリアがすまなそうに頭を下げる。
「じゃ、ユージとってきて」
「え? 今から」
「ローザに頼んで魔石に加工してもらって、そこから業務用冷蔵庫に組付けするから時間かかるでしょ。お願いね」
クレアは振り向きざまに答えながら会議室をあとにした。マリアが何度も頭を下げて扉を閉める。
嵐の去った室内で会議に参加していたメンバーから苦笑いが漏れた。
あのお姉さん、俺の扱いがだんだん雑になってきたな……。
ま、綺麗だしエロいから許す。
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