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第8話この異世界で俺はランクLRらしいが信用しない……
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「スキルバさん、そろそろ鑑定結果出てないっすか?」
俺は膨張した股間をごまかそうと、スキルバに尋ねた。
「待っていて。見てくるわ」
スキルバが席を立った。
ふぅ、良かった。大きくなった股間をスキルバにからかわれずに済んだ。この異世界の女性はデリカシーの欠片も無いからな。見つかってたら確実にイジられてたな。
「……」
スキルバが俺の精子の入ったシャーレを凝視したまま、無言で固まっている。
えっ、なんか悪い結果出ちゃった? ノーマル以下とか? それ、さすがにショックなんですけど……。
「あのぉ、スキルバさぁん。鑑定結果、どんな感じです?」
恐る恐る尋ねてみた。
「大変よ! ユージ、これを見て!」
スキルバが大慌てで戻って来て、俺にシャーレを突きつける。
うん、そのまんま精液だな。自分の精液マジマジ見る機会も滅多にないよな。
「えっと、特に変色してないっすね。これって、ダメな感じっすか?」
「逆よ! レジェンド・レアよっ」
スキルバが興奮し、前のめりになって叫んだ。
「えぇ!? ランクLRってことっすか?」
「まだ1人も確認されていない伝説の魔力保持者。ウルトラ・レアを超越したレジェンドよ!」
俺は耳を疑った。
俺が伝説の魔力保持者? すべてのステータスにおいて平均以下の俺が?
「……それ、きっと間違いですよ。もっかい、鑑定やりなおした方がいっすよ」
「ユージ君、私のこと信用してないでしょ? ただのパイズリ上手なお姉さんだと思ってるでしょ」
スキルバが口をとがらせ、ギロリとにらんだ。
「いえいえ、決してそんなことは……ただ俺なんかが、そんなすごい魔力を持ってるなんて思えないんすよ」
「鑑定結果がユージ君をランクLRだと証明しているの。誰しも初めて魔術を使用するまでは、自分の力を認識できないものよ」
「そ、そーなんですか……」
スキルバは自信に満ち溢れた表情でキッパリ言い切ったが、俺は全く信じられなかった。
これじゃ、異世界転生ラノベの王道ど真ん中ってことじゃね?
スキルバの自信を分けてもらいたいくらいだ。
「これから忙しくなるわね。えっと、まずは、この結果を王都のアホ研究者どもに知らしめて見返してやんなくちゃ」
スキルバさん、悪い顔してるなぁ。昔なんか嫌なことあったのだろう。そこには触れないでおこう。
「あのぉ、スキルバさん。鑑定してもらって、治療までしてもらった上に言いづらいのですが、なるべく大事にはしてほしくないのですが……」
「そうよね。世界で唯一の最高魔力保持者、レジェンドと知られたら大騒ぎになって、まともに町も歩けないものね。いいわ。このことはクレア以外に口外しないと約束するわ」
「ありがとうございます」
俺は胸をなでおろした。大騒ぎになるこもさることながら、俺にそんなたいそうな力が無くて嘘つき呼ばわりされることが一番恐ろしい。スキルバには悪いが、俺はこの鑑定結果を信用していない。きっとなにかの間違いだろう。
「この町でユージのことは絶対に口外しないけれど、王都への報告だけはさせてちょうだい。魔王討伐任務や王都防衛の関係上、ランクSSR以上の魔力保持者が出た場合、王都への報告義務があるのよ」
「はい、もちろんです。それが薬剤師であるスキルバさんの仕事なんですから、当然です」
俺が理解を示すと、スキルバはホッとした様子で「ありがとう」とお礼を口にした。
研究室から店内に戻ると、さっそくスキルバは鑑定結果をクレアに耳打ちで伝えた。話を聞いた時のクレアは目を大きく見開き、声が出そうになるのをこらえて驚いていた。
そりゃ当然の反応だよな。一文無しの記憶喪失がレジェンドだったなんて……。
買い取ってもらう予定だった俺の精液は、無償でスキルバに提供した。レジェンドは未知の領域とのことで、その魔力について調査が必要らしい。おそらく、ちゃんと調べれば、鑑定結果が間違いだったことに気がつくだろう。
俺とクレアは、スキルバにお礼を言って店をあとにした。
「じゃ、帰ろうか。勇者様」
クレアが嬉しそうに俺の腕にしがみつく。
「クレアさん、その呼び方やめてくださいよ。あと近いんで、離れてください」
「なに照れてるの? 私のお口に5発も精液ぶちまけた勇者様が」
クレアが俺と腕を組んだまま、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
はぁぁ。
この美人のお姉さん、完全に面白がってるな。年下の俺をイジって楽しんでいる。ここまでSだとは思わなかった。ちなみに俺は、時々ちょっとだけ攻めたいソフトなM。
ため息をつく俺を見て、クレアは「クスクス」と小悪魔みたいに笑っていた。
俺は膨張した股間をごまかそうと、スキルバに尋ねた。
「待っていて。見てくるわ」
スキルバが席を立った。
ふぅ、良かった。大きくなった股間をスキルバにからかわれずに済んだ。この異世界の女性はデリカシーの欠片も無いからな。見つかってたら確実にイジられてたな。
「……」
スキルバが俺の精子の入ったシャーレを凝視したまま、無言で固まっている。
えっ、なんか悪い結果出ちゃった? ノーマル以下とか? それ、さすがにショックなんですけど……。
「あのぉ、スキルバさぁん。鑑定結果、どんな感じです?」
恐る恐る尋ねてみた。
「大変よ! ユージ、これを見て!」
スキルバが大慌てで戻って来て、俺にシャーレを突きつける。
うん、そのまんま精液だな。自分の精液マジマジ見る機会も滅多にないよな。
「えっと、特に変色してないっすね。これって、ダメな感じっすか?」
「逆よ! レジェンド・レアよっ」
スキルバが興奮し、前のめりになって叫んだ。
「えぇ!? ランクLRってことっすか?」
「まだ1人も確認されていない伝説の魔力保持者。ウルトラ・レアを超越したレジェンドよ!」
俺は耳を疑った。
俺が伝説の魔力保持者? すべてのステータスにおいて平均以下の俺が?
「……それ、きっと間違いですよ。もっかい、鑑定やりなおした方がいっすよ」
「ユージ君、私のこと信用してないでしょ? ただのパイズリ上手なお姉さんだと思ってるでしょ」
スキルバが口をとがらせ、ギロリとにらんだ。
「いえいえ、決してそんなことは……ただ俺なんかが、そんなすごい魔力を持ってるなんて思えないんすよ」
「鑑定結果がユージ君をランクLRだと証明しているの。誰しも初めて魔術を使用するまでは、自分の力を認識できないものよ」
「そ、そーなんですか……」
スキルバは自信に満ち溢れた表情でキッパリ言い切ったが、俺は全く信じられなかった。
これじゃ、異世界転生ラノベの王道ど真ん中ってことじゃね?
スキルバの自信を分けてもらいたいくらいだ。
「これから忙しくなるわね。えっと、まずは、この結果を王都のアホ研究者どもに知らしめて見返してやんなくちゃ」
スキルバさん、悪い顔してるなぁ。昔なんか嫌なことあったのだろう。そこには触れないでおこう。
「あのぉ、スキルバさん。鑑定してもらって、治療までしてもらった上に言いづらいのですが、なるべく大事にはしてほしくないのですが……」
「そうよね。世界で唯一の最高魔力保持者、レジェンドと知られたら大騒ぎになって、まともに町も歩けないものね。いいわ。このことはクレア以外に口外しないと約束するわ」
「ありがとうございます」
俺は胸をなでおろした。大騒ぎになるこもさることながら、俺にそんなたいそうな力が無くて嘘つき呼ばわりされることが一番恐ろしい。スキルバには悪いが、俺はこの鑑定結果を信用していない。きっとなにかの間違いだろう。
「この町でユージのことは絶対に口外しないけれど、王都への報告だけはさせてちょうだい。魔王討伐任務や王都防衛の関係上、ランクSSR以上の魔力保持者が出た場合、王都への報告義務があるのよ」
「はい、もちろんです。それが薬剤師であるスキルバさんの仕事なんですから、当然です」
俺が理解を示すと、スキルバはホッとした様子で「ありがとう」とお礼を口にした。
研究室から店内に戻ると、さっそくスキルバは鑑定結果をクレアに耳打ちで伝えた。話を聞いた時のクレアは目を大きく見開き、声が出そうになるのをこらえて驚いていた。
そりゃ当然の反応だよな。一文無しの記憶喪失がレジェンドだったなんて……。
買い取ってもらう予定だった俺の精液は、無償でスキルバに提供した。レジェンドは未知の領域とのことで、その魔力について調査が必要らしい。おそらく、ちゃんと調べれば、鑑定結果が間違いだったことに気がつくだろう。
俺とクレアは、スキルバにお礼を言って店をあとにした。
「じゃ、帰ろうか。勇者様」
クレアが嬉しそうに俺の腕にしがみつく。
「クレアさん、その呼び方やめてくださいよ。あと近いんで、離れてください」
「なに照れてるの? 私のお口に5発も精液ぶちまけた勇者様が」
クレアが俺と腕を組んだまま、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
はぁぁ。
この美人のお姉さん、完全に面白がってるな。年下の俺をイジって楽しんでいる。ここまでSだとは思わなかった。ちなみに俺は、時々ちょっとだけ攻めたいソフトなM。
ため息をつく俺を見て、クレアは「クスクス」と小悪魔みたいに笑っていた。
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