60 / 88
第60話アウリーの逆襲
しおりを挟む
「ハァァァァァァァ!」
アイゼンのソードスキル・剣風が再びアウリーの胴体を貫く。
ぽっかりと空洞になった腹が瞬く間に再生する。
「どうした? その程度の力では私に傷一つつけることはできないぞ」
「クッ……」
アイゼンが崩れるように地面に膝をついた。
「どうやら限界のようだな」
アウリーがステッキを振り下ろす。鋭い氷柱がアイゼンめがけて飛んでくる。
「オォォォォ! ファイア・ソォォォォド!」
レイドがアイゼンの前に飛び出し剣を振るう。
氷柱が木っ端みじんに砕け散ると同時に、レイドの巨体も吹き飛んだ。
「マスター!」
「俺はいい! 早くアイゼンさんをっ」
レイドの体には氷柱の破片がいくつも突き刺さっていた。
レオンが無言で頷き、瞬時にアイゼンの場所まで移動する。
「ここは俺に任せろ! ソフィを頼んだ!」
レイモンドが勢いよく走り抜け、アウリーに斬りかかった。
レイモンドの剣が青く光る。
「ウオォォォォ!」
すさまじい連撃を繰り出すが、アウリーの防御魔術で展開されたシールドによって攻撃を阻まれ、跳ね返される。
「フハハハ。滑稽なり!」
アウリーの体から影が伸び、レイモンドの首を掴んで持ち上げた。
「ぐっ……」
レイモンドが苦痛で顔を歪める。
影に向かって剣を振るが全く手ごたえが無い。
レイモンドの手から剣が滑り落ちる。
「レイモンドォォォ!」
アイゼンが悲痛な叫び声を上げた。
ダガーナイフを振りかざしたレオンが、音もなくアウリーの背後から現れる。
「無駄なことを」
首を仕留めたかのように見えたナイフは、真黒い影に阻止されていた。
「うっ……」
レオンの首に影が巻き付き体を持ち上げ、そのまま地面に叩きつけた。
体が地面にめり込み、起き上がろうとするレオンが吐血する。
「マスターとサブマスを守れ!」
『スノードロップ』と交戦中のギルメンの一人が声を上げた。前線を離脱した一部のメンバーたちがアウリーに立ち向かった。
「ふんっ、雑魚どもが!」
アウリーの影が枝分かれし、まるで意志を持つ生き物のように襲い掛かった。
影に嚙みつかれたギルメンたちの体が無残に引き裂かれる。飛び散った血液で赤く染まった地面をアウリーが満足そうに眺める。
クソッ、足さえ動けば……。
みんながピンチだってのに俺は見てることしかできないのかよ。
「ユージ君! ここにいたのね」
「おわっ!」
「す、スキルバ……どこから現れたのよ!」
クレアが驚いて俺に抱き着く。
「ローザに擬態能力のマントを作ってもらったのよ。これで敵に見つからずにここまで来れたってわけ」
「スキルバさん、エリクサーを持ってませんか? 無かったら、この足だけでも回復魔術で治してください! 早くしないとみんなが……」
俺はスキルバの肩を掴みながら早口で訴えた。
「もちろん、そのためにここに来たのよ。遅くなったけど、ユージ君の精液から最上級を超える逸品が完成したのよ! 名付けて、エリクサーEX!」
スキルバが自信満々に小瓶を掲げた。
「……俺、自分の精液飲むんすか?」
「違うわよっ。別に精液を原料に薬を作ってるわけじゃないんだから! 精液に含まれる魔力をごく微量のエッセンスとして抽出して薬を作ってるの。分かったら、さっさと飲み干す!」
「グバッ」
スキルバがエリクサーEXを無理やり俺の口に流し込んだ。
アイゼンのソードスキル・剣風が再びアウリーの胴体を貫く。
ぽっかりと空洞になった腹が瞬く間に再生する。
「どうした? その程度の力では私に傷一つつけることはできないぞ」
「クッ……」
アイゼンが崩れるように地面に膝をついた。
「どうやら限界のようだな」
アウリーがステッキを振り下ろす。鋭い氷柱がアイゼンめがけて飛んでくる。
「オォォォォ! ファイア・ソォォォォド!」
レイドがアイゼンの前に飛び出し剣を振るう。
氷柱が木っ端みじんに砕け散ると同時に、レイドの巨体も吹き飛んだ。
「マスター!」
「俺はいい! 早くアイゼンさんをっ」
レイドの体には氷柱の破片がいくつも突き刺さっていた。
レオンが無言で頷き、瞬時にアイゼンの場所まで移動する。
「ここは俺に任せろ! ソフィを頼んだ!」
レイモンドが勢いよく走り抜け、アウリーに斬りかかった。
レイモンドの剣が青く光る。
「ウオォォォォ!」
すさまじい連撃を繰り出すが、アウリーの防御魔術で展開されたシールドによって攻撃を阻まれ、跳ね返される。
「フハハハ。滑稽なり!」
アウリーの体から影が伸び、レイモンドの首を掴んで持ち上げた。
「ぐっ……」
レイモンドが苦痛で顔を歪める。
影に向かって剣を振るが全く手ごたえが無い。
レイモンドの手から剣が滑り落ちる。
「レイモンドォォォ!」
アイゼンが悲痛な叫び声を上げた。
ダガーナイフを振りかざしたレオンが、音もなくアウリーの背後から現れる。
「無駄なことを」
首を仕留めたかのように見えたナイフは、真黒い影に阻止されていた。
「うっ……」
レオンの首に影が巻き付き体を持ち上げ、そのまま地面に叩きつけた。
体が地面にめり込み、起き上がろうとするレオンが吐血する。
「マスターとサブマスを守れ!」
『スノードロップ』と交戦中のギルメンの一人が声を上げた。前線を離脱した一部のメンバーたちがアウリーに立ち向かった。
「ふんっ、雑魚どもが!」
アウリーの影が枝分かれし、まるで意志を持つ生き物のように襲い掛かった。
影に嚙みつかれたギルメンたちの体が無残に引き裂かれる。飛び散った血液で赤く染まった地面をアウリーが満足そうに眺める。
クソッ、足さえ動けば……。
みんながピンチだってのに俺は見てることしかできないのかよ。
「ユージ君! ここにいたのね」
「おわっ!」
「す、スキルバ……どこから現れたのよ!」
クレアが驚いて俺に抱き着く。
「ローザに擬態能力のマントを作ってもらったのよ。これで敵に見つからずにここまで来れたってわけ」
「スキルバさん、エリクサーを持ってませんか? 無かったら、この足だけでも回復魔術で治してください! 早くしないとみんなが……」
俺はスキルバの肩を掴みながら早口で訴えた。
「もちろん、そのためにここに来たのよ。遅くなったけど、ユージ君の精液から最上級を超える逸品が完成したのよ! 名付けて、エリクサーEX!」
スキルバが自信満々に小瓶を掲げた。
「……俺、自分の精液飲むんすか?」
「違うわよっ。別に精液を原料に薬を作ってるわけじゃないんだから! 精液に含まれる魔力をごく微量のエッセンスとして抽出して薬を作ってるの。分かったら、さっさと飲み干す!」
「グバッ」
スキルバがエリクサーEXを無理やり俺の口に流し込んだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
77
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる