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第20話この異世界で守るために俺は戦う!
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――今のあなたに出来ないことは何も無い。想像力こそがあなたの最高の武器よ。
スキルバの言葉が頭の中で繰り返し響いた。
イメージしろ! 強い魔術を。アイツを倒せる力を!
何度も自分自身に言い聞かせ、ガーゴイルに飛び掛かる。
「無駄なことを。弱者に用はない」
「おぉぉぉぉぉぉ!」
突き出した拳の前に炎のシールドが展開し、ガーゴイルの風の魔術をかき消した。炎がガーゴイルを包み込む。
「属性効果など、私の前では無駄――」
ガーゴイルの言葉は途切れ、苦しそうに翼をばたつかせた。
効いてる! 俺の魔術が通用するんだ!
俺は心の中で剣をイメージした。レイドが使った炎の魔術。構えた両手から激しく燃え上がる火柱が天に昇った。
「これでも喰らえぇぇぇっ」
火柱を剣のごとく振り下ろす。
ガーゴイルはその軌道を見極め、攻撃を回避して突進してきた。鋭いかぎ爪が俺の喉元を捉えようとしたした瞬間、ガーゴイルの巨体は、はじかれたように地面へ転がった。
「き、貴様なにをした?」
ガーゴイルは明らか混乱している様子だ。フラフラよろめきながら立ち上がる。砕けたかぎ爪がポロポロと落ちていく。
「俺は何もしてないさ。お前が自分でぶつかって来たんだろ?」
ガーゴイルのカウンターを想定し、盾をイメージしておいてよかった。属性をイメージしない場合、可視化はされないみたいだ。これは、かなり使えるぞ。
「まさか、貴様がそうなのか? 貴様のような人間が……」
ガーゴイルがジリジリと後ずさりする。
意味不明だが、俺に対してかなり失礼な発言であることは理解できる。
相手が弱腰になっている今こそ絶好のチャンスだ。
一気に倒してやる!
俺は両手を広げ、ガーゴイルに向かって構えた。
「そんなはずはない! この私が人間ごときに負けるはずがっ」
ガーゴイルが翼を羽ばたかせ、疾風を巻き起こす。俺も両手から風を起こした。2つの風がぶつかり合い、轟々と音を響かせ周囲のものを吹き飛ばしていく。風のせめぎ合いで小さな竜巻が発生し、がれきが上空に舞い上がった。
「ぐっ、うぐぐぐっ」
ガーゴイルの顔が苦悶の表情に変わる。翼が裂け、大量の血が流れた。苦痛に耐えきれなくなったガーゴイルが魔術を解除し、翼で身を包んで防御に徹する。竜巻がガーゴイルの体を上空へ巻き上げた。奴は空中で体勢を整え、再び地上へ降り立った。膝を折り、片手を地面につけて上体を支えている。あの様子から、体力をかなり削り取ったに違いない。あと、もう一押しだ。
「このままでは主に顔向けできぬ。せめて、少しでも多くの人間を……」
ガーゴイルがボロボロの翼で羽ばたいた。攻撃に備えて身構える。しかしヤツは俺の頭上を越え、飛んで行ってしまった。
「ユージ! ヤツを追えっ」
レイドが叫んだ。
「町のみんなを守って!」
がれきと化した街並みの通りに、スキルバの声が響く。
「逃がすかよっ」
俺は地面を蹴り、勢いよく空へ飛びあがった。
スキルバの言葉が頭の中で繰り返し響いた。
イメージしろ! 強い魔術を。アイツを倒せる力を!
何度も自分自身に言い聞かせ、ガーゴイルに飛び掛かる。
「無駄なことを。弱者に用はない」
「おぉぉぉぉぉぉ!」
突き出した拳の前に炎のシールドが展開し、ガーゴイルの風の魔術をかき消した。炎がガーゴイルを包み込む。
「属性効果など、私の前では無駄――」
ガーゴイルの言葉は途切れ、苦しそうに翼をばたつかせた。
効いてる! 俺の魔術が通用するんだ!
俺は心の中で剣をイメージした。レイドが使った炎の魔術。構えた両手から激しく燃え上がる火柱が天に昇った。
「これでも喰らえぇぇぇっ」
火柱を剣のごとく振り下ろす。
ガーゴイルはその軌道を見極め、攻撃を回避して突進してきた。鋭いかぎ爪が俺の喉元を捉えようとしたした瞬間、ガーゴイルの巨体は、はじかれたように地面へ転がった。
「き、貴様なにをした?」
ガーゴイルは明らか混乱している様子だ。フラフラよろめきながら立ち上がる。砕けたかぎ爪がポロポロと落ちていく。
「俺は何もしてないさ。お前が自分でぶつかって来たんだろ?」
ガーゴイルのカウンターを想定し、盾をイメージしておいてよかった。属性をイメージしない場合、可視化はされないみたいだ。これは、かなり使えるぞ。
「まさか、貴様がそうなのか? 貴様のような人間が……」
ガーゴイルがジリジリと後ずさりする。
意味不明だが、俺に対してかなり失礼な発言であることは理解できる。
相手が弱腰になっている今こそ絶好のチャンスだ。
一気に倒してやる!
俺は両手を広げ、ガーゴイルに向かって構えた。
「そんなはずはない! この私が人間ごときに負けるはずがっ」
ガーゴイルが翼を羽ばたかせ、疾風を巻き起こす。俺も両手から風を起こした。2つの風がぶつかり合い、轟々と音を響かせ周囲のものを吹き飛ばしていく。風のせめぎ合いで小さな竜巻が発生し、がれきが上空に舞い上がった。
「ぐっ、うぐぐぐっ」
ガーゴイルの顔が苦悶の表情に変わる。翼が裂け、大量の血が流れた。苦痛に耐えきれなくなったガーゴイルが魔術を解除し、翼で身を包んで防御に徹する。竜巻がガーゴイルの体を上空へ巻き上げた。奴は空中で体勢を整え、再び地上へ降り立った。膝を折り、片手を地面につけて上体を支えている。あの様子から、体力をかなり削り取ったに違いない。あと、もう一押しだ。
「このままでは主に顔向けできぬ。せめて、少しでも多くの人間を……」
ガーゴイルがボロボロの翼で羽ばたいた。攻撃に備えて身構える。しかしヤツは俺の頭上を越え、飛んで行ってしまった。
「ユージ! ヤツを追えっ」
レイドが叫んだ。
「町のみんなを守って!」
がれきと化した街並みの通りに、スキルバの声が響く。
「逃がすかよっ」
俺は地面を蹴り、勢いよく空へ飛びあがった。
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