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第73話キューベ村復興作戦②
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キューべ村の復興作戦が決定し、準備は着々と進行していった。
まず、村長がゲーテ伯爵のお屋敷を訪ね、村の現状を説明して移転をお願いした。ゲーテ伯爵は熱心に話を聞き、承諾した後「私に出来ることがあれば」と資金援助の約束までしてくれたのだ。本当に噂通りの人格者だ。
同時進行で、クレアを通じて商工会に協力を仰ぎ、リランの町に村人たちの受け入れ態勢を整えてもらった。商工会も復興作戦を全面的に支援してくれることが決まり、村人たちの一時的な仮住まいを確保できたうえ、少しずつ支援金も集まり始めている。
リランの職人たちも総出で、新たなキューべ村と牧場建設に力を貸してくれることとなった。
「オォォォォォッ! ファイア・ソード!」
レイドが巨大クモの体を焼き尽くし両断する。
「マスター、お見事っす!」
ルイスが拍手喝采でレイドをほめたたえる。
「ユージのスキルで動きを封じれば、最下層のボスでも楽勝だな!」
「かなり順調ですね。この調子なら、今日中にノルマ達成ですよ」
俺たちは高難易度ダンジョンの最下層で、ネームドモンスターやボスを倒し、魔力結晶を収集していた。
魔力結晶は魔石製作に必要不可欠な材料であり、高値で取引されている。高難易度ダンジョン最下層ともなると、レアな結晶がドロップできるため資金集めには効率が良い。
俺は『ドラゴンブレス』の精鋭メンバーと共に高難易度ダンジョンを周回し、すでにノルマの七割を達成していた。
「伯爵からの寄付金やリランの義援金も合わせると、目標額はすでに達成されていますね」
魔力結晶の数を確認しながらレオンが言った。
「うん。村や牧場を建て直すには十分なんだけど、今までよりアップグレードしたいんだよね」
「あ、アップルグレープ? なんかうまそうだな」
「マスター、そんな果物はありません」
よだれを垂らすレイドにレオンがツッコミを入れた。
「進歩させたいってことです。例えば牧場でチーズやヨーグルト、バターなんかを生産できるようにすれば村も発展しますし、それをリランで販売できれば町の人たちも喜ぶでしょ?」
「なるほど。貴重な食材を新たなキューべ村で製造できれば運搬コストがかからない。なかなか入手できなかった食材が安価に購入できるということですね」
レオンが納得した様子で首を縦に振る。
「そんなことできんのか? まるで大都市みてぇじゃねぇか!」
レイドが興奮し、まるで子供みたいにはしゃぎながら尋ねた。
「もちろんできます! 道具や設備さえ準備できれば可能です。そのために俺たちはダンジョンに潜ってるんですから」
「おっしゃあぁぁぁ! 燃えてきたぜっ」
気合のこもったレイドの叫び声がダンジョン内に響く。
「では、行きましょう。ノルマ達成まであと2周です」
レオンがクールな声で言いながら微笑んだ。
まず、村長がゲーテ伯爵のお屋敷を訪ね、村の現状を説明して移転をお願いした。ゲーテ伯爵は熱心に話を聞き、承諾した後「私に出来ることがあれば」と資金援助の約束までしてくれたのだ。本当に噂通りの人格者だ。
同時進行で、クレアを通じて商工会に協力を仰ぎ、リランの町に村人たちの受け入れ態勢を整えてもらった。商工会も復興作戦を全面的に支援してくれることが決まり、村人たちの一時的な仮住まいを確保できたうえ、少しずつ支援金も集まり始めている。
リランの職人たちも総出で、新たなキューべ村と牧場建設に力を貸してくれることとなった。
「オォォォォォッ! ファイア・ソード!」
レイドが巨大クモの体を焼き尽くし両断する。
「マスター、お見事っす!」
ルイスが拍手喝采でレイドをほめたたえる。
「ユージのスキルで動きを封じれば、最下層のボスでも楽勝だな!」
「かなり順調ですね。この調子なら、今日中にノルマ達成ですよ」
俺たちは高難易度ダンジョンの最下層で、ネームドモンスターやボスを倒し、魔力結晶を収集していた。
魔力結晶は魔石製作に必要不可欠な材料であり、高値で取引されている。高難易度ダンジョン最下層ともなると、レアな結晶がドロップできるため資金集めには効率が良い。
俺は『ドラゴンブレス』の精鋭メンバーと共に高難易度ダンジョンを周回し、すでにノルマの七割を達成していた。
「伯爵からの寄付金やリランの義援金も合わせると、目標額はすでに達成されていますね」
魔力結晶の数を確認しながらレオンが言った。
「うん。村や牧場を建て直すには十分なんだけど、今までよりアップグレードしたいんだよね」
「あ、アップルグレープ? なんかうまそうだな」
「マスター、そんな果物はありません」
よだれを垂らすレイドにレオンがツッコミを入れた。
「進歩させたいってことです。例えば牧場でチーズやヨーグルト、バターなんかを生産できるようにすれば村も発展しますし、それをリランで販売できれば町の人たちも喜ぶでしょ?」
「なるほど。貴重な食材を新たなキューべ村で製造できれば運搬コストがかからない。なかなか入手できなかった食材が安価に購入できるということですね」
レオンが納得した様子で首を縦に振る。
「そんなことできんのか? まるで大都市みてぇじゃねぇか!」
レイドが興奮し、まるで子供みたいにはしゃぎながら尋ねた。
「もちろんできます! 道具や設備さえ準備できれば可能です。そのために俺たちはダンジョンに潜ってるんですから」
「おっしゃあぁぁぁ! 燃えてきたぜっ」
気合のこもったレイドの叫び声がダンジョン内に響く。
「では、行きましょう。ノルマ達成まであと2周です」
レオンがクールな声で言いながら微笑んだ。
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